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Tag: ship design

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Bluetech Finland: 3Dモデル活用による船舶設計の効率化

船舶設計・エンジニアリング会社であるBluetech Finland社は、絶えず変化する船舶設計の要求に迅速に対応し、顧客に高品質な成果を確実に提供することが強みです。同社の創業以来、復原性計算や高度な3Dモデルを用いた詳細設計機能を含むNAPAの設計ソリューションは、日々の業務において不可欠なツールとなっています。これらのツールは、プロジェクト全体にわたる効率、スピード、そして顧客満足度を達成する上で重要な役割を果たし、Bluetech社とNAPAを船舶技術の未来を形作るパートナーとして位置づけています。  ヘルシンキに拠点を置く, Bluetech Finland社は、海事エンジニアリングの最前線に立ち、幅広い船舶設計サービスを提供しています。80人の専門家からなるチームは、クルーズ船、RoPax、貨物船、脱炭素化改修を含む様々なタイプの船舶に特化しており、コンセプトから詳細設計に至るまでの設計フェーズをカバーしています。世界をリードする造船所と協力し、Bluetech Finland社は海事産業に多様なソリューションを提供しています。  柔軟性、それは設計プロセスにおける必須要素  船舶の設計は繰り返し作業の連続です。船舶設計プロセスには、継続的な一連の修正が含まれ、建造のための船舶設計を最終決定するまでに、頻繁な修正と微調整が不可欠です。  顧客の要件を満たすために変更を加え、更新後の設計を分析することは、船舶設計分野では一般的なことです。 – Bluetech Finland社 Head of Hull Basic DesignのMikko Hakulinen氏 特に初期の船舶設計フェーズでは、船舶の最終3Dモデルの迅速な開発により、設計プロセスにおける速度と適応性を実現するために、有限要素(FE)モデルの作成と更新が重要です。Hakulinen氏は、「NAPAのソリューションは、効率と柔軟性を通じて私たちの船舶設計プロセスを強化し、迅速な変更と3Dモデルの初期作成を可能にし、設計ワークフローを合理化する上で重要です。」と強調しています。 加えて、船舶設計プロセスに関わる全ての関係者とのタイムリーでオープンなコミュニケーションを確保することが重要です。設計変更に関する最新情報の迅速な共有や議論が常に求められているためです。NAPAは、単一の3Dモデルを通じて迅速かつ効率的な設計変更を促進することで、このプロセスを著しく改善し、設計作業プロセス全体のコミュニケーションを向上させています。 すべての関係者のための船舶設計プロセスの合理化  特に、最近のTT-line Spirit of Tasmaniaフェリープロジェクトでは、Bluetech Finland社が船体構造設計の技術的詳細フェーズで重要な役割を果たしました。Bluetech Finland社はプロジェクトの初期段階でNAPA Steelを使用して構造3Dモデルを開発し、一貫したデータ管理を実現しました。NAPA 3Dモデルは中心的な参照ポイントとして機能し、プロジェクトに関与するすべての専門分野との協力を可能にし、船の設計と建設プロセスを効率化しました。  技術設計から生産設計への移行は、通常、技術的な問題や設計スケジュールによる大きな課題を伴います。技術的な理由には、技術設計の遅延変更が含まれます。例えば、生産設計への遅延変更の組み込みや有限要素解析(FEA)の遅延変更などがあり、リソースとタイミングの課題を引き起こします。NAPA Steelは、迅速かつ大幅な変更と生産設計との効率的な連携を可能にすることで、この課題に対処します。  NAPA Steelモデルを製造設計モデルにシームレスに統合することで、設計スケジュールの課題が軽減されます。機能モデルを迅速に建造モデルに移行することは、大きな利点をもたらします。モデルが建造環境でアクセス可能であり、関連するすべての設計部門に対して可視化されている場合、詳細設計作業の開始が驚くほど加速します。通常、これらのスケジュールに関する課題に対処する方法は、組織が理想的なタイミングよりも少し早く詳細設計を開始することですが、設計の後期で大幅な変更があった場合に大きなリスクが伴います。また、この早期開始は、時間のかかる従来の設計移行プロセスとともにデータの損失を引き起こす可能性もあります。  NAPAは他のCADソフトウェアとの互換性を持ち、船の設計プロセス全体で単一のNAPA 3Dモデルを使用できるため、大きなメリットをもたらします。これにより、同じモデル内で複数の設計バリエーションをテストし、頻繁なFEM解析を含む繰り返し作業を迅速に行うことができます。   「このアプローチは、詳細設計への移行を効率化するだけでなく、設計品質を向上させ、情報管理の一貫性を確保します。」 とBluetech Finland社のProject Manager、Mikko Takala氏は話しています。 世界最大のクルーズ船である「Icon of the Seas」の設計中、NAPAの3Dモデルは、設計の正確さを向上させる重要な役割を果たしました。Bluetech Finland社はMeyer Turku造船所をサポートし、NAPA Steelを使用して船の基本構造を開発しました。クライアントのニーズに応えるため、Bluetech Finland社はNAPAのツールを活用し、一連のモデル更新に伴う技術的用途とコストへの影響を評価しました。NAPAの設計ソリューションは、効率的なプロジェクト管理のために重要な情報提供を行う役割を果たしました。  「NAPA設計ソリューションの主な利点の1つは「リスティング」です。船の設計と3Dモデリングにはさまざまなソフトウェアオプションが存在しますが、NAPAは、最終的な納品に至るまで、必要不可欠なレポートや 書類の作成など、設計開発を数字で報告する上でその有効性が際立っています。」 と、Bluetech Finland社のDirector, Administration であるAntti Metsä氏は述べています。Metsä氏はNAPAソフトウェアを36年以上のNAPAソフトウェアの使用経験という豊富な経歴を持ち、その深い専門知識を示しています。 明日のニーズに応えるソリューションの強化  環境課題が激化する中で、海事セクターは持続可能性とネットゼロの目標に向けて進んでおり、将来の船舶設計は大きく異なるものになるでしょう。Takala氏は、「最も適応性のある効率的な設計ツールを使用することは、未来の船のユニークな設計特性に対応するために避けられないことです。風力補助推進、代替燃料、エネルギー効率の改善など、新しい船舶技術は、特定の重量、体積、形状の考慮を必要とします。私たちは各船のタイプに完璧に合った設計を提供し、最高のパフォーマンスと環境に優しい基準を満たすことを目指しています。」と説明しています。Bluetech […]

