Category: 設計システム
ブリッジに乗り込んで ― 船舶設計学生からNAPAインターンへ
NAPA Finland本社にて受け入れた学生Trainee(Oskar Mewes)の記事をご紹介します。 OskarはドイツのNarval Architectureの学生で、大学でNAPAソフトを使った経験から、2024年にNAPA FinlandでTraineeとして経験を積みました。カスタマーサービスチームの一員として、実際の課題に取り組みながらソフトの理解を深め、信頼と協力を重んじる職場文化の中で成長しました。この経験は彼の専門知識を広げ、将来のキャリアに大きな影響を与えた、とOskarは述べています。 詳細はこちらをご覧ください。
Read Article6月 4, 2025
船舶設計の新時代:NAPAのノードネットワークがもたらす革新
NAPAは次世代の船舶設計プラットフォーム – NAPA Engineerの開発を進めています。これは、これからの船造りをもっとスムーズに、そして柔軟にするための新たな取り組みです。 この新しいプラットフォームの中心には「NAPAノードネットワーク」と呼ばれる革新的な仕組みがあります。これによって、設計の自由度がぐっと広がり、より効率的で直感的な船の設計が可能になります。 なぜ設計手法を変えるのか? 船の設計はますます複雑になってきています。これは、新しい計算方法、適用可能な新しい技術革新(例えば温室効果ガス排出削減のために必要なもの)、そして安全面や環境面での規制要件の強化などが背景にあります。こうした要素に対応するため、設計者にはこれまで以上に多くのことが求められています。 このように変化し続ける状況の中で、特定の設計要素における船舶設計の性能を向上させることは非常に難しくなっています。なぜなら、設計に関する判断が他の分野にどのような影響を与えるかを予め正確に予測することがほぼ不可能だからです。 その結果として、設計上のトレードオフは、時間的な制約から代替案を十分に検討することなく決定が下されることがよくあります。全体を見渡す設計手法やアルゴリズムによる最適化は学術の世界ではよく知られていますが、実際の産業現場ではあまり活用されていません。 一方で、ソフトウェアの使いやすさを重視する考え方(ユーザーエクスペリエンス(UX))はこの10年で大きく進化しました。たとえば、操作が直感的でわかりやすい設計画面や、複雑な作業を簡単にできる仕組みなどがその一例です。こうした新しいUXの考え方や技術とともに、関数型プログラミングやローコードといったアプローチもエンジニアリングソフトウェアの分野で注目を集めています。UXの向上とローコードの導入は、設計の明確さを高め、メンテナンスの手間を減らし、信頼性の高い船の設計解析を実現する上で重要な役割を果たします。 ノードネットワークの登場 NAPAのノードネットワークは、設計の複雑さや多様化するニーズに応えるための新しいアプローチです。NAPA Engineerでは、船の3Dモデルを中心に、設計に関わる様々な要素をノードネットワークとして整理しています。これは、特定の計算や作業を行う「ノード」と呼ばれる小さな機能のかたまりを使って、設計プロセスを組み立てていく仕組みです。これらのノードは、つなげたりグループ化したりすることで、複雑で多分野にまたがる計算も扱えるようになります。それでいて、設計者が全体を見渡しやすい構造になっているのが特徴です。 ノード、ノードグループ、ノードネットワークのライブラリを活用することで、設計者はプロジェクトや企業のニーズに合わせて柔軟に設計の流れをカスタマイズすることができます。 ノードネットワークには次の特長があります: 複雑なシステムを視覚的かつモジュール的に構築できる ノードライブラリを使って、再利用やカスタマイズがしやすい 分野間のデータの流れや依存関係が明確に見える 全体を見渡した設計やアルゴリズムによる最適化にも対応 設計の考え方をノードネットワークとして整理することで、設計者は設計プロセス全体を把握しやすくなり、必要に応じて部分的にまとめたり、自動化したりすることも可能になります。最終的には、NAPA classicと同様に、必要なすべての船舶設計計算をカバーしながら、柔軟なカスタマイズもサポートします。 全てのエンジニアに力を与える仕組み 経験豊富な設計者が高度なカスタムノードを作成できる一方で、初心者にも扱いやすいように工夫されています。直感的に使えるグループノード、柔軟なユーザーインターフェース、そしてあらかじめ構築された機能ブロックのサポートにより、誰でもスムーズに使い始めることができます。このように、高い機能性と使いやすさのバランスを大切にしていることで、ノードネットワークはユーザーの成長に合わせて進化できる、スケーラブルなプラットフォームとなっています。初期のコンセプト設計から、規制対応、性能最適化に至るまで幅広い段階で活用できます。 また、企業固有の手法や基準を取り入れることもできるため、社内での設計の標準化にもつながります。その結果、ミスの削減やチームや分野を超えた協力の促進にも貢献します。 事例紹介:サービス運用船(SOV)の設計 このアプローチの有効性を確認するために、NAPAチームはノードネットワークを用いた実際のケーススタディを実施しました。