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Category: 運航支援システム

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INPEX社、LNG船によるNAPA システムを活用した燃料削減への取組み

日本最大規模の石油・ガス開発会社は、持続可能なエネルギー供給を目指してデータをどのように活用しているのでしょうか。 株式会社INPEX グローバルエネルギー営業本部 輸送ユニット マリン・技術グループ マネージャー 藤原 賢一氏、同LNGトレーディングユニット 輸送グループの樋口 和久氏にインタビューを行い、NAPAとのコラボレーションが、長期用船しているLNG船の効率化にどのように役立っているか、ご紹介します。 「INPEXは、LNG、LPG、オイルタンカーを傭船しています。INPEXは、気候変動への影響の低減に取り組んでおり、ネットゼロの実現に向けた長期戦略に多額の投資を行っています。輸送と物流による排出を削減することは、このプロセスにおいて不可欠な要素です。 本船性能悪化の一因は、船体のコンディションです。船底付加物により船底抵抗が増加し、また燃料消費量やGHG排出量を増加させるため、船体汚損によって本船性能が悪化する可能性があります。i-tech社の最近の研究によると、例えば、「過度な船体汚損は、少なくとも1億1千万トンの過剰な炭素排出の原因となる可能性がある」ことが分かっています。船体状態を正しく管理することは、実航海における本船の運航効率を管理する上で不可欠です。ただ一方で、こういった管理には複雑な部分もあり、船毎に適したメンテナンスを行い、ドライドックを必要とする船に対して、最適な船体クリーニングを行うタイミングを正しく予測する必要があります。  INPEXでは、こうした重要な決定を行う際の判断材料としてNAPAのソリューションを活用しています。システムで収集された運航データを元に、リアルタイムの本船のパフォーマンス性能を正確に分析することが可能です。このようにしてNAPAシステムは、船体やプロペラのクリーニング時期、防汚コーティングの選定など、INPEXの意思決定をサポートしています。 LNG船の効率化でもう一つの大きな課題は、貨物管理です。LNG船は、貨物から発生するボイルオフガスを燃料の一部とします。また、バラスト運航時は、次の貨物を積載するためのタンクの予冷にも活用されます。これらの要素により、オペレーターと用船者は、いかに安全かつ効率的に運航し、時間通りに到着し、最大限の貨物を確保するかという、難易度の高い課題に日々取り組んでいます。」 迅速なサポート これらの課題に対応するため、当社はINPEXと共同で、LNG船の運航に特化した解析ツールを作成し、船内のエネルギーフローを反映させました。 INPEXが船舶の性能評価に使用している膨大なデータを、API経由で使いやすいメニューが利用でき、さらにINPEX社内でデータ加工ができるようにしました。これにより、INPEXは疑問や問題にも迅速に対応できるようになりました。 脱炭素社会実現に向けた取り組み INPEXは、海運業界の脱炭素化に取り組んでいます。「GHG削減は急務であり、技術面・運用面の両方からアプローチしていく必要があります。NAPAのソリューションを活用したオペレーション面での改善に期待しています」と、INPEXのマリン・技術グループの藤原 賢一氏は語ります。 NAPA Voyage Optimizationは、あらゆる航路のルートとスピードプロファイルを最適化し、運航効率を向上させる使いやすいソリューションで、INPEXはLNG船の航路最適化取組に関心を持っています。このプラットフォームは、風、風波、うねり、海流、水深、熱帯低気圧、さらに安全上の制限も考慮し、かつボイルオフガスを燃料として使用することで航路最適化を実現します。 NAPAとINPEXのコラボレーションは、データ解析と最適化技術が、ネット・ゼロオペレーションに向けた強力な第一歩となることを実証しています。INPEXのようなパートナーと密接に協力することで、難易度の高いLNG船の運航効率を高めるソリューションを生み出し、お客様の脱炭素化プロセスを始動させることができるのです。    

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安全性を支えるデータ:商船三井800隻、NAPAのソリューションでリスク監視を強化

