Skip to content

Category: 設計システム

Tags

DNV、Damen、NAPAが3Dモデルで船舶設計承認を合理化

Damen、DNV、NAPAは、プロジェクトの初期段階における船級の関与を合理化するために、新しいオープンクラス3Dエクスチェンジ(OCX)規格を使用することにより、船舶設計プロセスにおいて大きな一歩を踏み出しています。 船舶の設計を迅速に提供しなければならないというプレッシャーが高まる中、船級協会が早期に関与することで、設計者や船主のコンセプト設計に対する信頼が高まり、プロジェクトの円滑な遂行が保証されます。市場の期待に応え、Damen Engineeringは、Commissioning Service Operation “Walk to Work”船(CSOV 9020)の新しい設計の初回レビューにDNVの船級協会の専門家に参加してもらうことを決定しました。共同作業は、OCXファイル形式による3Dモデルの交換と承認に基づく新しい最先端技術を使用し、プロジェクトの初期段階である設計提案書の作業中に開始されました。 新しいCSOVの設計は、OCXフォーマットでの3Dモデルのエクスポートが可能なNAPAの3D設計ツールを使用し、Damenの技術者によって開発されました。この機能により、DamenとDNVは同一の3Dモデルで並行作業が可能となり、2D文書の合意や準備に必要な時間と労力を節約することができました。     Damen EngineeringのManging DirectorであるKatarzyna Romantowska-Jaskólska氏は、次のように述べました: 「環境、安全、規制、その他の外部からの圧力と、これまで以上に優れた設計を生み出すという競争上の必要性が重なり、従来のやり方はもう通用しなくなっています。OCXフォーマットは、船舶設計の開発およびプロジェクト遂行プロセスの全関係者にとって有益な新しいアプローチを可能にします。DNVとNAPAとのコラボレーションにより、設計の初期段階におけるリスクを軽減しながら、各分野を結びつけ、迅速な意思決定を促進するソリューションにたどり着きました。」   NAPAのDesign Solution担当Executive Vice President、Mikko Forssはこう付け加えました: 「NAPAでは、関係者間の効率的な協力と迅速なフィードバックループを通じて船体構造承認プロセスを合理化することを最優先事項の一つとしています。いくつかの業界共同開発プロジェクトの結果、NAPAの3D設計ソリューションは、船舶設計者と船級協会間の効率的な情報交換をサポートし、より迅速で正確な承認を可能にします。OCXフォーマットのサポートは、3Dモデルデータの標準化されたやり取りを可能にし、効率的なコミュニケーションに必要な時間と労力を削減するため、この取り組みの重要な部分です。」   DNVのDirector of ApprovalのIvar Håberg氏は以下のように締めくくりました: 「船級協会が設計承認プロセスを開始するのが早ければ早いほど、造船所と協力して規則に準拠した優れた設計ソリューションを見つけるのが容易になります。3D設計モデルの情報交換にOCXファイル形式を使用することで、DNVは設計開発の初期段階から設計者や造船所とより効率的に交流し、協力することができます。」   OCXは、3Dモデルベースの船級承認のための新基準であり、異なる設計および船級ソフトウェアのプラットフォーム間の障壁を取り除き、理想化された形状とメタデータのシームレスな交換を可能にすることを目的としています。OCX 3Dモデルは、従来の2D構造図に代わって船級承認の用途に利用できるため、造船所の時間を節約し、船級協会が設計者のニーズに迅速に対応できるようになります。 OCX規格は、DNVが主導する業界共同プロジェクト「Approved(2016-2020)」の成果です。この規格は現在、2021年に設立されたOCXコンソーシアム(https://3docx.org)が共同で所有・管理しています。このコンソーシアムには30以上の業界リーダーが集まり、規格を共同で推進・維持しています。コンソーシアムのメンバーは、すべての主要船級協会、主要CADプロバイダー、複数の設計者や造船所で構成されています。   *****   Damen Engineering Gdańskについて Damen Engineering Gdańskは、船舶性能の最適化を強力に推進する、受注生産、ワンオフ船、プロトタイプ船の能力センターです。 Damen Engineering Gdańsk は、オランダのオフショア専門船B.V.の子会社です。それ以来、能力、スキル、知識を発展させ、2023年には情熱と熱意のある従業員が170人に達するまでになりました。成長するチームは、船舶設計技師、機械技師、電気技師で構成されています。プロジェクトをより適切に管理し、最終製品の確実性を高めるために、Damen Engineering Gdańskではプロジェクトマネージャーとサプライチェーン・スペシャリストの強力なチームを編成しています。これらの能力を組み合わせることで、可能な限り最高品質の製品を、予定通りの納期と予算で提供することができます。   NAPAについて NAPA社は30年以上の歴史を持ち、船舶の設計と運航のためのソフトウェアとデータ・サービスを提供するリーディング・カンパニーです。NAPAはフィンランドに本社を置き、200 名の専門家を擁し、造船工学、船舶運航、デジタル・サービスの専門知識を結集しています。NAPAは日本、韓国、中国、シンガポール、米国、ドイツ、ギリシャ、ルーマニア、 インドでグローバルに事業を展開しています。 新造船の90%以上がNAPAの顧客によって建造されており、NAPAの船舶設計ソフトウェアは造船における世界的なデファクトスタンダードとなっています。さらに、NAPAは客船の安定性管理と安全データサービスのマーケットリーダーであり、船舶性能モニタリングと運航最適化のためのクラウドベースのソリューションは、海運の脱炭素化の旅をサポートしています。詳細はwww.napa.fiをご覧ください。 […]

