Tag: Wind propulsion
NAPA、国際ウィンドシップ協会(IWSA)に加盟
NAPAは国際ウインドシップ協会(IWSA)の準会員となりました。これからも海運の脱炭素化を支援する取り組みを推進していきます。 IWSAの使命は、商船における風力推進装置の搭載を促進し、燃料消費量の削減と気候変動に関連するCO2排出量の低下を図ることです。NAPAは準会員として、船主の脱炭素取組に積極的に協力する本団体に加わることになりました。 国際ウィンドシップ協会の事務局長であるGavin Allwright氏は、以下のように述べています。「今回NAPA社をIWSAのメンバーとして迎えることができ、大変うれしく思います。NAPA社が行っている活動は、この分野の発展に重要な貢献をしており、今後さらに発展するものと期待しています。NAPA のチームがもたらす知識と経験は、当協会にとって非常に貴重なものとなるでしょう。風力推進が、業界をリードする脱炭素・ゼロエミッションのソリューションとして、その可能性を最大限に発揮できるよう、共に取り組んでいきたいと思います。」 航海の最適化で風力発電の効果を最大化 NAPAはすでに、風力推進装置のプロバイダーであるNorsepower 社(IWSA会員企業)との間で、風力推進装置の効果を最大限に活かすための協業を行っています。昨年締結した契約により、NAPA 運航最適化システムVoyage Optimizationが、Norsepower社のローターセイル・ソリューションの全販売にオプションとして選択することができます。 NAPA Voyage Optimizationは、燃料消費量とCO2排出量を最小限に抑える最適な航路を選択するための気象航路作成ソフトウェアです。気象、海流、風力発電などの船舶の設計を考慮し、船舶固有の本船パフォーマンスモデルを構築します。これらのモデルを用いて、様々な条件下での船の性能を評価・予測し、最適な航路を選択することができます。 NAPAのShipping Solutions担当Executive Vice PresidentであるPekka Pakkanenは以下のように述べています。 「航海最適化と風力推進の組み合わせは、どちらか一方の技術だけと比較して、性能向上の大きな可能性をもたらします。風力推進技術とNAPA Voyage Optimizationの組み合わせにより、燃料消費量とCO2排出量を最大で24%削減できることが調査で明らかになっています。」 モデリングとシミュレーションの機能 NAPA は、船主が風力推進装置の導入を検討する際の意思決定も支援しています。風力推進装置の導入はは、船舶の復原性、構造強度、積荷管理などに影響を与える可能性があります。NAPAの高精度なデータ解析技術とモデリング機能により、風力推進装置における各ファクターへの影響を事前にシミュレーションすることができます。 「最近、ノルウェー・パワー社と共同で、ローターセイルを本船に導入した場合の影響を船主がモデル化できるようサポートしました。当社の設計ツールを使えば、船の安全性や安定性に与える影響をモデル化し、そのシステムが船に適しているかどうかを確認することができます。そして、NAPA Stabilityによって、安全性を確保するための日々の運航計画をサポートすることができるのです。」とPakkanenは述べています。 NAPA Fleet Intelligenceのようなプラットフォームは、本船固有のパフォーマンスモデルを元に、航海ごとの燃料消費量などさまざまな運航要因のベンチマーク、本船性能分析、進捗管理を支援します。これにより、船隊管理者は、エネルギー効率化対策の真の効果をより明確に把握することができます。 IWSAの目標は、船主や運航会社が、IMOの燃費実績の格付け制度(Carbon Intensity Indicator:CII)、ポセイドン原則、海上貨物輸送約款などの業界全体の検討事項を考慮しながら、各自の具体的目標を設定し達成できるようにすることです。IWSAの一員として、NAPAは気候変動対策をより加速すべく支援していきます。
Read Article1月 23, 2023
NAPAの独自船舶データ解析技術を用いて風力推進船の開発強化
現代の船舶海運の世界で「帆の時代」を復活させるというアイデアは、幅広いメディアで関心を呼び、業界外の多くの人々のにとって関心度の高いトピックです。しかし業界関係者にとっては、このロマンチックなアイデアは、利幅が狭く規制も厳しいといった数多くの厳しい現実に立ち向かう必要があるのです。 そのような中で、NAPAが持つ船舶のモデリング技術や、気象データをかつようした航路最適化および本船の性能解析といった専門知識が、洋上風力技術開発において貴重なものとなっています。 例えば、C-Job Naval Architects社と提携し、風力推進船がもたらす二酸化炭素削減効果の検証を行いました。結果として、深海航路では最大20%、北海やバルト海では約5%の燃料削減見込みがあることが判明しました。本共同研究は、ローターセイルをコンセプトから現実のものにするために重要な役割を果たしました。 パートナーシップ 風力発電技術が成熟し、設置台数が増える中(IWSAによると、現在風力発電を導入した大型船舶は19隻)、私たちは業界が風力発電を最大限に活用できるよう、引き続き支援を行っています。