【顧客事例:臼杵造船所様】NAPA 3Dモデルで船舶設計ツールを拡充
臼杵造船所では過去8年間にわたり、NAPAの船舶設計ツールの利用を拡充してきました。船体設計部基本設計課のチームは、現在NAPA3Dモデルの利用を船舶搭載機材の設計にも広げようとしています。 臼杵造船所の従業員数は約150名、協力会社社員が約350名で、年間5〜6隻の船を建造しています。主力製品は、カーゴタンクがデュプレックスのソリッド鋼とクラッド鋼を採用した世界初設計の19,700dwtケミカルタンカーです。このほか、タンカーや内航フェリーも建造しています。 「お客様がまた臼杵で建造したい、そう思っていただけるように、品質管理と技能の向上に力を入れています」と取締役設計本部長の堺田氏は語っています。 基本設計課は、船型設計と一般配置を担当します。ハイドロ計算、損傷時/非損傷時復原性の計算、傾斜試験、海上試運転の立ち合い、承認図面、完成図面を準備し、復原性ブックレットを作成します。NAPAは、これらすべての設計と計算において主要なツールとなっています。 臼杵造船所は、ツインスケグ(スプリットスターン)船型の建造を得意としています。従来のソフトウェアでは対応することができず、これらの船型に対応可能なNAPAを選択しました。 設計プロセスの効率化 「リソースが限られています」と語るのは、基本設計課シニアスタッフの川越基貴氏。船の初期設計の計算をすべて担当するのは2人しかいません。「復原性ブックレットやその他資料作成に時間がかかっていました。時間を短縮したかったので、NAPAのツールを使うことで、非常に効率的になりました。」 NAPAのアプリケーションはカスタマイズが可能なので、臼杵造船所のニーズに合わせて様々な業務を独自に定義することができました。 また徐々にツールの利用範囲を広げていき、当初はNAPAを船型設計と線図作成に使用していましたが、その後、復原性計算モジュールを追加し、現在はブロック重量を推定するためにNAPA Steelも使用しています。 「以前は、設計積付条件の資料作成のために、3つの異なるシステムを使用しなければなりませんでしたが、今はNAPA 1つだけで十分です。」と川越氏は語ります。 初期の3Dモデルのメリットを最大化する ステンレスを使用するには、高度な設計と施工品質が求められます。「NAPA Steelのモデルを作成することで、より正確に、より早い段階でブロック重量を見積もることができます。」と、シニアスタッフの三重野福代さんは話します。また、製造部門の建造工程計画にも同じNAPA Steelのモデルを使用することを検討しています。 NAPA Steelは、船舶構造物に最適な有限要素(FE)オートメッシャーを提供し、主要な船級規則チェックパッケージとシームレスに接続することで、船舶構造設計をサポートします。重量や重心位置の計算、材料や溶接長を早期に見積もる部品表、早期製造負荷とコストの見積もり、塗装面積の計算など、高速で信頼性の高い数値出力を提供します。すべての出力とレポートは、個々の要件に合わせて高度にカスタマイズ可能です。また、NAPA Steelの多彩な3Dインターフェース機能は、外部ソフトウェアとシームレスに接続することが可能です。 「NAPA Steelで作成したブロックモデルを他のソフトと連携させ、機器の配置設計に活用することを検討中です。」と三重野氏は話します。今後は、NAPAのソフトウェアからエクスポートした3Dブロックモデルを活用して、仮想造船所での造船工程のシミュレーションを行う予定です。 川越氏は「NAPAのソリューションを使って3Dモデルを構築するのは、複雑なことではありません。習得は簡単で、とても直感的です。」と話しています。 また、3Dモデルを3Dプリンターで出力し、初期検討時の社内コミュニケーションや、船の完成後にお客様への贈り物として活用していますと、基本設計課課長代理の山本隆史氏は語っています。 NAPA の 3D モデリングおよび設計機能は、この業界で最も強力なものです。NAPAデザインソリューションズのビジネス開発ディレクターである益井崇好は、「私たちは30年以上にわたり、総合的な船舶設計の知識と幅広い技術力を結集し、お客様が設計する船舶が、安全かつ競争力があり、性能を最大限に発揮できるようにしています。」と述べています。 興味がおありですか? 船舶設計のNAPAソリューションで、設計プロセスを改善することができます。 詳しくはお問い合わせください。
Read Article11月 17, 2022
【顧客事例:サムスン重工業様】NAPAを活用し、新しい浮体式洋上風車の開発を実現
サムスン重工業(SHI)社の研究開発センター(SSMB:Samsung Ship Model Basin)は、形状・構造モデリング、FEMモデル作成、復原性計算等にNAPAの設計ソフトウェアを使用したことで、”Tri-Star Float”モデルを開発し、風力発電市場に参入することができました。 日本語で詳細をご希望の方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。
Read Article2月 18, 2022
【顧客事例:Marine Design and Consulting様】革新的なエコ船舶設計の推進にNAPA設計ソフトウェアを利用