Read Article

中国船級協会とNAPA、3D船舶設計承認プロセスの合理化を図る新しい共同インターフェースを導入

NAPA Steelと中国船級協会のCOMPASS-SDPとの間のインターフェースを確立するプロジェクトにより、データの相互運用性を高め、規則計算の容易化、時間短縮、より緊密な協力関係を実現します。     本件に関するお問合せ先:

Read Article

NAPA User Meeting 2023 Photo Gallery

NAPA User Meeting 2023 ‘Re-inventing Ship Design Together’ にご参加くださいました皆様、ありがとうございました! フォトギャラリーをご覧いただき、貴重な時間を思い出していただければ幸いです。 皆様と共にこのイベントを無事開催できたことを、心より御礼申し上げます。      

Read Article

目前に迫る設計の未来:3Dモデルベース承認をコンセプトから現実へ

造船所、設計者、船級協会の誰もが、3Dモデルベース承認(3D MBA)は、複雑化する環境下で効率を高め、脱炭素化移行に向けた課題に取り組む造船所の未来に不可欠な要素であると認識しています。もはや遠い将来の話ではなく、世界中のさまざまな造船所や船級協会が、今日すでに3D MBAの実現に取り組んでいます。この画期的なプロセス実現のために、NAPAがどのように業界のパイオニアと取り組んでいるかについてご紹介します。 新たな挑戦は、新たな働き方を求めています。脱炭素化、海上安全に関する規制強化、船舶の自律運航の台頭、時間の制約など、あらゆる側面から変化がもたらされ、複雑さを増しています。 3D MBAの目的は、簡単に言えば、船舶の設計に使用した3Dモデルで船級規則の確認や計算を可能にすることです。これは、造船所は船級承認のために3Dモデルを2D図面に変換し、変更を適用するために再び3Dに戻す必要がある現在の標準的なプロセスからの大きな改善点です。2Dと3Dの間で何度も変換する必要がないため、時間の節約になるとともに、エラーの発生も防ぐことができます。 さらに、現在の標準的なプロセスでは、造船所の技術者が3Dモデルを変換して関連情報を抽出し、規則計算やFEM解析に使用するプラットフォームが要求するフォーマットへの入力が必要です。これには多くの手入力や微調整が必要となり、大変時間がかかります。すなわち、3Dモデルをシームレスに変換し、船級協会が提供するエンジニアリングツールでの使用を可能にすることも、3DMBAの重要な要素となっています。 このコンセプトをどのように現実のものにするか。主要な船級協会では、3D MBAの実現に向けて、その戦略や顧客のニーズに応じたさまざまなアプローチをとっています。大きく分けて2つの道が考えられます: Application Programming Interface (API)は、船級協会がNAPA APIを通じて3Dモデルに直接アクセスし、そこで規則の確認や計算を行うために必要な情報を取得するものです。韓国船級協会(KR)や日本海事協会(ClassNK)が採用しているこの方式では、造船所と船級協会が3Dモデル上で直接情報や計算結果を交換することができるため、3Dモデルが船舶設計に関するあらゆる情報が蓄積される「信頼できる唯一の情報源」となります。   Open Class Exchange (OCX) は、3D MBAの業界標準ファイルフォーマットとして開発されました。造船所が設計に使用するソフトウェアと、船級協会が規則の確認や承認に使用するプラットフォームの橋渡しをするものです。NAPA Designerで生成されるOCXフォーマットは、3Dモデルからすべての関連情報を抽出し、船級協会のソフトウェアが読み取れるようなフォーマットに変換します。これは、Bureau Veritas(BV)とDNVが採用しているアプローチで、他の主要な船級協会もOCXコンソーシアムに参加しています。   Bureau Veritas(BV)とDamen Engineering – 最初の3Dマイルストーン通過  今年初めに、2,500 m3の浚渫船がDamenの船舶として初めて3Dモデルによる設計、審査、クラス承認を受けました。これはNAPAとBVとの1年にわたる協業の成果です。この技術的な飛躍は、OCX標準ファイル形式を使用して達成され、BVは社内ツールであるMARSとVeriSTAR Hullを使用して規則の確認と計算ができました。その結果、2次元図面に変換することなく、同じファイルフォーマットでシームレスに納品まで完了できました。 この新しいプロセスは、素晴らしいスタートを切りました。最初の船舶設計から、3D MBAはその約束を果たし、Damenのチームは、船級承認のためにコンセプトを2D図面に変換し、変更を適用のために再度3Dに変換する必要がなくなったため、貴重な時間を節約できるようになりました。船級協会と造船所間のコミュニケーションが目に見えて容易になり、設計審査もより効率的かつ確実に、またエラーのリスクも減少しました。 重要なのは、3D MBAが安全性を損なうことなく船級承認プロセスを合理化したことです。これは、すべての基準や規則を満たしていることを確認するために、同じように厳格なチェックが行われたからです。この最初のプロジェクトの結果は非常に重要で、Damenはすでに1000m3と4000m3の2隻のホッパー浚渫船を含む、さらなる設計にこのプロセスを適用しています。   ClassNKと日本シップヤード – 「信頼できる唯一の情報源」の開発 もう一つの方法であるNAPAのAPI(Application Programming Interface)は、ClassNKと日本シップヤードがシームレスな統合を実現するために使用され、3Dモデルは設計やレビューの過程で常に最新に保たれた船舶情報の中心的存在として維持されました。 本プロジェクトでは、船級承認プロセスの効率化と3D MBAに関連する実用的な問題を解決するためのツールやプロセスの開発に焦点を当てました。船体構造設計を最初のターゲットとして、NAPA DesignerとClassNKの構造強度計算プラットフォームPrimeShip-HULL(PSH)との統合システムを開発し、規定規則計算や有限要素(FE)解析に対応しました。  プロジェクトでは、バルクキャリアとオイルタンカーのサンプルモデルで試験を行い、新しい統合システムの有効性が立証されました。具体的には、作業の重複をなくし、構造図と構造モデルの設計情報の一貫性を確保する点で大きなメリットがあることが確認できました。 また、NAPA 3Dモデル所有者が、すべての関係者に安全かつ簡単にモデルのレビューやコメントの共有を可能にするWebベースのアプリケーション、NAPA Viewerの有効性立証も、このプロジェクトの重要な成果です。NAPA Viewerは情報の中枢として機能し、3D MBAを実現するだけでなく、船舶設計に関わるすべての関係者間の情報共有やコラボレーションをより良くサポートします。また、3Dモデルの利点と従来の2D図面の利点を組み合わせた自動アノテーションツールにより、確認を行う際に設計情報を迅速かつ直感的に発見できるため、新しいプラットフォームは現在の2Dベースのプロセスと同等かそれ以上の効率を実現可能なことが、試験により立証されました。   Korean Register […]