具体的には以下のような内容です: サービス運用船(SOV)のパラメトリックな3D製品モデルの作成 非損傷時及び損傷時の復原性計算の自動化 船体形状の変形と、それに伴う形状および復原性の更新 これらを一つのワークフローとしてつなげることで、設計チームは設計変更を迅速にテストし、計算を再実行し、性能を比較することができました。すべてが一つの統合された環境の中で完結します。 このテストケースから明らかになった大きな利点は、一度ノードネットワークを構築してしまえば、設計の可能性を探る作業が、幾つかのパラメータの更新だけで簡単に行えるという点です。さらに、各ノードは独立して動作し、他に影響を与えない仕組みになっているため、結果は常に一貫性があり信頼できます。これは、最適化アルゴリズムやAIを活用したワークフローと組み合わせる際にも非常に有効です。 今後の展望 NAPAのノードネットワークアプローチは、長年にわたって実績のある船舶設計の手法と、現代的なソフトウェアの考え方を組み合わせたものです。その結果、船舶設計者がよりスマートに、より速く、そして自信を持って設計に取り組めるツールが生まれました。 船の設計ソフトウェアが進化を続ける中で、ノードネットワークという手法は、次世代の持続可能で高性能な船づくりの基盤として、大きな可能性を秘めています。 このノードネットワークの考え方とその可能性は、ICCAS(International Conference on Computer Applications in Shipbuilding)で初めて紹介されました。 現在、NAPA Engineerがアルファ版で利用可能です NAPA Engineer の最新バージョンを、いち早く体験してみませんか? 現在、アルファ版が公開されており、初期ユーザーのコミュニティが少しずつ広がっています。私たちと一緒に、これからの船舶設計のあり方を形づくっていきましょう。 コミュニティに参加すると、新機能をいち早く試せるだけでなく、フィードバックを通じて開発に関わることができます。世界中の設計者やエンジニアの声を取り入れながら、NAPA Engineer はより実用的で使いやすいツールへと進化していきます。
Read Article5月 26, 2025
デジタルツインプロジェクト、パイロット試験の成功を経て次のステージへ進展
ヘルシンキ(フィンランド)/東京(日本)、2025年5月21日 ― 一般財団法人日本海事協会(ClassNK)とNAPAは、デジタルツインプロジェクトに参画する各企業を代表し、本プロジェクトフェーズ3におけるパイロット試験が成功裏に完了したことを発表いたします。 本パイロット試験では、プラットフォームの主要なビジネスシナリオにおける実現可能性が確認され、船会社・造船会社・その他の海事関係者間における連携強化に向けた「共有型デジタルツイン」の活用効果が実証されました。 試験では、運航効率の向上、コスト削減、デジタルバリューの創出といった明確な利点が示される一方で、データ管理・セキュリティ、契約構造、プラットフォーム利用料や価値評価といったビジネスモデル面での改善余地も確認されました。 本プロジェクトは、船のライフサイクル全体にわたりデジタルツインの活用を推進することを目的に、造船会社と船会社間の安全なデータ共有プラットフォームの構築を目指しています。これにより、設計段階で作成された3Dモデルを、関係者間でアクセス権を管理した安全なデジタル環境下で共有することが可能となり、設計・運航に関する機微な情報の共有における障壁解消を図ります。 このようなデータのサイロ化を打破することで、造船会社は実船の運航データを次期船の設計に活かすことができる他、船主・用船者は船隊の環境性能評価や、排出削減・コスト削減の可能性分析に活用することが可能となります。また、ウェザールーティング、風力推進、バッテリー搭載といった新技術の導入による影響を、安全性、運航性、積載性能の観点からデータに基づいて評価・予測することや、新たな装置の導入後にその性能を検証することも想定しています。 本プロジェクトには、日本郵船株式会社、同社グループの株式会社MTI、株式会社商船三井、川崎汽船株式会社、丸紅株式会社、同社グループのMMSLジャパン株式会社、今治造船株式会社、ジャパンマリンユナイテッド株式会社、三井E&S造船株式会社、住友重機械マリンエンジニアリング株式会社、旭洋造船株式会社、株式会社臼杵造船所、ClassNK、およびNAPAが参画しています。
Read Article5月 21, 2025
構造強度解析時間を50%削減 NK・NSY・NAPA、自動評価システムを更新