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構造強度解析時間を30%削減     NKやNSYら、CSR適用船の自動評価システム開発

日本・東京ー2024年4月2日 ー 海事プレス(ニュース ー 造船・船用)にて、日本海事協会(NK)と日本シップヤード(NSY)、NAPAグループが共同で、共通構造規則(CSR)適用船の構造強度解析の自動評価システムを開発したことについて掲載されました。ぜひご覧ください。 日本海事協会(NK)と日本シップヤード(NSY)、NAPAグループは共同で、共通構造規則(CSR)適用船の構造強度解析の自動評価システムを開発した。新造船設計のリードタイム削減に重要な工程である構造共同解析の一部自動化を図ったもので、解析時間が30%削減される見込みだ。今後は解析時間の50%削減を目指して3社共同で取り組む。 NKが1日、発表した。造船会社の基本設計では構造設計がクリティカルパスとなることが多く、構造設計のリードタイム短縮が重要課題になっている。特に、構造強度解析の工程では、設計者が解析結果を見ながら強度要求基準を満足するまで計算を繰り返す必要がある。このため、多くの解析プロセスが要求されるCSR適用船では、設計期間が長期化する傾向にある。 そこで3社は、設計者が3次元(3D)CADを用いて設計をしている最中に、自動で構造強度の解析・評価が実施され、解析結果(補強要領)が反映されるシステムの構築を目指して研究を進めてきた。今回共同開発した自動評価システムは、NSYが形式知化した解析プロセスのノウハウを、NKの船体構造設計支援システム「PrimeShip-HULL」に組み込んだ。これにより解析時間の大幅短縮を図った。 さらに、3DCADをベースとした構造強度解析の全プロセスの自動化と、3Dモデルをベースとした船級承認を実現するため、「PrimeShip-HULL」とNAPAシステムとの連携も強化した。同システムの国内ユーザー向けに提供する。 いずれも国土交通省の「革新的造船工程高度化補助事業」の一環として実施した。   *海事プレスから転載の許可を得ています。 海事プレス プレスリリース:https://www.kaijipress.com/news/shipbuilding/2024/04/183102/ PDF:構造強度解析時間を30%削減 NKやNSYら、CSR適用船の自動評価システム開発_ 造船・舶用 _ ニュース _ 海事プレスONLINE 海事プレスURL :https://www.kaijipress.com/

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世界初の3D図面承認、NKが完了 日本郵船が自前で基本設計、「造船所との共創模索」

日本・東京ー2024年3月29日 ー 海事プレス(ニュース ー 造船・船用)にて、日本郵船がNAPA Steelで作成した3Dモデルを元に、日本海事協会が2次元図面なしで基本設計の承認を完了したことについて掲載されました。ぜひご覧ください。   日本郵船は28日、日本海事協会(NK)から新造多目的コンテナ船の基本設計で3D(3次元)モデルをもとにした図面認証を取得したと発表した。現在は平面(2次元)の設計図面で行われている新造船の船級承認を3D設計モデルで行う試みは各国で研究などが進んでいるが、外航の新造船で世界初。さらに、通常は造船所が行う新造船の基本設計を今回は日本郵船が自前で行った点が特徴で、「造船所の設計負荷が増加している中、これまで造船所に手渡していた部分も海運会社が並走し、造船所との新たな『共創』の在り方を探った」(中村利執行役員)。日本の海事産業の活性化を目的に、設計プロセスの効率化の核となる構造設計の3D化に先鞭をつけるとともに、造船所の設計負荷低減のための新たな新造船プロジェクトの在り方も模索した格好だ。 新造船の図面承認の3次元化は、近年の造船デジタル化での重要テーマの1つになっている。従来の二次元の図面は、船舶の複雑な構造を平面上に表現しているため、正確に読み取るためには長年の経験と高度な専門知識が必要。これに対して3Dのモデルであれば、設計担当者や海運会社など関係者が直感的に理解できるため、3D設計が徐々に普及しつつある。だが、3DCADシステムが会社や船種によって異なるため、船級協会に承認を申請する際には共通フォーマットの2次元図面にいったん変換する必要があり、さらに船級協会も受け取った2次元図面を3Dモデルに置き換えて評価システムで確認する必要があるなど、データ入力とモデル修正で双方に時間とコストが発生することが課題だった。このため各船級協会や造船所、海運会社が、3Dモデルのままで図面承認を行う検討を進めており、NKもこれまで日本郵船や国内造船所と協力して検討を進めていた。 今回は日本郵船が、船舶構造設計ツール「NAPA Steel」を用いて作成したコンテナ船の3D設計モデルのデータを、NKが船体構造設計支援システム「PrimeShip-HULL」上の連携システムを活用して、2次元図面に変換せずに基本設計段階の全ての図面承認を完了した。基本設計から船級承認まで3D図面で完了したのは外航船では世界初。「3Dと2Dが混在している現在の承認プロセスが、設計から承認に至るまで1つの3Dモデルで行えるようになることで、後戻りやミスもなくなり、品質向上や工数削減にも貢献できる」(NKの松永昌樹技術本部長)。NKとしては3Dによる図面承認の体制を整え、今後は造船所の利用の要望に応えていく方針だ。 また今回は、日本郵船が新造船のコンセプト開発だけでなく、造船所の所掌範囲である基本設計の段階まで実施したことが大きな特徴となる。背景には、船舶燃料の転換や船舶のニーズ多様化により、海運会社が多様な船を検討する必要性がある一方、造船所の設計負荷が増加していることがある。「造船所との『共創』の可能性を模索する必要性を感じており、例えば造船所の状況に応じて新規事業のフィージビリティスタディ段階のコンセプト開発程度は船社が自前で行うなど、造船所と柔軟に『双方よし』の関係を築く手段になるのではと考えている」(中村執行役員)。今回は、造船所と設計引き継ぎのポイントとして、「どこまで進めるのが心地よいかを検証する」ために、自前で基本設計まで実施した。 図面承認の対象となったのは、東アジアと南太平洋の島しょ国の間を航行する2万2000総トン型の多目的コンテナ船「アイランダー船」。船体後方にカーデッキ、前方にコンテナ用ホールドを配置した特殊船型で、就航中の4隻のうち2隻が船齢20年を超えており代替建造を検討している。今回の設計をもとに、国内造船所と具体的な新造船商談を進めている。 3D設計への転換は、海事産業のDXで中心的なテーマだ。「3Dモデルには2次元図面より多くの情報が含まれ、より詳細でスムーズなコミュニケーションが可能。早い段階から造船所の3D設計にわれわれ船社が関与することで、設計工数が低減できる可能性がある」(山本泰工務グループ長)。設計の初期段階から3Dモデルを活用してより多くの情報を作り込むフロントローディング手法への展開や、東京大学MODE講座が研究を進めるモデルベース開発の手法、就航後の船舶での運航支援や保守への適用など、日本郵船も船舶のライフサイクルでの3Dモデルの活用策を検討する。 *海事プレスから転載の許可を得ています。 海事プレス プレスリリース:https://www.kaijipress.com/news/shipbuilding/2024/03/183016/ PDF:世界初の3D図面承認、NKが完了日本郵船が自前で基本設計、「造船所との共創模索」 _ 造船・舶用 _ ニュース _ 海事プレスONLINE 海事プレスURL :https://www.kaijipress.com/    