Read Article

NAPAソリューションを体感し、より多くの気づきを

NAPAは、常にお客様との柔軟なコミュニケーションを大切にし、30年以上にわたり継続的にソリューション開発をしてきました。NAPAデザインソリューションズは、このような活動の一環として、船舶設計のプロフェッショナルの方々を直接訪問し、交流する機会を得ました。     お客様と直にお会いしてコミュニケーションをとることで、お互いの相乗効果が生まれます。 「ユーザー様と直接お会いして、貴重な意見を伺ったり、実りある議論をすることはとても重要です。私たちのユーザーミーティングやワークショップを通じて、お客様のNAPAを使用した日常業務の生産性を向上させます。」– NAPAデザインソリューション プロダクトマネージメントダイレクター  Olli Puustinen氏 お客様とお会いすることの価値を知っている私達は、NAPAユーザーの皆様と情報や知識を共有するために、毎年NAPAユーザーミーティングを開催してきました。今年も例外なく、5月末にヘルシンキでNAPA User Meeting 2023を開催いたします。Re-inventing Ship Design Togetherというテーマのもと、海事産業が抱える様々な課題を共に解決していくために、NAPAのソリューションがどのように課題解決をサポートできるのか、そして今後の可能性について、各国のお客様からの様々な事例を交えて議論します。 「NAPAユーザーミーティングは、造船所、船級協会、エンジニアリング会社、船会社から幅広い業界の専門家が集まる、当社にとって一年のハイライトイベントの一つであることは間違いありません。今回も船舶設計に関する多くの話題を取り上げた興味深い議論や発表が期待されます。」– NAPA デザインソリューション副社長 Mikko Forss氏 今回のNAPA User Meeting 2023では、世界中のNAPAriansやNAPA Familyと出会い、業界の動向や課題、開発・展開されているソリューションの話を聞くことができます。 NAPAユーザーとの交流や、興味深いプレゼンテーションや体験型ワークショップなど、3日間にわたる充実したプログラムを通して、より多くの知見を得ることができるはずです。ぜひご参加ください。