日本・東京ー2025年4月25日 ー 海事プレス(ニュース ー 造船・船用)にて、日本海事協会(NK)が24日、日本シップヤード(NSY)とNAPA Groupと共同で、共通構造規則(CSR)適用船の構造強度解析の自動評価システム更新版をリリースしたことが掲載されました。ぜひご覧ください。 日本海事協会(NK)は24日、日本シップヤード(NSY)とNAPA Groupと共同で、共通構造規則(CSR)適用船の構造強度解析の自動評価システム更新版をリリースしたと発表した。自動化の機能を強化し、解析や評価にかかる時間を従来のプロセスに比べて約50%削減したほか、適用船種をCSRが適用されないコンテナ運搬船にも拡張した。 3社は昨年、自動評価システムをリリースしたが、今回はさらに詳細/疲労解析のためのモデル調整や評価の試行錯誤プロセスを自動化する機能を強化した。NSYが形式知化した解析プロセスのノウハウを、NKの船体構造設計支援システム「PrimeShip-HULL」に組み込む形で進め、実設計に即したツールとして開発した。機能は、「PrimeShip-HULL」の国内ユーザー向けに提供する。 造船会社の基本設計では、構造設計のリードタイム短縮が業界の重要課題になっている。特にネックとなるのが構造強度解析で、設計者が解析結果を見ながら強度要求基準を満足するまで計算を繰り返す必要があるため、CSR適用船などでは設計期間が長期化する傾向にある。NKとNSY、NAPAは共同で、設計者が3次元CADを用いて設計を行う中で、構造強度の解析・評価が自動で実施され、必要な補強要領も反映されるシステムの構築を目指して協業を進めている。 今回の機能強化は、国土交通省の2024年度バーチャル・エンジニアリング補助事業の一環として実施した。 *海事プレスから転載の許可を得ています。 海事プレス プレスリリース:https://www.kaijipress.com/news/shipbuilding/2025/04/192404/ PDF:構造強度解析時間を50%削減NK・NSY・ナパ、自動評価システムを更新 _ 造船・舶用 _ ニュース _ 海事プレスONLINE 海事プレスURL :https://www.kaijipress.com/
Read Article4月 30, 2025
排出削減は海運業における最重要テーマ
海事ソフトウェア会社のNAPAは、船舶の排出量削減に役立つ設計、安全、運航ソリューションを開発しています。同社が直面している持続可能性に関する重要な課題のひとつは、NAPAのソリューションの使用によって削減できた排出量を測定する方法と、その調査結果をいかに効果的に伝えるかということです。 ユニバーシティカレッジロンドンと海事コンサルタント会社UMASが実施した研究によると、港湾の混雑と船舶の待機時間の長さが海運排出量の主な要因であることが浮き彫りになりました。この研究によると、船種にもよりますが、混雑と待機時間を最適化することで、航海による排出量を最大25%削減できる可能性があります。 NAPAのソリューションが解決を目指すのは、まさにこうした課題です。1989年にフィンランドで設立されたNAPAは、貨物船と旅客船の設計および運航効率のためのソフトウェアとデータサービスを提供しています。NAPAの設計、安全、船舶管理ソリューションは、航路最適化、リスク分析、排出削減、環境規制対応などの分野で顧客をサポートしています。 「排出量削減は、今日の海運業界においてサステナビリティは最も重要なテーマです。環境への配慮は業界の在り方を根本から変えており、顧客からのサステナビリティ要求も高まっています」と、NAPA Vice President Operational Excellence担当のJuhana Salminenは話します。 NAPA の顧客には造船会社、船主、運航会社、船舶設計会社、船級協会、大学、研究機関などが含まれており、ヨーロッパ、アジア、アメリカ大陸に10拠点を構え、グローバルで210名の従業員を擁しています。 「バリューチェーンの外で回避された排出量」をどう測定するか NAPA自身のサステナビリティへの取り組みはどうでしょうか?NAPAはすでに直接排出量と購入電力による排出量を算定しており、今後はサステナビリティレポートの発行も計画しています。NAPAにはサステナビリティ専門部署はありませんが、これらの取り組みを監督する専門家を任命しています。 Salminenは、責任に関する重要な課題として、「企業のバリューチェーンの外で削減された排出量」をどう測定し、報告するのか?という点を挙げています。 例えば、このような疑問に答えるため、Salminenと彼の同僚達は明確な指針と支援を必要としています:新造船のトンマイルあたりのエネルギー消費削減のうち、NAPAのソリューションに起因するものはどの程度でしょうか?NAPAの航路最適化ソリューションがなければ、船舶の航路と速度プロファイルはどうなっていたのでしょうか? 「私たちは、私たちのソリューションが環境や社会に与える影響を定量化したいと考えています。それを測定し、検証するのは難しいことです。」とSalminenは言います。 国連グローバルコンパクトが透明性と他業界との連携を強化 サステナビリティへの取り組みの一環として、NAPAは2014年に国連グローバルコンパクトに参加しました。NAPAの顧客の多くは、報告義務を負う世界的大企業であるため、自社の事業が環境に与える影響について関心を寄せています。 「国連グローバルコンパクトのアーカイブにある最新の報告書を参照すれば、容易に回答できます。」とSalminenは話します。ESG基準で概要が説明されているように、業務の透明性は、優れたガバナンスの重要な要素です。 NAPAは、中小企業にサステナビリティな経営支援を提供する国連グローバルコンパクトフィンランドの中小企業責任グループにも参加しています。Salminenによると、国連グローバルコンパクトの主な利点のひとつは、業界横断的な相互支援と学習であり、それにより企業はより幅広い視点からサステナビリティな課題に取り組むことができるようになります。 