世界最大級の海運会社が、NAPA Fleet Intelligenceを使用してどのように航海リスクの監視と軽減を図っているかご紹介します。 このたび、株式会社商船三井(以下、商船三井)のスマートシッピング事業本部長の鈴木 武尊氏にNAPAとのコラボレーションにより、800隻を超える同社船舶の座礁リスクを軽減する方法についてお話を伺いました。 商船三井とNAPAは、船舶の状況をリアルタイムで監視するシステム※を共同開発しました。座礁の危険性を事前に予測し、陸側チームに警告を発することで、航行中の危険に対する状況認識を高め、商船三井の船隊全体の安全性を向上させることを目的としています。 NAPA Fleet Intelligenceは、商船三井の安全運航支援センター(以下、SOSC)に所属するチームに対し、所有船および傭船が直面する航行上の潜在的なリスクを24時間365日体制で警告するものです。また、アラート発生時に何かしらの必要が判断した場合には、SOSCが当該マスターに直接コンタクトを取り、リスクの周知と支援を行います。 オーダーメイドソリューション この新しいソリューション※は、NAPAのクラウドベースのモニタリングプラットフォーム「NAPA Fleet Intelligence」をベースとしており、船上でのハードウェアの設置や乗組員の入力は一切不要です。位置データ、船舶データ、水深、海図など複数のデータとNAPAの解析データを組み合わせることで、堅牢で信頼性が高く、使いやすいプラットフォームを提供し、座礁リスクを軽減します。 このソリューションは、商船三井の具体的なニーズに合わせてカスタマイズされたものです。鈴木 武尊氏「NAPAを選んだ理由は、私たちの質問や要求に対して、常にタイムリーに対応してくれたからです。さらにNAPAは私たちの要件を非常にうまく定義してくれました。」 また、自社船だけではなく短期傭船の場合も考慮すると、これらすべての船に何かしら新しい機器を搭載することはほぼ不可能でした。鈴木 武尊氏「この点でNAPAのアイデアは素晴らしかったです。自社船、傭船に関係なく、AISデータのような全船舶に使えるデータを使うことは非常に良い着眼点であり、我々の状況をよく理解してくれていると感じました」と鈴木氏は語りました。 直感的に使えるプラットフォーム 商船三井情報システム部長の壬生 由香子氏は、商船三井の情報通信技術(ICT)戦略の立案に携わり、「航海リスク監視システムの導入に大きく貢献しました。NAPAのプラットフォームは直感的に操作でき、ユーザーにとって習得しやすい。」と強調しました。 「NAPAは、私たちの要求が変化していく中で、機敏かつ迅速に対応してくれます。しかも、単に要求に応えるだけでなく、積極的に解決策を提案してくれる。」と壬生氏は語ります。 今後に向けて 鈴木氏は、商船三井のスマートシッピング部門の一員として、船舶運航の安全性向上と船員の業務負担軽減をミッションに掲げています。 「今回の成功を受けて、商船三井はNAPAとの協業を拡大することを検討しています。海運業界は、ワークフローの改善、新しいビジネスモデルの構築、旧来システムの脱却、企業文化の変革など、大きなデジタル変革期を迎えています。 」と鈴木は語りました。 「私たちには130年以上の長い歴史があります。進化する社会のニーズに合わせて変化・発展することで、弾力性を保ち続けます」とも述べています。 NAPA は両社の協力関係をさらに強化することを楽しみにしています。

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NAPA、ノースパワー社製円筒帆の効果検証結果を発表

海事プレスオンラインに掲載された通り、NAPAは船舶向け風力推進システムの開発を行うフィンランドのノースパワー社と研究提携を行い、ノースパワーのローター式円筒帆「ローターセール」とNAPAの運航最適化ソリューション「Voyage Optimization」を併用することで、最大24%の燃料消費量削減効果が実証されたと発表しました。 詳細は本記事をご覧ください。 ノースパワー、円筒帆とNAPAシステム併用の効果実証 | 造船・舶用 | ニュース | 海事プレスONLINE (kaijipress.com) 掲載サイト:海事プレスオンライン   また、東京大学主催の海事デジタルエンジニアリング(MODE)の社会連携講座においても、NAPAの運航支援システムFleet Intelligenceをベースとした解析手法を用いた風力アシスト船の設計評価(環境性・経済性)のシュミレーション事例が紹介されました。詳細は下記リンクからご確認いただけます。 MODE記念シンポジウムにNAPA登壇 – NAPA   本件に関するお問い合わせ先:

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本船の運航状況の把握と座礁防止の対応策

座礁は最も頻繁に起こる船舶事故の一つであり、人や環境に大きな影響を与える可能性があります。最新のデジタル技術は、このような事故の防止に役立つものであり、NAPAは、運航パターンを利用して船舶の座礁リスクを検出するシステムを開発しました。この研究の重要な結論は、先日ポーランドのグダニスクで開催された最新の国際船舶復原性ワークショップ(ISSW2022)で発表されました。  現在、航海の安全性は主に乗組員の経験値を頼りにしていますが、私たちのシステムは、デジタル技術の助けを借りて乗組員の意思決定をサポートし、より安全性の高い航海を実現します。このシステムの目的は、乗組員と陸上支援スタッフの双方に、座礁のリスクを減らすための航行安全監視を系統的に自動化したツールを提供することです。これにより、ECDISの安全領域が正しく設定されていないことによるヒューマンエラーや、視界不良、または水域制限下における交通量の多さによって、気付かないうちに危険な状態に陥るリスクを最大限抑えることができます。  シンプルで効果的なアルゴリズム  約400隻の船舶のAISデータを数ヶ月にわたって分析した結果、船舶は約8割の時間、制限のない海域を航行していることがわかりました。今回のターゲットとして、残りの時間船が岸に近く水深の浅い海域にいる、あるいは交通規制のある海域で航行している船を対象に分析を行いました。  「典型的な航路」のコンセプトデザイン – 周りに障害のない航路のセンターラインを定義し、そこにAISデータで船舶が通常航行する範囲として左右両側に若干の安全域を加えることで、航路を水深データとは独立したものとして定義しました。加えて、難破船、ブイ、移動する砂州などの危険物に関する地理空間情報からも独立していており、その場所での過去の船舶航行に関するAISデータを使用することで考慮されています。  こうしたシンプルなコンセプトデザインを定義することで、大規模な船団を管理するオペレーターにとっても、リアルタイムでグローバルに運用するための実用的なソリューションとなります。また、新たな設備を導入する必要がないため、短期傭船を管理するオペレーターにも適しています。  このシステムは、乗組員に余分な作業負荷を与えず、特定の船舶サイズ、喫水、タイプに合わせてカスタマイズに調整することができます。    妥当性検証  このシステムを成功させるためには、誤報を少なく確実にリスクを特定する必要があります。私たちは過去の事故データを用いてPoCを行い、その信頼性を検証しました。その一つが、今年3月にチェサピーク湾で発生したボルチモア港からバージニア州ノーフォーク港へ向かう12,000TEUのEver Forward号の座礁事故です。座礁したのは、私たちが計算した典型的な航路のかなり外側で、その喫水の船にとっては狭い航路でした。  もう一つの例は、2020年にインドネシアのバタム島沖で起きた5,500TEUの小型コンテナ船「Tina1」の座礁事故です。同船はまず、先に座礁した船に衝突するまでの20分間、典型的な航路の外側に3つのAIS位置を登録しました。  これらのケースは、接地リスクが高まることが明らかになった後、典型的な航路の外側、制限された水路内で接地が発生するという、よくあるシナリオを示しています。  私たちのシステムは、どちらのケースでもリスクを正しく検知しました。    多角的なアプローチ  リスク検出の閾値として運用データを使用することで、エラーの特定やリスクレベルが高いケースを速やかに検知することが可能です。これは大規模な船団を運航する場合に非常に有益であり、陸上モニタリングセンターでの人力によるモニタリング設定と効果的に組み合わせることができます。  このシステムは、最新の実用的なソリューションであると同時に、将来的にはさらに高度で総合的なリスク検知のための基礎的要素になると考えています。水深データ、天気予報、停泊地情報などと組み合わせることで、より幅広いリスクシナリオに対応できるようになるでしょう。  このような取り組みには十分な価値があります。AllianzのSafety and Shipping Review 2022によると、過去10年間の全損の原因トップ3は、転覆(52%)、座礁(18%)、火災・爆発(13%)で、報告された892件の損失の80%以上を占めています。全損に至らない場合でも、人命と貨物の安全に対するリスクは高く、海難救助、離礁、難破船の撤去は複雑で大変な費用がかかる作業となります。  NAPAでは、船舶の運航者や乗組員のリスク管理を支援するシステムの研究を続けています。例えば、前回のブログでは、NAPAが旅客船の運航上の洪水リスクを迅速に評価し、リアルタイムに監視するための革新的な枠組みを開発したことを紹介しました。  私たちは30年以上にわたり、船舶設計、海運、デジタルの専門知識を結集し、船舶運航会社が日々行う重要な意思決定のサポートをしています。  論文全文は後日こちらで公開予定です。http://www.shipstab.org/index.php/conference-workshop-proceedings   