Read Article

NAPAとElomatic:20年にわたる協業成功の秘密

優れた船舶建造の背景には、優れたチームが存在する。そのチームを更に優れたものにするのは何か? 良好な協業とデータ駆動型ソリューションの構築は、より迅速な設計、より円滑なコミュニケーション、より多くのイノベーションを可能にします。このような基盤が確立されると、より安全でより環境に優しく、より効率的な船舶を設計することが飛躍的に容易になります。 プロジェクトごとに業界を変革していくNAPAとElomatic社は、20年以上にわたって未来の船舶の創造に共に取り組んできました。このチームが船舶設計へのアプローチを継続的に革新し、レベルアップできるよう、私たちは積極的に耳を傾け、適切な質問を投げかけ、あらゆるステップでチームをサポートしてきました。 この度、Elematic社におけるNAPAの使用経験、及び顧客が将来の戦略的課題に取り組むのを支援する同社のビジネスにNAPAが与えた影響についてこの数十年を振り返るべく、Elomatic社のRami Hirsimaki氏(マリン&オフショア担当上級副社長)、Markus Jokinen氏(マリン&オフショア担当デザインマネージャー)、Elias Penttinen氏(マリン&オフショア担当コンサルティングエンジニア)に話を伺いました。 Elomatic社は、ヨーロッパを代表するエンジニアリングおよびコンサルティング会社として、52年の歴史を持ち、さまざまなプロジェクトや船種に対応しています。現在、Elomatic社が最も力を入れている課題は、グリーン・トランスフォーメーション(GX)に対応した将来性のある船舶設計です。 燃料の将来計画 低炭素・ゼロカーボン燃料は、海運のGXに欠かせないものですが、それが船舶設計にどのような影響を与えるのでしょうか。 代替燃料の中でもアンモニアとLNGは特に必要な量が多いため、さまざまなオプションを素早く検討する方法が必要です。NAPAはそのための大変有用な選択肢です。 Elomatic社マリン&オフショア部門デザインマネージャー、Markus Jokinen氏 Elomatic社が日本郵船株式会社(NYK)向けのアンモニア対応のLNG燃料船の新船隊を設計することになったとき、この課題の理解は不可欠でした。この新船隊は、バルクキャリア(ポストパナマックスとケープサイズ)2隻、自動車専用運搬船(PCC)1隻、超大型原油タンカー(VLCC)1隻からなるもので、効率や安全性を損なうことなく、グリーンエネルギーで駆動する必要がありました。 アンモニアのようなカーボンフリーの船舶用燃料は、業界の脱炭素化を先導するものです。しかし、日本の大手海運会社であるNYK社は、この移行促進のためのGHG排出量を削減する効果的な橋渡し役として、LNGの利用方法を検討する必要がありました。なぜなら、LNG燃料船は最小限のコストでアンモニア燃料船に容易に転換可能なためです。この様に燃料を容易に転換可能であることは、同社にとって設計上の優先事項でした。   アンモニア燃料対応LNG燃料自動車専用運搬船(PCC)のコンセプトデザイン アンモニア燃料対応LNG燃料(ARLFV)超大型原油タンカー(VLCC)のコンセプトデザイン しかし、従来の燃料油に比べてエネルギー密度が低いため、代替燃料で航行するための船舶の改造や設計には、より大きなタンクの必要性など、独自の課題があります。これまではこのような課題がある場合、大抵がそれぞれの設計要素間の妥協が必要でした。また、新しい低炭素燃料の採用は、無数の可能性を生み出す一方で不確実性をもたらし、より革新的な船舶設計が要求されます。旧来の設計手法を繰り返すことはもはや目的に適わず、自信を持って意思決定を行うこともできません。 設計者やエンジニアは、安全性と効率性は譲れないと認識しています。では、エンジンの改造、安全システム、タンクのサイズや位置などの設計上の決定は、安定性や運用性にどのような影響を与えるのでしょうか? NAPA Designerでは、区画や構造物の詳細な3Dモデルが用意されているため、Elomatic社はこれらの懸念に対応し、タンクの形状、サイズ、配置など、改造作業やコストを最小限に抑えつつ、効率や安全性を妥協しない設計オプションを可視化することができました。 NAPA Steelの構造モデルのような3Dモデルは、図面、フィードバック、計算、解析がすべて行われる共通のソフトウェアベースを提供し、すべての結果にあらゆる変更が反映されることを保証します。さらに、ウェブベースの情報共有プラットフォームにより、レビューや承認の効率化を図ることができます。例えば、NAPA Viewerは、船主、協力会社、船級協会が必要な情報にリアルタイムでアクセスできるようにし、同時に各関係者の知的財産権を保護します。 モデルの作用 複雑化する設計プロジェクトにおいて、NAPAを使用する利点は、必要なデータをすべて一ヶ所に集め、意思決定や代替燃料への移行に必要な明確さをもたらすことです。Markus氏は、「特にコンセプトの段階では、さまざまな選択肢をより簡単にかつ迅速に検討できます。」と述べています。 