「国連グローバルコンパクトを通じて、私は他社の排出量計算ツールや報告方法について多くを学びました。まるで異種作物間の受粉のようです。」とSalminenは説明します。 排出削減目標が業界の将来の方向性を決める 今後も海事規制や要件により、業界関係者は引き続き対応に追われるでしょう。 国際海事機関(IMO)は野心的な排出削減目標を設定し、2050年までに国際海運がネットゼロを達成することを目指しています。EUの規制もIMOの基準と密接に連携しています。2024年1月以降、欧州連合(EU)の排出量取引制度(EU ETS)は大型船からの排出料を義務付け、海運業界における報告義務はますます厳しくなっています。 このため業界関係者は多忙を極めていますが、Salminenは、欧州のグリーントランジションが海事部門に新たなチャンスをもたらすと見ています。 「グリーントランジションは、新しい船舶、技術革新、テクノロジーを旧来のものに置き換えることを要求しています。グリーンファイナンスは、投資家のポートフォリオに占める環境的に持続可能な事業活動の割合を高める必要があるため、持続可能な投資のインセンティブとなります。」と結論づけました。 この記事は、NAPA, Vice President, Operational Excellence担当, Juhana Salminenへのインタビューに基づいています。本記事は、国連グローバルコンパクトフィンランドがフィンランド語で発表したものです。
Read Article3月 25, 2025
川崎重工業 – 斬新な大型液化水素運搬船で船舶設計の限界を押し広げる
このプロジェクトは、大型液化水素(LH2)運搬船というコンセプトの大きさだけでなく、川崎重工業の技術者や船舶設計者のチームにとって、まったく新しい船型設計を実現するという技術的な達成を意味する、あらゆる面において大規模なものでした。この画期的なコンセプトを実現するために、NAPAツールでどのように設計上の課題を克服したかをご紹介します。 日本の神戸と坂出に造船所を持つ川崎重工業(KHI)の造船部門は、LPGやLNG運搬船、VLCC船、潜水艦などの高価値船を専門としています。同社は、2019年に就航した世界初の液化水素運搬船「すいそふろんてぃあ」の建造で注目を集めました。 脱炭素経済の進展に伴い、水素(およびそれを輸送する船舶)の需要が高まる中、川崎重工は16万m3の水素を液化した状態で輸送できる大型LH2運搬船コンセプトの開発に着手しました。全長346メートル、4つのタンクを備え、水素燃焼ボイラーと蒸気タービンで推進します。 斬新な船舶設計への挑戦 このような革新的な船舶をゼロから設計することは、決して簡単なものではありませんでした。「まったく新しいコンセプトを開発する場合、基準となる参考船はありません。」と川崎重工業で商船の船体や貨物タンクの構造設計を担当する吉田隆太氏が語ります。 その結果、技術者や船舶設計者は、船体の鋼材重量や重量配分を推定し、主要寸法を決定するために、従来の船舶設計に頼ることができません。さらに、LH2のタンクや断熱システムなど、数多くの新技術を採用した設計であったため、船体構造や艤装品配置への影響を慎重に考慮しながら開発する必要がありました。 そのため、KHIのチームは包括的な構造研究を主導し、設計プロセスを通じて何度も繰り返しを管理する必要がありました。斬新なコンセプトデザインの課題を克服するためには、設計プロセスを可能な限り合理的かつ効率的にする適切なツールが必要でした。そこで出番となったのがNAPAツールです。 NAPA Steelを使用することで、船舶の重量を迅速かつ正確に見積もることができ、有限要素(FE)モデルを簡単に作成することができました。また、艤装品の仕様変更に応じてモデルを迅速に修正し、構造を検討することができたので非常に助かりました。 - 川崎重工 船舶設計担当 吉田隆太氏 船舶設計プロセスの再考 イノベーションを最大限に発揮するために、KHIのチームは従来の船舶設計プロセスの限界を克服する必要がありました。従来、艤装品や詳細な構造設計は、船舶の一般構造が確定した後の設計後期に行われていました。しかし、大型LH2運搬船のようなまったく新しいコンセプトの船では、これらの段階をプロセスのかなり早い段階で行う必要がありました。これは、詳細設計段階で大きな問題が発生し、構造全体の大幅な手直しが必要になるリスクを避けるために不可欠です。 船型、カーゴタンク、艤装システムの開発は、設計の初期段階から着手することが理想です。そこで川崎重工業は、NAPAツールを活用した「先行設計業務」を開発しました。 実際、KHIのチームはNAPAを使って3Dモデルを作成し、最初の開発段階から初期設計、詳細設計の段階まで役立てました。モデルを素早く編集できる利点を生かし、船体構造の設計と艤装品の配置を同時に検討することができ、これらの評価を複数回繰り返して異なるバリエーションを効率的に検証する柔軟性も備えていました。 これにより、設計の初期段階から、まったく新しい技術やシステムの搭載を高い精度で検討し、それに応じて基本構造を更新することが可能になりました。これには、技術者が3Dモデルを迅速かつ容易に修正できるNAPA Steelが役立ちました。「NAPAなしではこの仕事はできませんでした」と吉田氏は強調します。 