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SEA Japan期間中のNAPA Shipping Solutionセミナーおよびイベントについて

  NAPAは2024年4月10日(水)~12日(金)の3日間、東京で開催されるSea Japan会期中に3つのイベントに参加します。NAPA Shipping Solutionセミナー(NAPA主催)、NAPA Sea Japan 2024(出展)、Sea Japanパネルディスカッション「海事産業における働き方改革・女性キャリア形成」(登壇)です。 ぜひ下記の詳細をご覧ください。 1. NAPA Shipping Solutionセミナー 2024年4月12日(金)Sea Japan最終日に開催されるNAPA Shipping Solutionセミナーに、日頃お世話になっているお客様、パートナー様、Sea Japanにご来場の皆様をご招待いたします。本セミナーは、Sea Japan会場から徒歩15分の東京ベイ有明ワシントンホテルにて(最寄りの東京ビッグサイト駅より徒歩3分です)、午前11時より開催いたします。本セミナーは、NAPAの最新技術や実用的なソリューションについて、より深くご理解いただくことを目的としており、NAPAの潜在的なパートナーや既存のパートナーの皆様を対象としています。このセミナーには、ネットワーキングやディスカッションを促進するための昼食が含まれています。 日時:2024年4月12日(金)  11 AM – 1 PM(昼食を含む) 場所:東京ベイ有明ワシントンホテル 東京都江東区有明3-7-11   Google map 会場:アイリス セミナー内容 脱炭素化 丸紅との共同プレゼンテーションを行います。ここでは、NAPA Voyage Optimization(航路最適化ソリューション)を使った脱炭素化の実用例と今後の丸紅とのパートナーシップについてご紹介します。 CIIおよびEU ETSにおける規制遵守 日本海事協会との共同プレゼンテーションを行います。昨今のCIIおよびEU ETSについてデジタルツールを活用し、そのプロセスを出来る限り簡素化し、透明性を高めながら管理し易い方法をご紹介します。 デジタル技術で風力推進船の運航を効率化 住友重機械マリンエンジニアリングとNorsepower(フィンランドの風力推進装置メーカー)とのコラボレーションを紹介しながら、風力推進装置を搭載計画している船がNAPAが提供するデジタルソリューションを通じて、いかに環境に優しい未来への道を切り開いているかをご紹介します。 セミナーの言語と招待講演者 本セミナーは日本語と英語、両方でプレゼンテーションを行う予定です。英語でのプレゼンテーション時はリアルタイムで日本語に通訳されます。 また、日本海事協会、丸紅、住友重機械マリンエンジニアリング、Norsepowerといった業界大手とのコラボレーションの実例とともに、NAPA Finlandからも講演者が登壇し、それぞれの専門知識と経験を交えてご紹介します。 セミナーのお申し込み NAPA Shipping Solutionセミナーにぜひ参加し、クリーンエネルギーとイノベーションにおける海運業界の将来について理解を深めましょう。参加には事前登録が必要です。登録は、本ウェブページ右側の緑色の登録ボタンをクリックするか、ウェブページを最後までスクロールしてください。皆様のご参加を心よりお待ちしております!   2. 「Sea Japan 2024」出展 NAPAは東京で開催されるSea […]