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MODE記念シンポジウムにNAPA登壇

東京ー2022年10月4日ー東京大学主催の海事デジタルエンジニアリング(MODE)の社会連携講座が設置されたことを記念し、10月4日にの記念シンポジウムが開催され、NAPA Japan 社長の水谷がパネルディスカッションに登壇しました。 パネルディスカッションでは、「海事エンジニアリングで切り開く未来」をメインテーマに、現在の日本の海事業界全体の動向分析や今後の戦略立案について活発に議論がなされました。 また、講座開設に先行して行われたモデルベース開発の一例として、NAPAの運航支援システムFleet Intelligenceをベースとした解析手法を用いた風力アシスト船の設計評価(環境性・経済性)のシュミレーション事例が紹介されました。 海事プレスに掲載されました。 https://www.kaijipress.com/news/shipbuilding/2022/10/170231/ 掲載サイト:海事プレスオンライン     本件に関するお問い合わせ先:  

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データを活用した公正なソリューションで”Sail Fast, then Wait”(速く航走して、沖待ち)を解決し、排出量を削減

Blue Visby プロジェクトは、船主、用船者、港湾が、商業的な機密データを損なうことなく、Sail-Fast-Then-Wait(帆を早く出してから待つ)という航法を排除することで環境パフォーマンスを改善できることを実証しています。 実際、すでに公開されているデータに加え、驚くほど少量の商用データがあればよいのです。最も重要なのは、協力と新しい考え方を取り入れようとする姿勢です。 多くの課題がありますが、NAPAの調査によると、Blue Visbyは、ジャストインタイムの利点の大部分を問題なく発揮し、航海に伴う排出量を約15%削減できることが分かっています。このソリューションを全世界に適用した場合、全世界の船舶の二酸化炭素排出量を年間6000万トン以上削減できる可能性があります。これはノルウェーのような国全体の総排出量よりも大きな数字です。 ジャスト・イン・タイムとは、「Sail-Fast-Then-Wait」方式に代わる港湾単位の輸送方式で、特定の港を訪れる船舶が航海の最終日(通常は到着の24~48時間前)にバースの空き状況を知らされ、航海速度と到着時刻を調整してラストマイルの混雑を最小にする方式です。 NAPAがBlue Visbyプロジェクトの一環として開発しているソフトウェアソリューションは、それだけではなく、船舶が航海を開始すると同時に推奨到着時刻を提供するものです。この時刻は、Blue Visbyソリューションに参加しているかどうかに関わらず、停泊中、停泊中、港へ向かっている他の全ての船舶を考慮したものです。また、現在の気象条件や港の混雑度、キャパシティを考慮した上で、船舶の特性や性能も考慮します。 各船は、Blue Visbyを使わずに単独で航行した場合と同じように、待ち行列内の位置を保持します。推奨到着時刻は、より詳細な情報が入手可能になるにつれ、航行中に更新・修正されます。航路の早い段階で目標到着時刻を設定することで、船員はよりゆっくりと航行し、航路を最適化してCO2排出量を削減することができます。 各船に目標到着時刻を割り当てるアルゴリズムには、商業的な機密情報は不要です。出港時刻は船長の報告が最も正確ですが、一般に公開されているAISデータでも十分代用可能です。船舶の性能は、すべての参加者にとって予測可能で公平な方法で、デジタルツインを用いて評価されることになります。 したがって、Blue Visbyは、ジャストインタイム・アライバルズの導入を制限してきた2つの重要な問題、すなわち個々の港にかかる労力と、機密の商業情報を共有することへの懸念を解決しました。 しかし、もう一つ、克服すべきコストと利益についての課題があります。そこで、プロジェクトの共同コーディネータである国際海事法律事務所Stephenson Harwood LLPが力を発揮してくれました。彼らの専門知識により、Blue Visbyソリューションには、インセンティブの分割という問題に対処するための革新的な契約上の枠組みが盛り込まれています。各航海のステークホルダー(船主、用船者、貨物関係者)が、燃料消費量節約、航海時間延長のコスト、CO2排出削減の金銭的価値(該当する場合)など、Blue Visbyソリューションの実施によるコストと利益を共有できる仕組みを導入しているのです。この契約形態は、海運契約の標準的な条項と互換性があるように設計されており、新たな法律や規制を必要としません。 NAPAのデジタル技術と組み合わせることで、Blue Visby ソリューションは、船舶の商業パフォーマンスに影響を与えることなく、航海速度とCO2排出量を削減することを可能にします。 今年7月には、中国の青島からオーストラリアのポートヘッドランドに向かうばら積み貨物船で実証実験を行いました。さらなる実証実験が予定されており、これまでプロジェクトに参加していただいた多くの企業に感謝しています。 NAPAが過去のデータを分析した結果、全世界を航行する13,000隻の貨物船の15万回の航海のうち、87%の航海速度の低下が可能であることが判明しました。 この規模のコラボレーションをサポートするために必要な技術はすでに存在しており、気候危機の緊急性を考えると、世界は今すぐ変化をもたらすソリューションを必要としているのです。 Blue Visbyのソリューションは、機器の設置する必要はなく、新しい考え方を持つだけです。今後、より多くのプロジェクトパートナーを迎えることができることを楽しみにしています。   本件に関するお問い合わせ先:

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NAPA、大手客船会社と乗組員研修のeラーニング契約を締結

NAPAは、NAPA Stabilityのeラーニングを毎年500名に配信しています。NAPAは引き続き、急速に進化する技術環境の中で乗組員のサポートと海上安全性向上に貢献します。 ヘルシンキ(フィンランド)、2022年9月20日:海事産業向けデジタル技術のリーディングプロバイダーであるNAPAは、世界最大のクルーズ会社の一つであるロイヤル・カリビアン・グループと新たに長期契約を結び、世界中の乗組員にeラーニングを提供することになりました。このパートナーシップにより、ロイヤル・カリビアン・グループは、船上と陸上の両方の乗組員に最新の復原性ソフトウェアと技術に関するトレーニングを行うことができます。これにより、世界64隻の船隊の安全運航を促進することができます。  

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NAPAの独自船舶データ解析技術を用いて風力推進船の開発強化

現代の船舶海運の世界で「帆の時代」を復活させるというアイデアは、幅広いメディアで関心を呼び、業界外の多くの人々のにとって関心度の高いトピックです。しかし業界関係者にとっては、このロマンチックなアイデアは、利幅が狭く規制も厳しいといった数多くの厳しい現実に立ち向かう必要があるのです。 そのような中で、NAPAが持つ船舶のモデリング技術や、気象データをかつようした航路最適化および本船の性能解析といった専門知識が、洋上風力技術開発において貴重なものとなっています。 例えば、C-Job Naval Architects社と提携し、風力推進船がもたらす二酸化炭素削減効果の検証を行いました。結果として、深海航路では最大20%、北海やバルト海では約5%の燃料削減見込みがあることが判明しました。本共同研究は、ローターセイルをコンセプトから現実のものにするために重要な役割を果たしました。 パートナーシップ 風力発電技術が成熟し、設置台数が増える中(IWSAによると、現在風力発電を導入した大型船舶は19隻)、私たちは業界が風力発電を最大限に活用できるよう、引き続き支援を行っています。ローターセイルのパイオニアであるNorsepower社とともに、データを活用したデジタルソリューションが、風力推進の利点を高め、燃料消費を最小限に抑え、コストを削減し効率を高め、全体としてCII規制への準拠できるかどうかを検証することができました。 先日、当社のNAPA Voyage Optimizationソフトウェアが、今後ノーズパワー社のローターセイル・ソリューションにオプションとして販売されることがが正式に決定しました。その理由とは、航海最適化と風力推進の組み合わせることで、相乗効果を生み出し本姓性能を向上させる大きな可能性をもたらすからです。 NAPAのソフトウェアは、航海中の気象条件や各船の設計プロファイル、運航要件を考慮し、省エネ効果を最大化するために最適な航海計画を決定します。重要なのは、提案される航路が、異なる条件下での性能を評価・予測する船舶固有のデジタルモデルを用いて、それぞれの船舶の設計や特性に合わせて調整されることです。つまり、Norsepower社のローターセイルは、最適な航路を提供するための船舶性能モデルにおいて特に考慮されているのです。 その結果、NAPAの調査により、NAPA Voyage Optimizationを使用してローターセイルを設置した場合、使用しなかった場合と比較して燃料効率を1/3程度に改善できることが実証されています。従来の航路最適化のアルゴリズムではなるべく風を避けることになりますが、今回は風力推進船に特化するべく、航海中の風の影響をなるべく活用するようなアルゴリズムを組んで最適化を行ういます。波の高さ、方向、頻度など様々な環境要因を考慮し、船舶の総抵抗を計算することで、船舶が安全に風と天候を利用した航海を行えるようにするNAPA独自のインテリジェント・ルーティング技術が用いられています。 期待される効果 複数の省エネ技術を組み合わせることが一体どういった可能性を秘めているかは、多くの場合まだ明らかにされていません。相乗効果をもたらしうる省エネ技術の種類が最近急激に増えていることについて、多くの海運関係者に十分に浸透していない可能性があるからです。 これは驚くことではありません。MARINが主導するWiSP 2のようなプロジェクトが示すように、これらのソリューションを単独または組み合わせてビジネスケースとして成立させるには、業界はまだ多くのことを学ばなければなりません。