この「先行設計」アプローチにより、詳細設計段階からの知見を、初期段階からさまざまな設計バリエーションの評価に含めることも可能になりました。これには、工法や工程、縦方向の補強材の配置などの検討が含まれます。 その結果、見えない課題を早い段階で発見することができ、後々の設計のやり直しを防ぐことができました。– 川崎重工業 船舶設計担当 吉田隆太氏 サクセスストーリーの構築 設計プロセスの改善は成功しました:KHIの大型LH2キャリア・コンセプトは2022年4月にClassNKから基本設計承認(AiP)を取得し、初期設計とその安全性が第三者によって検証されました。「NAPAがなければ、早い段階から構造検討を繰り返す設計プロセスを実施することは難しかったでしょう」と吉田氏は付け加えました。 また、NAPAツールによって坂出と神戸の両チームが同じデータベースを共有しながら同時に作業を進めることができ、効率向上にも貢献しました。今後は、船体構造設計だけでなく、カーゴタンクの開発支援にもNAPAツールの活用を広げていきます。具体的には、タンクのパラメトリックモデリング、FEモデル出力、重量推定などを早期に実施します。また、社内のモデルレビューを容易にするためにNAPA Viewerの利用も計画しています。 川崎重工は、エネルギー転換の進展により革新的な船舶への需要が高まる中、事業成功の基盤を構築していきます。「脱炭素社会への移行に伴い、新燃料を動力源とする船舶や新燃料運搬船の開発が既に活発に進められています。このような新しい船舶の開発には、多くの研究・設計要素が複雑に絡み合いますが、NAPAを用いた3Dモデルベースの設計は、このような複雑な問題を解決するのに役立ちます」と吉田氏は締めくくりました。
Read Article3月 21, 2025
Chantiers de l’Atlantique社、デジタルシップヤード機能向上へ構造設計用にNAPAを採用
欧州最大級の造船会社が、3Dベースのワークフロー、革新性、船舶設計の効率性の強化に向けて、船体構造設計の初期設計から生産設計に至るまでの段階でのNAPA導入を決定いたしました ヘルシンキ(フィンランド)およびサン=ナゼール(フランス)2025年3月11日: 欧州最大級の造船会社であるChantiers de l’Atlantiqueは、海事産業向けソフトウェアおよびデジタルサービスの世界的プロバイダーであるNAPAと協力協定を締結し、先進的な3Dソフトウェアおよびデジタルワークフローを共同開発することになりました。今後は、更なる船体構造設計プロセスの効率向上を目指します。 両社は、業界をリードする3D構造設計ツールであるNAPA Steelを活用し、Chantiers de l’Atlantiqueの詳細設計プロセスのデジタル化および改善に取り組みます。また生産設計段階で使用されるソフトウェアとNAPA Steelを統合することで、基本設計から生産設計に至るまでの段階で、技術者や造船設計者のチームが船体構造設計や艤装設計チームと迅速に連携しながら作業できるようになります。この改善により、Chantiers de l’Atlantiqueは設計の複雑化に対応しつつ、効率的で安全かつ革新的な船舶を求める顧客のニーズに応えられるようになります。 このデジタル化に向けた大きな飛躍は、基本設計から生産設計に至るまでの設計プロセスのすべてのニーズには単独のソフトウェアだけでは対応できない、という認識に基づいています。こうした課題に対応するため、Chantiers de l’Atlantiqueは、より実用的な「ベストオブブリード(best-of-breed)」手法を採用しました。これは、特定の機能を果たすために異なるソフトウェアを組み合わせる、という手法です。 本取り組みでは、構造設計、推進システム、電気設計、一般配置設計、重量推定担当の技術者を結集し、複雑な要件と頻繁な変更のために機敏性と精度が求められる造船プロジェクトにおいて、スムーズな連携と最適なパフォーマンスを実現できるようになります。さらに、NAPAの3Dモデルと生産設計用3Dモデルの連携によって、構造設計チームが作成した3Dモデルを艤装設計や生産設計の担当チームがより早い段階で利用できるようになり、今後造船現場での時間短縮と業務効率向上につながります。 この新たな契約は、NAPA Steelの導入によって造船設計のワークフローが効率化され、具体的な時間とコストの削減につながることの確認に成功したパイロットプロジェクトに続くものです。特に詳細設計において、3Dベースの設計ツールと統合ワークフローの導入を強化することで、NAPAは今後もさらなる業務効率化、協業の促進、そして設計品質の向上に貢献していきます。 NAPAとの提携は、Chantiers de l’Atlantiqueの「デジタルシップヤード」戦略における新たなマイルストーンとなりました。フランスのサン=ナゼールに本社を構える同造船会社は、クルーズ客船や軍艦、洋上構造物等の建造を専門としています。 Chantiers de l’Atlantique社 CEOのLaurent Castaing氏は次のように述べています: 「当社は、NAPAとの協力によってより安全でスマートかつ効率的な次世代船舶の建造水準を引き上げることができます。クルーズ客船や軍艦、洋上構造物といった高度な船舶の建造で世界を牽引する当社にとって、より複雑化する設計を管理していくことは極めて重要な課題です。