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代替燃料の未来をモデル化するには

あなたの船が将来どのような代替燃料を使用するのか知りたいですか?あなただけではありません。新しいエネルギー源が世界の船舶に登場するにつれて、船舶業界は確実性を求めています。しかし、占いに頼る必要はありません – 代わりに、シミュレーションツールを使用することで、新しい船の設計、運用、コストについて何を期待するべきかを明らかにすることができます。試す準備はできていますか?ここではその方法を説明します。 船舶業界の代替燃料と革新的な船舶設計への関心は否定できません。現在、代替燃料を使用できる船舶は、世界の船のごく一部 – 総トン数で約6.52% – を占めていますが、その数は急速に増えることが予想されます。2023年の世界のオーダーブックの約半分は、メタノール、LPG、LNG、またはバッテリーを含む代替燃料または動力システムを使用する船舶のためのものでした。これは、前年の3分の1に比べて増加しています(DNVの分析による)。  この代替燃料への需要の増加は、大部分が単純な計算によるものです:エネルギー効率の良い船舶を持つことは商業的に利益をもたらします。すでに、現代のエネルギー効率の良い船舶は、古い船舶よりも優れたチャーター料金を得る傾向があり、プレミアムは1日あたり数千ドルに達し、特定の船舶タイプではさらに高くなります。 ビジネスケースは、燃料効率だけでなく、大幅な温室効果ガス排出削減を目指すことで、今後も成長を続けるでしょう。最近、欧州域内排出量取引制度(EU ETS)が船舶に拡大されたことで、船舶は現在、その船舶自体のCO2排出量に対して金銭的負担が求められており、炭素に直接的な価格を設定しています。これには、IMOのCII規制が追加され、これは船舶の競争力とビジネスの見通しをその運用効率に結びつけることを目指しています。今後、評価の低い船舶はビジネスや資金調達を確保するのに苦労する可能性がありますが、トップ評価の船舶は競争優位を持つ可能性があります。   リスクと機会のバランス  その結果、代替燃料の使用を先駆けて行う船舶所有者には、大きな潜在的な利益があります。しかし、この戦略はリスクを伴います。新しい燃料への移行は、船舶の安全性、復原性、構成に大きな影響を及ぼし、新しい貯蔵タンクの統合を必要とします。これにより、貨物容量が減少し、したがって商業的な利益性に影響を与える可能性があります。それを正しく行うことは重要ですが、どのようにすればよいのでしょうか? 答えの一部は、私たちが既に手元にあるツールをどのように使用し、組み合わせるかについて創造的に考えることにあります。ここでは、運航シミュレーション機能と3Dツールを船舶設計に一緒に使用することで、多くの洞察を得ることができます。   運航データが船舶設計に新たな洞察をもたらす方法   これはすでに現実のものであり、船舶設計者や技術者は、運航シミュレーションモデルを使用して、未来の船舶が航行するルートの天候や海の状況の範囲について詳細な画像を得ることができます。  この分析は、風速と風向、波高とうねり、および流速と流向に関する過去のデータによって支えられています。そこから、NAPA Designerで作成された3Dモデルを使用して、直接強度分析と荷重評価を行うことができ、未来の船体へのストレスを現実的な方法でシミュレーションを行い、それに応じて設計を調整するのに役立ちます。     このデータ駆動型の天候と海洋状況の画像は、特定の船舶に対して風力推進システムが実際に達成可能な排出削減をシミュレートするためにも使用できます。これにより、船舶所有者は、これらのシステムへの投資を行う前に、より確実性を得ることができます。 多燃料時代に入るにつれて、運航シミュレーションは、未来の船舶が航行する速度の範囲や未来の燃料消費量についての貴重な洞察をもたらすこともできます。これにより、必要なエンジンの最適な出力を決定するだけでなく、船舶に必要な燃料タンクのサイズ決定にも役立ちます。アンモニア、水素、メタノールなどの未来の燃料は、化石燃料に比べてエネルギー密度が低いため、この評価を正しく行うことは、貨物スペースの損失を最小限に抑えるために重要です。       最善の決定を下すためのオプションの比較  運航シミュレーションから得られた洞察とデジタルツインを組み合わせることで、様々な設計バリエーションをテストし、それらが現実の世界でどのように動作するかのモデル化が可能になります。例えば、3Dモデルを使用して、代替燃料を使用する船舶の色々な構成を比較し、船舶の未来の性能、燃料消費、GHG排出、復原性パラメータ、および流体力学的プロファイルに及ぼす影響を計算することができます。 このような形状やプロファイルを簡単にテストする能力は、船舶設計者や技術者が、新しいシステム(例えばバッテリーや追加のタンク)を船舶のどこに設置すべきかを評価することに役立ちます。これには、必要な総容量だけでなく、安全を確保するためにそれらを設置する必要がある場所も考慮に入れます。 これらのシミュレーションは、初期設計段階から行うことができ、設計が進行し詳細が確定するにつれて結果の精度は向上します。具体的には、チームはプロセス全体で異なるオプションを試すことができ、設計が初期段階から構造的で詳細な段階に進むにつれて行わなければならない複数の決定をサポートします。言い換えれば、シミュレーションツールは「推測作業」を排除し、データと証拠に基づいた決定を後押しします。     排出量とコストの見積もり – 数百万ドルの問題 船舶所有者にとって、これは重要です。なぜなら、彼らは初期設計段階から、LNGやメタノールなどの異なる燃料オプションが現実の世界でどのように見えるか、またそれらが貨物容量と予測される燃料消費にどのような影響を及ぼすかについて、より良い理解を得ることができるからです。船舶の設計が形になるにつれて、シミュレーションツールはその未来のGHG排出量をモデル化し、これが環境規制の遵守にどのように影響するかを示すことができます。   最終的には、これらの推定排出量を使用して、燃料自体の購入と異なる燃料オプションの排出許可の関連コストを予測することが目指されます。シミュレーションは、例えばEU ETSの下で設計がコスト競争力を持つようになるタイミングを示すことができ、これは大きな商業的価値をもたらし、新しい燃料と船舶設計の選択を最初から助けることになります。    私たちは未来を予測することはできませんが、データに基づいてそれをモデル化することはできます – 革新的な船舶設計のために、それはすでに大きな変化をもたらしています。 

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船舶業界の未来へ:2023年に示された5つの持続可能な取組み