実際、デルフト工科大学の研究によると、風力アシスト技術の普及を阻む大きな障壁は、風力推進機の性能を予測するための透明で独立した検証済みの情報と手法がまだまだ不足していることです。 私たちは、より多くのデータがあればより明確になると考えており、そのためのツールを提供することで、船主がより良い決断を下せるようにします。また、日々の意思決定を行う船の乗組員やオペレーターも、理論上の最適化目標が実際に完全に実現されるように、適切なデータを必要としています。 最近、NAPAとNorsepower社は、クリーンテクノロジー採用に関する従来の考え方に挑戦するパネルディスカッションに参加しました。パネリストは、業界に脱炭素化をもたらす様々な要因に注目しました。現在の燃料価格、課税としての炭素コストの予想、新しい低炭素燃料の出現による燃料コストの増加、保留中のEEXIおよびCII規制、荷主、銀行、その他のステークホルダーからのESGドライバーなどです。 脱炭素社会への移行を成功させたい企業にとって、信頼できるデータに基づいた意思決定は不可欠です。船上でどのような技術や燃料を使用するかにかかわらず、新しい技術から最高の結果を得るためには、どうしてもデータが不可欠となります。代替燃料や様々なクリーンテクノロジーが導入され、船舶の多様性がさらに高まるにつれ、各船舶の個性は今後さらに顕著になることでしょう。正確なデータがあれば、さまざまな解決策とそれが燃料消費量に与える影響をより正確に把握することができます。 コラボレーション 風力発電による海運への関心の高まりと同時に、2050年の排出量50%削減目標からネットゼロ目標への移行への期待も高まっています。このため、ソリューションの意思決定の指針となるデータの重要性がさらに高まっています。 一つのソリューションの投資回収時間は最適な指標ではないかもしれません。それよりも、他のソリューションと組み合わせた場合の潜在的な乗数効果によって、規制遵守やESG目標の達成にどのように役立つか、より明確に把握することができるようになるのです。結局のところ、ペイバックが達成されれば、船主は、最適化され、市場性の高い資産から利益を得るために、船の寿命の何年も先まで待つことができます。 海運の持続可能性を高めるには、造船所から船級協会、船主、運航会社、用船社、荷主など、幅広い協力関係が必要です。NAPAは、すべての関係者をトータルサポートするべくサービスを提供します。NAPAは、主要な船舶設計時の決定から、安全性と持続可能性を確保するための運航方法、改修の決定まで、船舶のライフサイクルを通じた船主の意思決定のトータルサポートを行います。本船が構想から現実のものになるまでの間、NAPAの3Dモデルやビッグデータを用いた本船性能技術を活用し、安全かつサステイナブルな建造・運航を実現することで船主、船員、そして本船をサポートします。 私たちは、風力発電などの環境に配慮した新技術の検証や最適化を行うサポーターとして、未来の低炭素船団を実現するために不可欠な役割を果たすお手伝いをします。エネルギー転換が及ぼす様々な課題を考慮し、商業利用が検証された様々なソリューションを組み合わせることで、船主は排出規制目標を達成するだけでなく、それを超えるための次のステップを踏み出すことができるのです。現在利用可能なソリューションを使用する船舶は、より早く脱炭素化することができ、ネットゼロの未来を目標から現実のものにすることができます。   本件に関するお問い合わせ先:

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SMM 2022

NAPAは、9月に開催の第30回SMMに出展いたします。   詳細やお打合せのご予約はこちらをご確認ください。  

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浸水リスクモニタリングの新手法で、実際に客船の安全性向上を図るには? – ケーススタディ

前回のblogでは、NAPAが旅客船における運航中の浸水リスクのリアルタイムで評価・モニタリングを行うための革新的な手法を開発したことについて紹介しました。今回は、理論にとどまらず、この新しいアプローチが実際にどのように機能し、乗組員と乗客の安全性を劇的に向上させるかを紹介する2つのケーススタディを見てみましょう。 今回は2つの設定で検討を行いました。 a)事故が起こりやすい海域で乗組員が高い浸水リスクに遭遇する場合 b) メンテナンス作業中に水密扉の一部を長期間開放する必要がある場合

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