例えば、代替燃料タンクの設置を容易にするために、設計者はデッキの下部空間を割り当てるべきでしょうか?その場合、貨物容量にはどのような影響があるのでしょうか?アンモニアのエネルギー密度が低いことを考慮するとどうでしょう?タンクの設計は効率にどのような影響を与えるのでしょうか? Elomatic社にとって、これらの質問に自信を持って答え、将来の燃料を採用した場合の影響を評価することは極めて重要なことでした。 NYK社のアンモニア対応ポストパナマックスバルカーのコンセプトデザインを制作する際、Elomatic社は、安全性と効率性を考慮し、改造コストを最小限に抑えつつ、最適な設計オプションを検討する必要がありました。これを実現にするため、我々はNAPA Steelの3D構造モデルの利用を最適化するためにElomatic社と緊密に連携しました。 3Dモデルは、船舶の設計段階から運用段階まで、安全性や運航に影響を与える膨大な情報を網羅しています。例えば、有限要素(FE)解析がその一例として挙げられます。FE解析は、船舶の設計において、モデル内の応力水準の大きさを特定する重要な役割を果たすものの、後回しにされがちです。構造設計の初期段階でFE解析を行うことができれば、技術者は新しい機能がどのように連携し、全体構造の整合性に影響を与えるかを把握することができます。NAPAのFEメッシング機能により、Elomatic社は設計プロセスの標準的な部分としてFEモデルを簡単に生成・解析し、これまで以上に早い段階で修正作業を行うことができました。 信頼できる唯一の情報源 3Dモデルが1つの「信頼できる唯一の情報源」として機能することで、迅速な設計変更と、ハイドロ計算、復原性、船舶重量推定、流力性能から船体構造、FE解析に至るまでの信頼できる解析が飛躍的に容易になります。これらは、船級承認にも利用できます。 アンモニア対応のLNG燃料「自動車専用運搬船」のコンセプトデザインを作成する際、Elomatic社のチームはNAPAの3Dモデルを使って、タンク容量や配置を変えることで船の復原性性能にどのような影響を与えるかを検討しました。さらに、NAPAの確率論損傷時復原性機能、ハイドロ計算・復原性機能、及びNAPA Steelを使用することにより、確率論損傷時復原性規則(SOLAS2020)への適合などに対して、より信頼性の高い設計チェックをより簡単かつ正確に行うことができるようになったのです。 NAPA Designerとその3Dグラフィカルインターフェースを使って、Elomatic社は、以前のテキストベースのインターフェースと新しいグラフィカルインターフェースとを切り替えることができました。これにより、特に流体力学を研究する際に、両方のバージョンが提供する柔軟性と洞察を享受しながら、より詳細で使いやすい設計プロセスを実現することができました。 この「信頼できる唯一の情報源」は、造船工学技術者や設計者、技術開発者、船級協会など、全プロセスの関係者が同じ情報にリアルタイムでアクセスしてさまざまな設計目標を追求することを可能にし、チームの働き方を根本的に変えることにもなっています。Elomatic社では、より簡単にコミュニケーションできることになった結果、作業負荷と間違いのリスクを大幅に削減し、設計スケジュール、予算、要件をより良く満たすことが可能になりました。 重要なのは、NAPA設計ソフトウェアがより俊敏で革新的な設計ソリューション基盤を築いており、複数の活用事例があるということです。 オフショアへの展開 私たちのソリューションは、一般商船にとどまりません。NAPAの設計ソフトウェアから得られるモデリング、幾何形状、復原性に関する同じ見識を利用して、Elomatic社は洋上風力発電市場での存在感を拡大しました。プロジェクトの複雑さを考慮し、Elomatic社は正確な復原性計算のために信頼できる強力な設計ソリューションを必要としていました。 NAPAの設計ソフトウェアは、浮体式洋上風力発電構造物の設計を確実かつ正確にサポートし、チームの設計意欲を満たしました。NAPAは一般商船設計と同様に、海上で簡単に設置できる即利用可能なソリューションの構築を目指すチームに、迅速で自信に満ちた行動を可能にしました。 その核となるのは、世界的なエネルギー転換の障壁を取り除くために、ソリューションの拡張性を確保することでした。 ドリームチーム 長年にわたり、定期的な話し合いと緊密な連携により、NAPAはElomatic社の改造や新造船をサポートすることができました。 NAPAのカスタマーサービスチームは、これをさらに一歩前進させます。単に設計上の問題を解決するだけでなく、意欲的な設計要件を実現するためのデジタルツールの最適な使い方について、有益で洞察に満ちたガイダンスを提供しています。 これは、未来の船舶、あるいは明日の浮体式洋上風力発電構造物は今日設計され、持続可能性、安全性、効率性をDNAに組み込む必要があるという認識からきています。より協力的で革新的なプロセスをいかに構築していくかが、業界の脱炭素化を左右することになります。それはすべて構想段階から始まるのです。 興味がおありですか? NAPA船舶設計ソリューションで、設計プロセスを改善することができます。詳しくはお問い合わせください。