MEPC 80やCIIの発効、そしてEU ETSの船舶への公式拡張により、2023年は脱炭素化に関する議論が概念から実践へと移行した年となりました。この転換は、クリーンテクノロジーやデジタル化、トレーニングなど、様々な分野で挑戦に立ち向かった業界のパイオニアたちによって実現しました。以下は、NAPAが今年持続可能な船舶業界の未来を形作るのにどのように役立ってきたか、その5つの方法です。  IMOによる中期のネットゼロ目標の歴史的な採択により、2023年は海事史の中で記録に残るでしょう。しかし、海運の脱炭素化にとって同等に重要だったのは、この規制の進展に伴うマインドセットの変化でした。海運業界は今や、温室効果ガス(GHG)排出を抑制するために行動をおこす必要性を認識しています。 船主、運航業者、造船所、技術プロバイダーのパイオニアたちの成功は、ネットゼロへの道が少しずつ明確になってきていることを示しています。利用可能なテクノロジーを事実と証拠に基づいて最大限に活用することが、ネットゼロへの近道です。ここでNAPAの海事ソフトウェアとデータ解析の専門知識が業界にとって有益な味方となることがあります。以下では、NAPAが2023年にその力を発揮した5つの具体的な例を紹介します。 アクション1: クリーンテクノロジーの影響を定量化・検証するための協力  2月に、船主の丸紅と船級協会のClassNKと共同で行った研究の結果を発表しました。この研究では、航海最適化が実際の船舶のGHG排出量とCIIに与える影響を測定しました。研究では、航路最適化システムNAPA Voyage Optimizationを搭載することで、燃料消費量とCO2排出量を最大7.3%削減し、CII指標を2〜3年維持できることがわかりました。 また、別の提携において、風力推進システムのNorsepowerと世界をリードする造船所の住友重機械工業との共同シミュレーションプロジェクトの結果が5月に発表されました。この研究では、ローターセイルと航海最適化の組み合わせによる大西洋ルート(ニューヨークからアムステルダム間)での最大28%の削減が示されました。 こうした研究は、エネルギー効率とクリーンテクノロジーの具体的なビジネスケース構築に役立つため重要です。実際の燃料消費量と排出量の減少に関する検証データは、船主にとってこれらのシステムの実際のパフォーマンスについての確信を与え、戦略的な意思決定に役立ちます。今年も、VesselAIやClean Propulsion Technologies Consortiumなどの研究機関、学術機関、異業種連携プロジェクトと協力し、海事業界の現在の知識のギャップの一部を埋めることで自信を持って進む手助けをし続けました。   アクション2: 急速に変化するテクノロジー環境での船員の安全を確保するための訓練 2023年は、NAPAが海事トレーニングプロバイダーのSimwaveとMaritime Skills Academyとのパートナーシップを開始した年でした。これは、船員にとって重要な復原性トレーニングをよりアクセスしやすく、柔軟で便利に提供することを目指しています。 この取り組みは、NAPAの長期的なコミットメントの一環であり、さまざまな海事トレーニング機関や船舶会社(Royal Caribbean GroupやCarnival CorporationのCSMARTを含む)と協力し、乗組員の安全を確保するために必要なトレーニングを提供しています。 これは、船舶業界の脱炭素化の脈絡において、ますます重要になっています。この移行は、船上での新技術の迅速な採用を必要としており、デジタルプラットフォームから新しい推進システム、最終的には代替燃料まで、すべてが独自の安全上の課題を提供しています。トレーニングのパートナーシップは、業界のトレーニングとスキル向上の課題に対処し、新しい燃料やテクノロジーが導入される際に必要な知識と実地経験を船員に提供するのに役立ちます。   アクション3: “Sail Fast Then Wait”を解決するための信頼性のある共同プラットフォーム  Blue Visbyは、今年、”Sail Fast Then Wait”を解決するイニシアチブとして、日本政策投資銀行がコンソーシアムに参加し、初めて金融機関を迎えました。Blue Visbyは支持を拡大させ、2023年末には13の創設メンバーから32に増加しました。 NAPAのデジタル専門知識によって支えられるBlue Visbyプラットフォームは、港に向かう船舶群の到着時刻を最適化し、競争力を失わずに船舶の速度を遅くすることで、平均15%の排出削減を実現しています。検証実験は無事成功し、次のステップは、さまざまな船舶セグメントでこのソリューションを利用可能にするための実際のプロトタイプの開発です。   アクション4: イノベーションを可能にする船舶設計プロセスの効率化  Damen Engineeringは1月に、モデル作成、レビュー、承認までの船舶設計を3Dモデルを活用して行った初の事例がNAPAと船級協会Bureau Veritas(BV)との協力のもとに完了したことを発表しました。そして今年は、3Dモデルベースの承認(3D MBA)の採用が増えています。これは、船級協会が現在の標準である2D図面ではなく3Dモデルを使用して設計を承認するプロセスです。例えば、DamenとDNVも、初期設計段階から船級協会が効率的に関与できるようにするためにNAPAのツールを使用しています。また、HanwhaとSDARIとの共同プロジェクトでは、3D MBAの利点が確認されました。 3D MBAの実施により、設計プロセスはより合理的かつ効率的になり、また容易に協業できるようになります。このような改善は、業界から望まれている、さらに環境にやさしくエネルギー効率の高い次世代の船舶を創造・革新していくために不可欠です。さらに、船舶設計者やエンジニアの生産性を上げ、ビジネスを強固で高収益にするためにも重要です。簡潔に言えば、3D MBAは船舶設計のイノベーションの基盤です。   アクション5: 持続可能性の向上のための電子ログブックの活用  最後に、NAPAは船上データを最大限に活用するためのツールである電子ログブックを提供しています。その1つの例が、フィンランドとスウェーデン間の新造電動フェリーにNAPA […]

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未来の環境対応船舶のための高効率設計を共に

NAPA User Meeting 2023は、船舶設計関係者が一堂に会し専門知識と実践的な経験を共有することで、プロセスをより効率化し、めまぐるしい技術革新の時代に対応できることを示しました。海運分野が急速な変化に対応し、エネルギー転換においてその役割を十分に果たすためには、このような協調精神が不可欠です。    また来年の NAPA User Meeting 2024でお会いできることを楽しみにしております!  