そのためには、船舶の設計から生産のフェーズにわたる効率的で合理化されたワークフローが不可欠です。迅速に対応できるツールとデジタルプロセスの活用がそのワークフローの中核を成しており、当社がさらなるイノベーションを推進し、効率的で将来性のある設計を求めるお客様のニーズにお応えできます。」 NAPA CEO のMikko Kuosaは次のようにコメントしています:「Chantiers de l’Atlantiqueとともに、同社のデジタル・シップヤード構想を新たな高みへ導く取り組みは、我々にとっても非常に刺激的なものでした。3Dベースのデジタルツールとワークフローをより活用するソリューションを共同開発することは、造船設計の未来を切り開き、協業と効率性を新たなレベルへと引き上げる重要な鍵となります。これは、海運業界のエネルギー転換のための革新的な船舶の需要が高まる今日では、これまで以上に重要になっています。デジタル時代は、造船会社にとってイノベーションを生み出す強固な基盤を提供するとともに、生産性を向上させ、持続可能なビジネスを維持するための支えとなります。」 – ENDS – 編集者の皆様 Chantiers de l’Atlantiqueについて Chantiers de l’Atlantiqueは、その専門チームと協力会社のネットワーク、そして一流の建造設備により、クルーズ客船、軍艦、洋上風力発電所向けの変電設備、および船隊向けサービスの設計、統合、試験、ターンキー納品の分野におけるリーディングカンパニーです。同社は未来への挑戦の中核を担っており、今日の環境性能が最も厳しい基準を超える船舶や、エネルギー転換の主要な担い手となる洋上風力発電向けの設備を設計・建造しています。 NAPA について NAPAは、世界の海運業界向けにソフトウェアおよびデジタルサービスを提供するリーディングプロバイダーです。データサイエンスを活用し、安全性の向上、持続可能性の促進、そして未来に適応した海運の実現を支援しています。1989年に船舶設計のスマート・ソリューションを提供する企業として設立され、現在では造船業界の世界的な基準として認知されており、新造船の90%以上がNAPAの顧客によって建造されています。 今日、NAPAの専門知識は船舶のライフサイクル全体にわたり、建造から航海中の安全性や効率性までをカバーしています。世界で3,000隻以上の商船が、NAPAの安全性および効率性に関わるソリューションを採用しています。 フィンランドに本社を置くNAPAは、200名のエキスパートを擁し、日本、韓国、中国、シンガポール、米国、ドイツ、ギリシャ、ルーマニア、インドに拠点を持つグローバル企業として活動しています。 詳しくは www.napa.fi/jaをご覧ください。 Media contact: […]
Read Article3月 12, 2025
4つの主要な日本の海事関連企業がデジタルツインプロジェクトに参加
業界を代表する企業が、船舶の設計および運航データの共有方法を変革し、デジタルツインの導入障壁を克服する取り組みを支援へ 【東京(日本)/ヘルシンキ(フィンランド)、2025年2月25日】 国内の海事産業を牽引する、川崎汽船株式会社、旭洋造船株式会社、三井E&S造船株式会社、住友重機械マリンエンジニアリング株式会社の4社が、業界横断型の共同プロジェクト「デジタルツインプロジェクト」に新たに参加いたしました。 この新たな参画は当プロジェクトにおける「フェーズ3」に当たり、造船会社と海運会社で安全なデータ共有フレームワークを構築し、船舶のライフサイクル全体におけるデジタルツインの活用を推進することを目的としています。これにより、運航の効率化と安全性の向上を図り、参加企業は、設計・運航データの共有に関する様々な課題克服に向けたデータ共有の可能性についてさらなる議論を重ねていく方向です。 多様なステークホルダーとの緊密な協力を通じ、本プロジェクトでは船舶設計段階で作成された3Dモデルを安全かつアクセス管理が行われたデジタル環境で共有できる新しいプラットフォームの開発を目指します。また、運航データを造船会社へフィードバックすることで、貴重な知見を提供します。これにより、造船所やソリューションプロバイダーに新たな事業機会を創出するとともに、関係者間での利益共有の仕組みを構築することが期待されます。 本プロジェクトには、すでに業界を代表する海運会社や造船会社が参加をしています。今回参加した4社に加え、既存メンバーである日本郵船株式会社、同社グループの株式会社MTI、株式会社商船三井、総合商社の丸紅株式会社、また同社グループのMMSLジャパン株式会社他、造船会社から今治造船株式会社、ジャパンマリンユナイテッド株式会社、株式会社臼杵造船所ほか、ソフトウェア・データサービスプロバイダーのNAPA、船級協会の一般財団法人日本海事協会が一丸となって、さらなる発展に貢献していく予定です。 日本海事協会のデジタルトランスフォーメーションセンター長 佐々木吉通氏は次のようにコメントしています:「この重要なデジタルツインプロジェクトに新たな参加企業を迎えられたことを大変嬉しく思います。今回の4社の新たなご参加により、本プロジェクトには海運業界のよりさまざまな分野の専門家の知見が集結することとなりました。