Read Article

NAPA、国際ウィンドシップ協会(IWSA)に加盟

NAPAは国際ウインドシップ協会(IWSA)の準会員となりました。これからも海運の脱炭素化を支援する取り組みを推進していきます。 IWSAの使命は、商船における風力推進装置の搭載を促進し、燃料消費量の削減と気候変動に関連するCO2排出量の低下を図ることです。NAPAは準会員として、船主の脱炭素取組に積極的に協力する本団体に加わることになりました。 国際ウィンドシップ協会の事務局長であるGavin Allwright氏は、以下のように述べています。「今回NAPA社をIWSAのメンバーとして迎えることができ、大変うれしく思います。NAPA社が行っている活動は、この分野の発展に重要な貢献をしており、今後さらに発展するものと期待しています。NAPA のチームがもたらす知識と経験は、当協会にとって非常に貴重なものとなるでしょう。風力推進が、業界をリードする脱炭素・ゼロエミッションのソリューションとして、その可能性を最大限に発揮できるよう、共に取り組んでいきたいと思います。」 航海の最適化で風力発電の効果を最大化 NAPAはすでに、風力推進装置のプロバイダーであるNorsepower 社(IWSA会員企業)との間で、風力推進装置の効果を最大限に活かすための協業を行っています。昨年締結した契約により、NAPA 運航最適化システムVoyage Optimizationが、Norsepower社のローターセイル・ソリューションの全販売にオプションとして選択することができます。 NAPA Voyage Optimizationは、燃料消費量とCO2排出量を最小限に抑える最適な航路を選択するための気象航路作成ソフトウェアです。気象、海流、風力発電などの船舶の設計を考慮し、船舶固有の本船パフォーマンスモデルを構築します。これらのモデルを用いて、様々な条件下での船の性能を評価・予測し、最適な航路を選択することができます。 NAPAのShipping Solutions担当Executive Vice PresidentであるPekka Pakkanenは以下のように述べています。 「航海最適化と風力推進の組み合わせは、どちらか一方の技術だけと比較して、性能向上の大きな可能性をもたらします。風力推進技術とNAPA Voyage Optimizationの組み合わせにより、燃料消費量とCO2排出量を最大で24%削減できることが調査で明らかになっています。」 モデリングとシミュレーションの機能 NAPA は、船主が風力推進装置の導入を検討する際の意思決定も支援しています。風力推進装置の導入はは、船舶の復原性、構造強度、積荷管理などに影響を与える可能性があります。NAPAの高精度なデータ解析技術とモデリング機能により、風力推進装置における各ファクターへの影響を事前にシミュレーションすることができます。 「最近、ノルウェー・パワー社と共同で、ローターセイルを本船に導入した場合の影響を船主がモデル化できるようサポートしました。当社の設計ツールを使えば、船の安全性や安定性に与える影響をモデル化し、そのシステムが船に適しているかどうかを確認することができます。そして、NAPA Stabilityによって、安全性を確保するための日々の運航計画をサポートすることができるのです。」とPakkanenは述べています。 NAPA Fleet Intelligenceのようなプラットフォームは、本船固有のパフォーマンスモデルを元に、航海ごとの燃料消費量などさまざまな運航要因のベンチマーク、本船性能分析、進捗管理を支援します。これにより、船隊管理者は、エネルギー効率化対策の真の効果をより明確に把握することができます。 IWSAの目標は、船主や運航会社が、IMOの燃費実績の格付け制度(Carbon Intensity Indicator:CII)、ポセイドン原則、海上貨物輸送約款などの業界全体の検討事項を考慮しながら、各自の具体的目標を設定し達成できるようにすることです。IWSAの一員として、NAPAは気候変動対策をより加速すべく支援していきます。