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目前に迫る設計の未来:3Dモデルベース承認をコンセプトから現実へ

造船所、設計者、船級協会の誰もが、3Dモデルベース承認(3D MBA)は、複雑化する環境下で効率を高め、脱炭素化移行に向けた課題に取り組む造船所の未来に不可欠な要素であると認識しています。もはや遠い将来の話ではなく、世界中のさまざまな造船所や船級協会が、今日すでに3D MBAの実現に取り組んでいます。この画期的なプロセス実現のために、NAPAがどのように業界のパイオニアと取り組んでいるかについてご紹介します。 新たな挑戦は、新たな働き方を求めています。脱炭素化、海上安全に関する規制強化、船舶の自律運航の台頭、時間の制約など、あらゆる側面から変化がもたらされ、複雑さを増しています。 3D MBAの目的は、簡単に言えば、船舶の設計に使用した3Dモデルで船級規則の確認や計算を可能にすることです。これは、造船所は船級承認のために3Dモデルを2D図面に変換し、変更を適用するために再び3Dに戻す必要がある現在の標準的なプロセスからの大きな改善点です。2Dと3Dの間で何度も変換する必要がないため、時間の節約になるとともに、エラーの発生も防ぐことができます。 さらに、現在の標準的なプロセスでは、造船所の技術者が3Dモデルを変換して関連情報を抽出し、規則計算やFEM解析に使用するプラットフォームが要求するフォーマットへの入力が必要です。これには多くの手入力や微調整が必要となり、大変時間がかかります。すなわち、3Dモデルをシームレスに変換し、船級協会が提供するエンジニアリングツールでの使用を可能にすることも、3DMBAの重要な要素となっています。 このコンセプトをどのように現実のものにするか。主要な船級協会では、3D MBAの実現に向けて、その戦略や顧客のニーズに応じたさまざまなアプローチをとっています。大きく分けて2つの道が考えられます: Application Programming Interface (API)は、船級協会がNAPA APIを通じて3Dモデルに直接アクセスし、そこで規則の確認や計算を行うために必要な情報を取得するものです。韓国船級協会(KR)や日本海事協会(ClassNK)が採用しているこの方式では、造船所と船級協会が3Dモデル上で直接情報や計算結果を交換することができるため、3Dモデルが船舶設計に関するあらゆる情報が蓄積される「信頼できる唯一の情報源」となります。   Open Class Exchange (OCX) は、3D MBAの業界標準ファイルフォーマットとして開発されました。造船所が設計に使用するソフトウェアと、船級協会が規則の確認や承認に使用するプラットフォームの橋渡しをするものです。NAPA Designerで生成されるOCXフォーマットは、3Dモデルからすべての関連情報を抽出し、船級協会のソフトウェアが読み取れるようなフォーマットに変換します。これは、Bureau Veritas(BV)とDNVが採用しているアプローチで、他の主要な船級協会もOCXコンソーシアムに参加しています。   Bureau Veritas(BV)とDamen Engineering – 最初の3Dマイルストーン通過  今年初めに、2,500 m3の浚渫船がDamenの船舶として初めて3Dモデルによる設計、審査、クラス承認を受けました。これはNAPAとBVとの1年にわたる協業の成果です。この技術的な飛躍は、OCX標準ファイル形式を使用して達成され、BVは社内ツールであるMARSとVeriSTAR Hullを使用して規則の確認と計算ができました。その結果、2次元図面に変換することなく、同じファイルフォーマットでシームレスに納品まで完了できました。 この新しいプロセスは、素晴らしいスタートを切りました。最初の船舶設計から、3D MBAはその約束を果たし、Damenのチームは、船級承認のためにコンセプトを2D図面に変換し、変更を適用のために再度3Dに変換する必要がなくなったため、貴重な時間を節約できるようになりました。船級協会と造船所間のコミュニケーションが目に見えて容易になり、設計審査もより効率的かつ確実に、またエラーのリスクも減少しました。 重要なのは、3D MBAが安全性を損なうことなく船級承認プロセスを合理化したことです。これは、すべての基準や規則を満たしていることを確認するために、同じように厳格なチェックが行われたからです。この最初のプロジェクトの結果は非常に重要で、Damenはすでに1000m3と4000m3の2隻のホッパー浚渫船を含む、さらなる設計にこのプロセスを適用しています。   ClassNKと日本シップヤード – 「信頼できる唯一の情報源」の開発 もう一つの方法であるNAPAのAPI(Application Programming Interface)は、ClassNKと日本シップヤードがシームレスな統合を実現するために使用され、3Dモデルは設計やレビューの過程で常に最新に保たれた船舶情報の中心的存在として維持されました。 本プロジェクトでは、船級承認プロセスの効率化と3D MBAに関連する実用的な問題を解決するためのツールやプロセスの開発に焦点を当てました。船体構造設計を最初のターゲットとして、NAPA DesignerとClassNKの構造強度計算プラットフォームPrimeShip-HULL(PSH)との統合システムを開発し、規定規則計算や有限要素(FE)解析に対応しました。  プロジェクトでは、バルクキャリアとオイルタンカーのサンプルモデルで試験を行い、新しい統合システムの有効性が立証されました。具体的には、作業の重複をなくし、構造図と構造モデルの設計情報の一貫性を確保する点で大きなメリットがあることが確認できました。 また、NAPA 3Dモデル所有者が、すべての関係者に安全かつ簡単にモデルのレビューやコメントの共有を可能にするWebベースのアプリケーション、NAPA Viewerの有効性立証も、このプロジェクトの重要な成果です。NAPA Viewerは情報の中枢として機能し、3D MBAを実現するだけでなく、船舶設計に関わるすべての関係者間の情報共有やコラボレーションをより良くサポートします。また、3Dモデルの利点と従来の2D図面の利点を組み合わせた自動アノテーションツールにより、確認を行う際に設計情報を迅速かつ直感的に発見できるため、新しいプラットフォームは現在の2Dベースのプロセスと同等かそれ以上の効率を実現可能なことが、試験により立証されました。   Korean Register […]