この協力関係を活かしつつ、今後もデジタルツイン技術の発展に向け、取り組んでまいります。」 NAPA Studios担当 NAPA Group 副社長 兼 NAPA Japan 代表取締役社長 水谷直樹は、次のようにコメントしています:「この著名な新規参加企業の加入は、デジタルツインプロジェクトの大きな節目となります。本プロジェクトは、NAPA Studiosの取り組みの一環として、船主、用船者、造船会社、船級協会、金融機関、保険会社などを結び付ける共同プロジェクトの中核を担っています。これにより、新技術や契約導入の実務的な影響を明確にし、ネットゼロへ向けた新たな技術および運用フレームワークの開発を支援します。すべての参加企業の皆様に感謝申し上げるとともに、今後の協力のさらなる発展を楽しみにしています。」 住友重機械マリンエンジニアリング株式会社の取締役営業・技術本部長 舛谷明彦氏は、次のようにコメントしています:「当社がこの革新的な取り組みに参加できることを大変誇りに思います。既存の海運技術、特に風力推進技術などと、最先端のICTおよびデジタル化技術を統合し、業界の発展に貢献していくことを目指してまいります。」 現在、デジタルツイン技術を効果的に活用することで、船舶ごとの独自の設計特性や性能を深く理解し、脱炭素化に向けた意思決定の支援が実現できると考えられており、当技術は海運業界のエネルギー転換を支える強力なツールとなります。本プロジェクトがさらに勢いを増して進展する中で、今年2025年の商業的展開が期待されています。 編集者の方々へ 一般財団法人日本海事協会(ClassNK)について 一般財団法人日本海事協会は安全性と環境保護を目的とした第三者認証機関として1899年に設立され、船舶や海洋構造物の検査・認証を実施しています。100以上の船籍国からの委託を受けて、独自の規則や国際条約に基づく認証業務を提供、ISOなどの管理システム認証も実施しています。海事産業におけるデジタル化や、脱炭素化に向けた課題に対応するため、業界と連携し、認証サービスの拡充や研究開発を進めています。 詳細はwww.classnk.com/hp/ja/をご覧ください。 NAPAについて NAPAは、海運業界向けのソフトウェアおよびデジタルサービスのリーディングプロバイダーとして、データサイエンスを活用した安全で持続可能な未来の船舶の運航を支援しています。1989年に船舶設計向けのスマートソリューションを提供する企業として設立され、現在では造船業界におけるグローバルリーダーとして90%以上の新造船にNAPAの技術が活用されています。現在は、船舶のライフサイクル全体にわたる運航の安全性や効率性向上を支援し、全世界3,000隻以上の商船でNAPAのソリューションが使用されています。 本社はフィンランドにあり、日本、韓国、中国、シンガポール、米国、ドイツ、ギリシャ、ルーマニア、インドなどで事業を展開しています。 詳細はwww.napa.fi/ja/をご覧ください。 本件に関するお問合せはこちら:
Read Article3月 10, 2025
NAPA User Seminar Japan 2025
NAPA User Seminar Japan 2025 を2025年10月に開催いたします! 私たちと一緒に船舶設計技術の未来に踏み出しましょう! 昨年のセミナーは大変多くの皆様にご参加いただき、大変盛況のうちに終了いたしました。 こちらも是非ご覧ください。 日時 2025年10月6日 (月) 9:00 ~ 10:00 Welcome Coffee Time 10:30 ~ 17:00 セミナー(開場:10:00) 18:00 ~ 20:00 懇親会(無料) 2025年10月7日 (火) 10:00 ~ 17:00(受付開始: 9:30) 場所(セミナー・懇親会) オリエンタルホテル神戸 DAY1 Welcome Coffee Time:4階 BAMBOO HALL セミナー会場 :6階 THE ORIENTAL ROOM 懇親会 :4階 BAMBOO ROOM DAY2 セミナー会場①:5階 THE ROYAL BALLROOM(構造関連ワークショップ・講演) セミナー会場②:6階 THE ORIENTAL ROOM(復原性/流体関連ワークショップ・講演) 対象 設計用NAPA ユーザー、またはNAPA製品に興味をお持ちの方 ※同業他社様・個人のお客様からのお申込みはご遠慮頂いております 定員 […]
Read Article3月 7, 2025
日本の船舶設計の新時代を切り開く
昨年秋に神戸で開催されたNAPA User Seminar Japanは、54団体から130名以上の参加者を集め、大盛況のうちに幕を閉じました。NAPA User Seminar Japanは年々規模を拡大し、今回は過去最大の参加者数を記録しました。 これは、革新とコラボレーションに対する市場の需要の高まりを証明するものです。 2002年に日本で初めてNAPA User Seminarを開催して以来、私たちは長い道のりを歩んできました。この業界が集まり続ける理由は何でしょうか?このイベントのコーディネーターであり、Design Solutionsのアシスタントである小林葉子が説明しました。 このセミナーは、お客様と直接お会いしてフィードバックをいただける貴重な機会です。