Read Article

Damen, NAPA, Bureau Veritas 初めての3Dモデルによる船級承認に成功

Damen Engineering社は、浚渫船での最初のエンドツーエンド試験で効率化と時間短縮が実証された後、さらなる設計に3D船級規格を導入する予定です。  ヘルシンキ(フィンランド)、2022年1月12日:Damen Engineering社は、大手船級協会Bureau Veritas(BV)とグローバルな海事ソフトウェアプロバイダーNAPAと共同で、3Dモデルを使用して作成、審査、船級承認をすべて行う初の船舶設計を完了したと発表した。  2500 m3 浚渫船構想は、Bureau Veritasによる3Dモデルベース船級承認(3D MBA)を受けた最初のDamen船舶構想です。これは、現在の主流である2D図面ではなく、3Dモデルを使用して船級協会が設計を審査・承認するプロセスです。この3D MBAの成功を受けて、Damen社は1000 m3と4000 m3 のホッパー・ドレッジャーを含むさらなる設計にこのプロセスがすでに適用されていることを発表しています。 これらの3Dモデルベースの設計と承認は、NAPAの最先端技術によってサポートされており、設計とレビューのプロセスを通じて、Damen社とBureau Veritasが同じ3Dモデルで協調して作業することを可能にしています。最初のプロジェクトから、3D MBA の導入はコミュニケーションを合理化し、時間を節約するという好結果をもたらしました。また、3D MBAの導入により、船舶の設計に使用する3Dモデルを船級承認のための2D図面に変換し、その変更を実施するために再び3Dに戻す必要がなくなったため、潜在的なエラーの主要因を排除することができました。  今回の承認は、NAPAとBureau Veritasのパートナーシップにより、NAPA Designerで生成される中立的なOCXファイル形式を使用した3Dモデルベースの承認の実施によるもので、これによりBVは社内ツールMARSとVeriSTAR Hullを使用して規定規則の確認と計算を実行することができます。  Damen Engineering Gdansk社(Damen Group Offshore and Specialized Vessels Division)のManaging DirectorであるKasia Romantowska氏は、次のようにコメントしています。「当初から3Dモデルベースの承認は約束されたものであり、我々のチームの貴重な時間を節約するのに役立っています。NAPAの3D設計ツールは以前から使用していますが、同じ3Dモデルで分類審査と承認ができることは画期的なことです。現在では、設計プロセスのすべての関係者が、信頼できる単一のリアルタイム情報源にアクセスすることができるようになっており、これはコミュニケーションを促進し、エラーのリスクを制限するための重要な鍵となります。Damen Shipyards Groupにとって、3D MBAの導入は、技術革新への絶え間ない取組みの一例でもあります。この動きは、安全で信頼性が高く、効率的で持続可能な船舶を提供し、環境負荷の軽減やパフォーマンスの向上など、顧客の目標達成に貢献することになるでしょう。」  NAPA Design Solutions の Executive Vice President である Mikko Forss は、次のように述べています。「新造船の設計と承認プロセスを通じて3Dモデルを導入することで、船舶設計プロセスにおける新たなレベルのコラボレーションと情報共有が可能になります。これにより、チームが共に革新し、時間とリソースを最大限に活用して可能な限り最高の設計を実現することができるようになります。特に、脱炭素社会への移行に伴い、設計者や造船所に対して、より環境に優しく、より効率的な新世代の船舶を造り、新しい燃料や技術を搭載することへの圧力が高まっている現在、これは非常に重要なことです。今日、3D MBAが現実のプロジェクトを支えていることを誇りに思います。これは、堅牢で透明性のある包括的なデジタルツールに支えられた、すべてのパートナーのパイオニア精神のおかげです。」  Bureau Veritas Marine & OffshoreのTechnical & […]