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NAPAソリューションを体感し、より多くの気づきを

NAPAは、常にお客様との柔軟なコミュニケーションを大切にし、30年以上にわたり継続的にソリューション開発をしてきました。NAPAデザインソリューションズは、このような活動の一環として、船舶設計のプロフェッショナルの方々を直接訪問し、交流する機会を得ました。     お客様と直にお会いしてコミュニケーションをとることで、お互いの相乗効果が生まれます。 「ユーザー様と直接お会いして、貴重な意見を伺ったり、実りある議論をすることはとても重要です。私たちのユーザーミーティングやワークショップを通じて、お客様のNAPAを使用した日常業務の生産性を向上させます。」– NAPAデザインソリューション プロダクトマネージメントダイレクター  Olli Puustinen氏 お客様とお会いすることの価値を知っている私達は、NAPAユーザーの皆様と情報や知識を共有するために、毎年NAPAユーザーミーティングを開催してきました。今年も例外なく、5月末にヘルシンキでNAPA User Meeting 2023を開催いたします。Re-inventing Ship Design Togetherというテーマのもと、海事産業が抱える様々な課題を共に解決していくために、NAPAのソリューションがどのように課題解決をサポートできるのか、そして今後の可能性について、各国のお客様からの様々な事例を交えて議論します。 「NAPAユーザーミーティングは、造船所、船級協会、エンジニアリング会社、船会社から幅広い業界の専門家が集まる、当社にとって一年のハイライトイベントの一つであることは間違いありません。今回も船舶設計に関する多くの話題を取り上げた興味深い議論や発表が期待されます。」– NAPA デザインソリューション副社長 Mikko Forss氏 今回のNAPA User Meeting 2023では、世界中のNAPAriansやNAPA Familyと出会い、業界の動向や課題、開発・展開されているソリューションの話を聞くことができます。 NAPAユーザーとの交流や、興味深いプレゼンテーションや体験型ワークショップなど、3日間にわたる充実したプログラムを通して、より多くの知見を得ることができるはずです。ぜひご参加ください。

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NAPAとElomatic:20年にわたる協業成功の秘密