NAPA Japanチームにとって、参加者数の増加はビジネスの成長とNAPAコミュニティの拡大を映し出しています。またこのイベントは、毎年セミナーを成功させるという共通の目標に向け、チームビルディングにも役立っています。 業界がかつてない変化に直面している今、NAPA User Meetingが「Accelerating the Future of Ship Design」というテーマに焦点を当てたのに続くこのテーマは、まさに絶好のタイミングでした。セミナーを通じて、船舶設計の未来は、多様な関係者による協働的なものになることが明らかになりました。 この未来を築くために、私たちは競争の垣根を越えて業界全体をまとめ、参加者が他の専門家と出会い、船舶設計の未来について議論するまたとない機会を提供します。これにより、NAPAとお客様は、最前線からの船舶設計と運航に関する現場からの実践的な洞察から恩恵を受け、競争優位性を獲得できます。セミナーを通じて、一般財団法人 日本海事協会、日本郵船株式会社、浅川造船株式会社、日本シップヤード株式会社、株式会社MTI、 常石造船株式会社、 株式会社名村造船所、三井E&S造船株式会社など、日本の海運業界における先駆的なリーダーたちから、NAPAの活用事例についてお話を聞くことができました。 結果はいかに?セミナーの主な成果をご覧ください。 デジタルトランスフォーメーション:デジタルツインと拡張3Dワークフロー 船舶設計におけるデジタルツイン技術は新しいものではありませんが、日本ではより大きなコラボレーションとイノベーションによって進化しています。設計データ、運用上の洞察、3Dモデルを「信頼できる唯一の情報源」に統合することで、デジタルツインはよりシームレスな業務フローを生み出し、船舶のライフサイクル全体を通して不整合を最小限に抑え、人的資源を最適化します。 設計プロセスの合理化だけでなく、安全なデータ共有も可能になるため、関係者は競争力を維持しながら将来の設計の改良が可能です。User Seminarでは、この可能性に焦点が当てられ、専門家たちが、デジタルツインがいかに船主、設計者、オペレーター間のコラボレーションを強化し、最終的に安全性と燃費効率の両方を向上させることができるかについて議論しました。 このパラダイムシフトは、日本海事協会の 「船舶の設計と運航データの共有による新たな価値創造 –デジタルツインの実現にむけて-」と題されたプレゼンテーションに集約されています。3Dモデルやデジタルツインが、船舶設計者と海運会社間の知識ギャップをどのように埋め、船舶の設計や運航の実態をより実践的に理解することに近づけるかについて掘り下げました。 株式会社商船三井のデジタル・環境スペシャリストである芦田哲郎氏は、シミュレーション、技術革新、燃料最適化のためのデジタルツールの重要性を強調し、「船主の観点から、これは非常に重要なテーマです」と述べました。NAPA Studiosと商船三井、日本海事協会、その他の海事リーダーによるデジタルツインプロジェクトは、造船会社と船主の間で安全なデータ共有フレームワークを構築し、デジタルツインの導入を推進することを目的としています。また、芦田氏は以下のように付け加えました。 燃費効率とグリーンテクノロジーの重要性が高まる中、船舶設計データはこれらの目標をサポートする上で重要な役割を果たすと私は信じています。 日本郵船チームは講演の中で、船主としてどのように3D設計技術を活用して新たなコンセプト開発をコンテナ船の設計に導入しているかを強調し、基本設計段階への影響を訴えました。彼らはまず社内でコンセプトを開発し、その後NAPA Steelの3D図面を活用してコンセプトを共有し、船級承認を取得しました。 日本郵船の講演は最も興味深いものでした。彼らは多目的コンテナ船の3DMBAという難題に挑みました。船主が船の設計に力を入れているのは大きな一歩であり、感銘を受けました。-日本海事協会 デジタルトランスフォーメーションセンター 兼 情報技術部 主管 長俊寿氏 行動するNAPAマルチステークホルダープロセス 本セミナーでは、NAPA Steelのようなツールが、初期設計から詳細設計段階までの3Dモデルの使用と業務フローを支援し、初期段階からのサポートにより造船会社の時間、コスト、リソースの節約に役立つことを紹介しました。実際、これらのツールは、セミナーで目にした協業の精神を体現しており、より正確で迅速な開発に貢献しています。これは、スピードと正確さが大きな違いを生む競争環境において極めて重要です。 セミナーでの議論は、特に複雑な設計要件を管理し、規制基準を満たす上で、これらのツールが造船会社にとっていかに貴重なものになっているかを示しました。 特に初期設計段階でNAPA Steelを使用することにより、船舶設計者は船舶のライフサイクルを通じて使用される3Dモデルを作成することができます(他のCADソフトウェアとの互換性もあります)。これにより、すべてのコミュニケーションが合理化され、効率的な設計変更と迅速な反復が容易になります。さらに、頻繁な有限要素モデル解析を含め、同じモデル内で複数の設計バリエーションの検証が可能です。 NAPA Steelは、中小規模の造船会社においても、船舶設計者にとって標準的かつ不可欠なツールになりつつあります。-NAPA Design Solutions Key […]
Read Article3月 5, 2025