Read Article

NAPA Release 2022.2

2022年のNAPAリリース第2弾が公開されました! ソフトウェアのすべての更新内容は、NAPAnetで公開しております「NAPA Release Notes 2022.2」で、インストールパッケージと合わせてご確認いただけます。 NAPA Release 2022.2では、ジオメトリと構造のモデリング、およびより効率的なアプリケーション機能に焦点が 当てられています。そのハイライトをいくつか紹介します。 NAPA Designerの積付計算機能を、お客様からのフィードバックに基づき、一部改良しました。船型などのモデル変更に追従したハイドロ計算が利用可能となりました。 IMOポーラーコードの損傷時復原性評価への対応が追加されました。 NAPA DesignerのNAPA Steelの詳細構造モデリングツールが改良されました。 有限要素メッシュの作成が高速化され、FEMプロセス全体が強化されました。 ハイドロ計算と復原性計算 NAPA Designerでリアルタイムのハイドロ計算結果が利用可能 NAPA Designerの3Dモデリング環境は、船型やジオメトリのモデリング機能を向上させるために、ハイドロ計算結果を直接フィードバックするように改良されました。この新しいツールは、船体表面など、選択された幾何学的オブジェクトのハイドロ計算結果をリアルタイムで提供します。 NAPA Designerの積付計算機能を改善 前回のNAPA Release 2022.1では、NAPA Designerで積付条件を作成・編集するための新しいツールセットを公開しました。今回、使いやすさと機能性がさらに向上し、新機能として新しいLightweight定義ツール、復原性に関する開口の視覚化、積付条件の概要表示などがあります。詳しくは動画をご覧ください。 IMOポーラーコードのサポートを追加 全ての極地氷海船は、IMOポーラーコードに基づき、氷の衝撃による船体貫通による浸水に耐える必要があります。規則適合性解析は、SOLAS II-1 規則 7-2 に基づいて行われます。NAPA 2022.2のPROB Managerアプリケーションは、損傷ケースの自動生成を含むIMO Polar Code の損傷時復原性評価をサポートするようになりました。 構造設計 より簡単で効率的、そしてもっと正確なモデリング NAPA Steel は、より効率的な構造設計プロセスや詳細なニーズに対応するため、機能を更新しました。 構造モデリングがより簡単に、より効率的に、より正確に行えるようになりました。NAPA Designerでは、幾何形状作成の新機能が追加され、例えば、曲線や曲面の回転機能により軸回転モデリングに対応しました。この新機能は、特に浮体式風力発電機などの海洋構造物の形状および構造モデリングに有用です。傾斜Workplaneは、オブジェクトのより具体的な形状を定義する際に必要不可欠な機能ですが、任意の斜めの平面オブジェクトを元に容易に作成することができるようになりました。 その他、プロファイルマクロエディタ、スティフナー交差時の優先順位処理の改善、あらゆるオブジェクトのコピーと移動機能の微調整など、実用的な新機能を搭載しています。 有限要素メッシングの高速化 有限要素メッシング(FEM)機能は、これまで以上に高速化され、メッシングプロセス全体の時間が短縮されました。メッシュチェック機能が改良され、例えば、フリーエッジやトポロジー領域の欠落箇所をハイライトすることで、分断された節点や要素をより適切に検出できるようになりました。また、トポロジカルエリアの再メッシングも以前より簡単に行えるようになり、自動生成されたメッシュの調整が容易になりました。 NAPA Release 2022.2の新しいFEM開発には、より良いメッシュのための優先順位処理の改善、クイックセレクトツールのFEM関係への拡張、3Dグラフィックスからの要素選択機能の拡張、FEMトレースのコピーツール、荷重定義ツールの改良も含まれています。 設計の初期段階におけるFEMの有用性について、以下の記事も合わせてご一読ください。 細部が成否を分ける – なぜ早期のFE解析が不可欠なのか? […]

Read Article

外板形状フェアリングトレーニング

弊社ではNAPA、またはフェアリング作業(計画線図または建造線図)のご経験をお持ちの方を対象とした「NAPA外板形状フェアリング・トレーニング」を年1回程度開催しております。 従来のHull Surface Editorに加え、NAPA Designerベースの新・船型モデリング機能の詳細、操作も内容に含んでおります。 ■対象 NAPAの基本的な操作のご経験をお持ちの方、又はフェアリング作業(計画線図又は建造線図)のご経験をお持ちの方 ■概要 外板形状のフェアリングに焦点を当て、NAPAを用いた船型モデルの効率の良い編集方法等を習得して頂くことを目的としております。 トレーニングでは解説と演習が交互に進められます。 トレーニングでは船型モデル編集ツール、”Hull surface editor”及びNAPA Designerを使用いたします。 その他便利機能/コマンド、マクロを使用したフェアリング作業の半自動化例などもご紹介致します。 ■開催日 2024年  夏頃(2日間)予定 Day1 10:00~17:00(12:00~13:00 昼休憩) Day2 10:00~17:00(12:00~13:00 昼休憩) ■内容 【Day 1】 ・NAPAでの船型データの成り立ち ・船型定義の方法(パッチサーフェス、NURBSサーフェス) ・Hull Surface Editorの効率的な使い方 ・外板形状フェアリング ・端部R処理 【Day 2】 ・フェア度の品質チェック ・外部データへの出力/外部データからの取り込み ・船型変更(全体変形、局部変形) ・より効率的な使い方(マクロを使用したフェアリング作業の半自動化例) ■費用 1人8万円(食費・宿泊費は除く,消費税別) (本トレーニングについてはDay1からDay2へ連続した内容となるため、各1日のみの部分参加は承っておりません。予めご了承ください。) ■お申込み 開催日確定次第お知らせします。 ■定員 定員: 通常5名程度(最少催行人数:3名) ※定員になり次第締め切らせて頂くことがございます。お申し込みが最小催行人数に達しない場合は延期させて頂くこともございます。予めご了承ください。   ■その他 ・参加に際して,各自NAPA及びNAPA Designerをインストールした64bitのノートパソコンをご持参頂きます。 ・64bitのノートパソコンの手配が困難な場合は、有償(20,000 円+消費税 / […]

Read Article