優れた船舶建造の背景には、優れたチームが存在する。そのチームを更に優れたものにするのは何か? 良好な協業とデータ駆動型ソリューションの構築は、より迅速な設計、より円滑なコミュニケーション、より多くのイノベーションを可能にします。このような基盤が確立されると、より安全でより環境に優しく、より効率的な船舶を設計することが飛躍的に容易になります。 プロジェクトごとに業界を変革していくNAPAとElomatic社は、20年以上にわたって未来の船舶の創造に共に取り組んできました。このチームが船舶設計へのアプローチを継続的に革新し、レベルアップできるよう、私たちは積極的に耳を傾け、適切な質問を投げかけ、あらゆるステップでチームをサポートしてきました。 この度、Elematic社におけるNAPAの使用経験、及び顧客が将来の戦略的課題に取り組むのを支援する同社のビジネスにNAPAが与えた影響についてこの数十年を振り返るべく、Elomatic社のRami Hirsimaki氏(マリン&オフショア担当上級副社長)、Markus Jokinen氏(マリン&オフショア担当デザインマネージャー)、Elias Penttinen氏(マリン&オフショア担当コンサルティングエンジニア)に話を伺いました。 Elomatic社は、ヨーロッパを代表するエンジニアリングおよびコンサルティング会社として、52年の歴史を持ち、さまざまなプロジェクトや船種に対応しています。現在、Elomatic社が最も力を入れている課題は、グリーン・トランスフォーメーション(GX)に対応した将来性のある船舶設計です。 燃料の将来計画 低炭素・ゼロカーボン燃料は、海運のGXに欠かせないものですが、それが船舶設計にどのような影響を与えるのでしょうか。 代替燃料の中でもアンモニアとLNGは特に必要な量が多いため、さまざまなオプションを素早く検討する方法が必要です。NAPAはそのための大変有用な選択肢です。 Elomatic社マリン&オフショア部門デザインマネージャー、Markus Jokinen氏 Elomatic社が日本郵船株式会社(NYK)向けのアンモニア対応のLNG燃料船の新船隊を設計することになったとき、この課題の理解は不可欠でした。この新船隊は、バルクキャリア(ポストパナマックスとケープサイズ)2隻、自動車専用運搬船(PCC)1隻、超大型原油タンカー(VLCC)1隻からなるもので、効率や安全性を損なうことなく、グリーンエネルギーで駆動する必要がありました。 アンモニアのようなカーボンフリーの船舶用燃料は、業界の脱炭素化を先導するものです。しかし、日本の大手海運会社であるNYK社は、この移行促進のためのGHG排出量を削減する効果的な橋渡し役として、LNGの利用方法を検討する必要がありました。なぜなら、LNG燃料船は最小限のコストでアンモニア燃料船に容易に転換可能なためです。この様に燃料を容易に転換可能であることは、同社にとって設計上の優先事項でした。   アンモニア燃料対応LNG燃料自動車専用運搬船(PCC)のコンセプトデザイン アンモニア燃料対応LNG燃料(ARLFV)超大型原油タンカー(VLCC)のコンセプトデザイン しかし、従来の燃料油に比べてエネルギー密度が低いため、代替燃料で航行するための船舶の改造や設計には、より大きなタンクの必要性など、独自の課題があります。これまではこのような課題がある場合、大抵がそれぞれの設計要素間の妥協が必要でした。また、新しい低炭素燃料の採用は、無数の可能性を生み出す一方で不確実性をもたらし、より革新的な船舶設計が要求されます。旧来の設計手法を繰り返すことはもはや目的に適わず、自信を持って意思決定を行うこともできません。 設計者やエンジニアは、安全性と効率性は譲れないと認識しています。では、エンジンの改造、安全システム、タンクのサイズや位置などの設計上の決定は、安定性や運用性にどのような影響を与えるのでしょうか? NAPA Designerでは、区画や構造物の詳細な3Dモデルが用意されているため、Elomatic社はこれらの懸念に対応し、タンクの形状、サイズ、配置など、改造作業やコストを最小限に抑えつつ、効率や安全性を妥協しない設計オプションを可視化することができました。 NAPA Steelの構造モデルのような3Dモデルは、図面、フィードバック、計算、解析がすべて行われる共通のソフトウェアベースを提供し、すべての結果にあらゆる変更が反映されることを保証します。さらに、ウェブベースの情報共有プラットフォームにより、レビューや承認の効率化を図ることができます。例えば、NAPA Viewerは、船主、協力会社、船級協会が必要な情報にリアルタイムでアクセスできるようにし、同時に各関係者の知的財産権を保護します。 モデルの作用 複雑化する設計プロジェクトにおいて、NAPAを使用する利点は、必要なデータをすべて一ヶ所に集め、意思決定や代替燃料への移行に必要な明確さをもたらすことです。Markus氏は、「特にコンセプトの段階では、さまざまな選択肢をより簡単にかつ迅速に検討できます。」と述べています。 例えば、代替燃料タンクの設置を容易にするために、設計者はデッキの下部空間を割り当てるべきでしょうか?その場合、貨物容量にはどのような影響があるのでしょうか?アンモニアのエネルギー密度が低いことを考慮するとどうでしょう?タンクの設計は効率にどのような影響を与えるのでしょうか? Elomatic社にとって、これらの質問に自信を持って答え、将来の燃料を採用した場合の影響を評価することは極めて重要なことでした。 NYK社のアンモニア対応ポストパナマックスバルカーのコンセプトデザインを制作する際、Elomatic社は、安全性と効率性を考慮し、改造コストを最小限に抑えつつ、最適な設計オプションを検討する必要がありました。これを実現にするため、我々はNAPA Steelの3D構造モデルの利用を最適化するためにElomatic社と緊密に連携しました。 3Dモデルは、船舶の設計段階から運用段階まで、安全性や運航に影響を与える膨大な情報を網羅しています。例えば、有限要素(FE)解析がその一例として挙げられます。FE解析は、船舶の設計において、モデル内の応力水準の大きさを特定する重要な役割を果たすものの、後回しにされがちです。構造設計の初期段階でFE解析を行うことができれば、技術者は新しい機能がどのように連携し、全体構造の整合性に影響を与えるかを把握することができます。NAPAのFEメッシング機能により、Elomatic社は設計プロセスの標準的な部分としてFEモデルを簡単に生成・解析し、これまで以上に早い段階で修正作業を行うことができました。 信頼できる唯一の情報源 3Dモデルが1つの「信頼できる唯一の情報源」として機能することで、迅速な設計変更と、ハイドロ計算、復原性、船舶重量推定、流力性能から船体構造、FE解析に至るまでの信頼できる解析が飛躍的に容易になります。これらは、船級承認にも利用できます。 アンモニア対応のLNG燃料「自動車専用運搬船」のコンセプトデザインを作成する際、Elomatic社のチームはNAPAの3Dモデルを使って、タンク容量や配置を変えることで船の復原性性能にどのような影響を与えるかを検討しました。さらに、NAPAの確率論損傷時復原性機能、ハイドロ計算・復原性機能、及びNAPA Steelを使用することにより、確率論損傷時復原性規則(SOLAS2020)への適合などに対して、より信頼性の高い設計チェックをより簡単かつ正確に行うことができるようになったのです。 NAPA Designerとその3Dグラフィカルインターフェースを使って、Elomatic社は、以前のテキストベースのインターフェースと新しいグラフィカルインターフェースとを切り替えることができました。これにより、特に流体力学を研究する際に、両方のバージョンが提供する柔軟性と洞察を享受しながら、より詳細で使いやすい設計プロセスを実現することができました。 この「信頼できる唯一の情報源」は、造船工学技術者や設計者、技術開発者、船級協会など、全プロセスの関係者が同じ情報にリアルタイムでアクセスしてさまざまな設計目標を追求することを可能にし、チームの働き方を根本的に変えることにもなっています。Elomatic社では、より簡単にコミュニケーションできることになった結果、作業負荷と間違いのリスクを大幅に削減し、設計スケジュール、予算、要件をより良く満たすことが可能になりました。 重要なのは、NAPA設計ソフトウェアがより俊敏で革新的な設計ソリューション基盤を築いており、複数の活用事例があるということです。 オフショアへの展開 私たちのソリューションは、一般商船にとどまりません。NAPAの設計ソフトウェアから得られるモデリング、幾何形状、復原性に関する同じ見識を利用して、Elomatic社は洋上風力発電市場での存在感を拡大しました。プロジェクトの複雑さを考慮し、Elomatic社は正確な復原性計算のために信頼できる強力な設計ソリューションを必要としていました。 NAPAの設計ソフトウェアは、浮体式洋上風力発電構造物の設計を確実かつ正確にサポートし、チームの設計意欲を満たしました。NAPAは一般商船設計と同様に、海上で簡単に設置できる即利用可能なソリューションの構築を目指すチームに、迅速で自信に満ちた行動を可能にしました。 その核となるのは、世界的なエネルギー転換の障壁を取り除くために、ソリューションの拡張性を確保することでした。 ドリームチーム 長年にわたり、定期的な話し合いと緊密な連携により、NAPAはElomatic社の改造や新造船をサポートすることができました。 NAPAのカスタマーサービスチームは、これをさらに一歩前進させます。単に設計上の問題を解決するだけでなく、意欲的な設計要件を実現するためのデジタルツールの最適な使い方について、有益で洞察に満ちたガイダンスを提供しています。 これは、未来の船舶、あるいは明日の浮体式洋上風力発電構造物は今日設計され、持続可能性、安全性、効率性をDNAに組み込む必要があるという認識からきています。より協力的で革新的なプロセスをいかに構築していくかが、業界の脱炭素化を左右することになります。それはすべて構想段階から始まるのです。 興味がおありですか? NAPA船舶設計ソリューションで、設計プロセスを改善することができます。詳しくはお問い合わせください。

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