ローターセイルのパイオニアであるNorsepower社とともに、データを活用したデジタルソリューションが、風力推進の利点を高め、燃料消費を最小限に抑え、コストを削減し効率を高め、全体としてCII規制への準拠できるかどうかを検証することができました。 先日、当社のNAPA Voyage Optimizationソフトウェアが、今後ノーズパワー社のローターセイル・ソリューションにオプションとして販売されることがが正式に決定しました。その理由とは、航海最適化と風力推進の組み合わせることで、相乗効果を生み出し本姓性能を向上させる大きな可能性をもたらすからです。 NAPAのソフトウェアは、航海中の気象条件や各船の設計プロファイル、運航要件を考慮し、省エネ効果を最大化するために最適な航海計画を決定します。重要なのは、提案される航路が、異なる条件下での性能を評価・予測する船舶固有のデジタルモデルを用いて、それぞれの船舶の設計や特性に合わせて調整されることです。つまり、Norsepower社のローターセイルは、最適な航路を提供するための船舶性能モデルにおいて特に考慮されているのです。 その結果、NAPAの調査により、NAPA Voyage Optimizationを使用してローターセイルを設置した場合、使用しなかった場合と比較して燃料効率を1/3程度に改善できることが実証されています。従来の航路最適化のアルゴリズムではなるべく風を避けることになりますが、今回は風力推進船に特化するべく、航海中の風の影響をなるべく活用するようなアルゴリズムを組んで最適化を行ういます。波の高さ、方向、頻度など様々な環境要因を考慮し、船舶の総抵抗を計算することで、船舶が安全に風と天候を利用した航海を行えるようにするNAPA独自のインテリジェント・ルーティング技術が用いられています。 期待される効果 複数の省エネ技術を組み合わせることが一体どういった可能性を秘めているかは、多くの場合まだ明らかにされていません。相乗効果をもたらしうる省エネ技術の種類が最近急激に増えていることについて、多くの海運関係者に十分に浸透していない可能性があるからです。 これは驚くことではありません。MARINが主導するWiSP 2のようなプロジェクトが示すように、これらのソリューションを単独または組み合わせてビジネスケースとして成立させるには、業界はまだ多くのことを学ばなければなりません。実際、デルフト工科大学の研究によると、風力アシスト技術の普及を阻む大きな障壁は、風力推進機の性能を予測するための透明で独立した検証済みの情報と手法がまだまだ不足していることです。 私たちは、より多くのデータがあればより明確になると考えており、そのためのツールを提供することで、船主がより良い決断を下せるようにします。また、日々の意思決定を行う船の乗組員やオペレーターも、理論上の最適化目標が実際に完全に実現されるように、適切なデータを必要としています。 最近、NAPAとNorsepower社は、クリーンテクノロジー採用に関する従来の考え方に挑戦するパネルディスカッションに参加しました。パネリストは、業界に脱炭素化をもたらす様々な要因に注目しました。現在の燃料価格、課税としての炭素コストの予想、新しい低炭素燃料の出現による燃料コストの増加、保留中のEEXIおよびCII規制、荷主、銀行、その他のステークホルダーからのESGドライバーなどです。 脱炭素社会への移行を成功させたい企業にとって、信頼できるデータに基づいた意思決定は不可欠です。船上でどのような技術や燃料を使用するかにかかわらず、新しい技術から最高の結果を得るためには、どうしてもデータが不可欠となります。代替燃料や様々なクリーンテクノロジーが導入され、船舶の多様性がさらに高まるにつれ、各船舶の個性は今後さらに顕著になることでしょう。正確なデータがあれば、さまざまな解決策とそれが燃料消費量に与える影響をより正確に把握することができます。 コラボレーション 風力発電による海運への関心の高まりと同時に、2050年の排出量50%削減目標からネットゼロ目標への移行への期待も高まっています。このため、ソリューションの意思決定の指針となるデータの重要性がさらに高まっています。 一つのソリューションの投資回収時間は最適な指標ではないかもしれません。それよりも、他のソリューションと組み合わせた場合の潜在的な乗数効果によって、規制遵守やESG目標の達成にどのように役立つか、より明確に把握することができるようになるのです。結局のところ、ペイバックが達成されれば、船主は、最適化され、市場性の高い資産から利益を得るために、船の寿命の何年も先まで待つことができます。 海運の持続可能性を高めるには、造船所から船級協会、船主、運航会社、用船社、荷主など、幅広い協力関係が必要です。NAPAは、すべての関係者をトータルサポートするべくサービスを提供します。NAPAは、主要な船舶設計時の決定から、安全性と持続可能性を確保するための運航方法、改修の決定まで、船舶のライフサイクルを通じた船主の意思決定のトータルサポートを行います。本船が構想から現実のものになるまでの間、NAPAの3Dモデルやビッグデータを用いた本船性能技術を活用し、安全かつサステイナブルな建造・運航を実現することで船主、船員、そして本船をサポートします。 私たちは、風力発電などの環境に配慮した新技術の検証や最適化を行うサポーターとして、未来の低炭素船団を実現するために不可欠な役割を果たすお手伝いをします。エネルギー転換が及ぼす様々な課題を考慮し、商業利用が検証された様々なソリューションを組み合わせることで、船主は排出規制目標を達成するだけでなく、それを超えるための次のステップを踏み出すことができるのです。現在利用可能なソリューションを使用する船舶は、より早く脱炭素化することができ、ネットゼロの未来を目標から現実のものにすることができます。 本件に関するお問い合わせ先:
Read Article8月 30, 2022
Norsepower社とNAPA、航海最適化により風力推進効果を最大化するために提携
クリーンテクノロジーと海事ソフトウェアの分野におけるリーディングカンパニーである両社が航海最適化ツールを用いて、風力アシスト船の航海計画を支援し、燃料節約と排出ガス削減を促進するという新しい協定を締結しました。 フィンランド、ヘルシンキ – 2022年4月4日 – 風力推進システムの世界的なリーディングプロバイダーであるNorsepower Oy Ltd.(以下、Norsepower社)は海事ソフトウェア、サービス、データ分析のエキスパートであるNAPAと同社の風力を活用した推進補助システム(以下、ローターセイル※1)とNAPA Voyage Optimization※2を組み合わせて発売することで正式契約を締結しました。 これにより、今後Norsepower社が販売するローターセイルには、オプションとしてNAPA Voyage Optimizationソフトウェアを選択することが可能になりました。本システムは新造船だけでなく既存船にも導入可能で、燃料節減と排出ガス削減に貢献します。また、航路最適化とローターセイルの組み合わせは、2つの技術のどちらか一方だけと比較して、運航性能向上の大きな可能性をもたらします。このソフトウェアは、航海中の海気象条件や個船の実海域性能、運航要件を考慮し、省エネ効果を最大化するための最適な航海計画を決定します。 Norsepower社のローターセイルは、マグナス効果※3を利用して風力を利用し、推力を発生させる回転円筒「フレッツナーローター」を現代風にアレンジしたもので、燃料消費と排出ガスを平均10~25%削減することができます。このソリューションは、これまでに6隻に搭載され、道路、海上、鉄道の物流専門会社であるCLdN社より追加発注も決定しています。 NAPA Voyage Optimizationにより、船長や船舶管理者は天候の状況に応じて、燃料消費量と排出ガスを最小限に抑える航路を選択することができます。重要なのは、提案される航路が、異なる条件下での性能を評価・予測する船舶固有のデジタルモデルを用いて、各船の設計や特性に合わせて設定されることです。これにより、Norsepower社のローターセイルが船舶の性能モデルに考慮され、最適な航路が提供されることになります。 Norsepower社のCEOであるTuomas Riski氏は、このパートナーシップについて次のように述べています。「当社のローターセイルは、すでに燃料消費量と排出ガスを最大25%削減することができますが、NAPA Voyage Optimizationと併用することで、その効果を最大化します。エネルギー転換の課題の大きさを考えると、既に商業的に証明されたソリューションを組み合わせることで、船主は環境規制目標をクリアするだけでなく、それを上回る次のステップに踏み出すことができます。また、現在このようなソリューションを既に活用している船は、より早く脱炭素化することができると考えています。また、燃費実績の格付け精度(CII)スコアを向上させ、ポセイドン原則※4(Poseidon Principles)や海上貨物憲章※5(Sea Cargo Charter)などの指令の要件に影響される船舶金融ポートフォリオをサポートすることができます。NAPA社とのパートナーシップにより、当社のローターセイルから最適な結果を得るためのターンキーソリューションで、お客様への提案を強化できることを誇りに思います。”」 また、NAPA Shipping SolutionsのExecutive Vice PresidentであるPekka Pakkanenは、次のように述べています。「高度な天候ルーティングはすべての船舶に不可欠ですが、特に風力アシスト船には重要です。風力推進ソリューションが多くの外航船舶で現実のものとなりつつある今、当社は、個々の船舶の設計データを考慮し、あらゆる気象条件下で様々なクリーンテックソリューションを完全にモデル化できる航海最適化ソフトウェアによって、これを次のレベルへと推し進めようとしています。これは、当社の数十年にわたる船舶工学と性能モニタリングの専門知識によって可能となったものです。この強力な技術の組み合わせにより、世界中のより多くの企業がサステナビリティの目標を達成できるよう、Norsepower社と協力できることを嬉しく思っています。 ※1 ローターセイル: 風力を活用した推進補助装置 ※2 NAPA Voyage Optimization: NAPA社提供の航海最適化ソルーション ※3 マグナス効果:回転しながら進む物体にその進行方向に対して垂直の力が働く現象 ※4 ポセイドン原則(Poseidon Principles): 2019年6月に気候変動に関する取り組みを船舶融資の意思決定に組み込むためことを原則として発足 ※5 海上貨物憲章(Sea Cargo Charter): 2020年10月に荷主や海運会社が海上貨物輸送に起因するCO2排出量を算出・評価・公表する共通の枠組みを規定することを原則として発足 […]
Read Article4月 7, 2022