MDC社はNAPA設計ソフトウェアを使用し、3Dモデリング、復原性計算を行うことで、効率的かつ正確に多様な船舶を設計し、複雑なクリーン・テクノロジーの改造プロジェクトで顧客をサポートしています。 背景 Marine Design and Consulting 社 (MDC)は、数十年の経験を持つ熟練の造船技術者のグループによって2015年に設立されました。 MDCは設立以来、タンカーやバルカーなど、さまざまな商船の船舶設計や船舶工学を支援してきました。MDCは、Sea-Cargoプロジェクトなどのクリーンテクノロジーによる改造プロジェクトの設計に携わることで、海運の温室効果ガスのネットゼロへの移行を支援しています。 MDCは、複雑な造船工学を支援する設計プロセスにおいて、設計ツールとしての効率性と柔軟性から、NAPAを使用しています。MDCは特に、形状モデリングと船舶復原性の計算のためにNAPA設計ソフトウェアを導入しました。 挑戦 MDCは、革新的な設計プロジェクトのサポートのために、3Dモデリングのソフトウェアを必要としていました。そのソフトウェアは、さまざまな商船の設計や、クリーンテクノロジーの改造プロジェクトをサポートするために、非常に柔軟でカスタマイズされたものである必要がありました。 MDC社の造船技術者達は、2015年の設立時に船舶設計ソフトを選定する必要がありました。NAPAを選定した理由は、彼らが設計NAPAシステムを熟知し、高く評価していただけではなく、その多様で複雑な設計プロジェクト対応できる可能性と時間短縮が可能であるためです。 具体例を挙げると、Norsepower社の傾斜型ローターセイル2基の搭載と蓄電システムの設置によるSC Connectorの改造設計をSea-Cargo社から依頼されました。この種のプロジェクトでは、船舶復原性に関する船級規則や規制がまだ定められていないため、MDCは復原性計算の方法と使用すべき復原性の要件を決定するために役立つソフトウェアを必要としていました。このプロジェクトの第一段階では、MDCは船級協会であるDNVと規制や復原性の基準について、またNorsepower社とはどのような風力条件を適用すべきかについて、それぞれと緊密な対話を開始しました。このプロジェクトの成功は、船体や支持構造の有限要素解析など、広範囲に及ぶ船舶工学が重要になってきます。また、基礎や傾いたローターセイルは、船体運動や慣性荷重、極端な風や海の負荷の解析や計算結果を入力し、正確な予測が必要でした。 多くの関係者が議論に参加し、設計プロセスも真新しく定まっていなかったため、MDCは効率的で正確かつ柔軟な設計ソフトウェアを必要としました。 NAPA Solution MDCの造船設計者達は、前職で20年以上NAPAと仕事をしていました。NAPAはMDCと緊密に連携し、形状モデリングと船舶復原性計算からなるカスタマイズパッケージを提供し、ビジネスの設計ニーズに応えました。 NAPAの迅速な対応、専門知識、設計ソフトウェアのプログラミング品質により、MDCの革新的な設計プロジェクトのすべてを実現することができました。特にSea-Cargo社の設計プロジェクトでは、NAPAの技術者が、ローターセイルの設置や安全な運用のために考慮すべき規則や、高度な設計計算の定義づけを支援しました。 ローターセイルに関する方法論と計算は、安全な船舶復原性を示す十分な根拠となり、DNVにも認められました。設計NAPAシステムを使って、MDCは世界初の傾斜可能なローターセイル搭載の設計を行い、同性質のプロジェクトに新標準を設定することができました。また、NAPAはその専門的な知識を活かし、プロジェクト期間中にMDCにコンサルティングを提供しました。 MDCは、今後も設計NAPAシステムを活用し、画期的で新しい設計プロジェクトを進めていきます。環境規制の強化に伴い、船舶設計が進化し、新しい技術を展開するために設計も新しい領域に入っていく中で、柔軟で、信頼性が高くかつ迅速で、専門家のサポートを受けられるソフトウェアを設計者が使用することが、これまで以上に重要になっています。 「私は、造船技師として20年以上NAPAを使用してきました。NAPAは、無限の可能性を秘めた高度なソフトウェアです。 NAPAを使用することで、MDCのような小規模な設計会社が革新的な設計を実現する大きな可能性を秘めています。Sea-Cargo社との設計プロジェクトにおけるNAPAのサポートは、レスポンスの良さと、新しい課題を『掘り下げ』、解決策を見出そうとする意欲の両面において、非常に優れたものであった。」 – Marine Design and Consulting AS社 Senior Naval Architect and Partner, Leif Helle Becker氏, 結論 NAPAの緊密なパートナーシップと機動的な設計システムにより、MDCは革新的で画期的な設計プロジェクトを完成させることができました。また特筆すべきは、Ro-Ro船に傾斜可能なローターセイルを設置したSea-Cargoのプロジェクトでは、それまで定義されていなかった船舶復原性の新基準を設定するためにMDCをサポートしたことです。 お問合せ先: NAPA Japan株式会社 T: 078 325 2160 E: japan@napa.fi
Read Article1月 12, 2022
【顧客事例:DORIS Engineering SAS様】 NAPAの柔軟性とスピードで業務改革を実現
海洋構造物の設計のスペシャリストであるDORIS Engineering SAS社は、NAPAソフトウェアを使用して設計プロセスを加速させ、顧客に競争力のある技術サービスを提供しています。 日本語で詳細をご希望の方は、下記よりお気軽にお問合せ下さい。
Read Article12月 13, 2021
【顧客事例:現代重工業様】3Dによる構造設計プロセスの革新の取り組み
NAPA Steelの導入により、設計者がより機敏で洗練されたプラットフォームで共同作業を行うことで、設計プロセスを効率化します。 (写真下)提供:現代重工業 Background:背景と概要 2016年、世界最大の造船所である現代重工業(HHI)社は、3Dモデルに基づく船舶構造設計ツールであるNAPA Steelを構造設計部門に導入しました。 これはHHI社にとってパラダイムシフトであり、2D図面ベースのプロセスからの移行を促進するものでした。NAPA 3D構造モデリングの直感的な操作性により、ユーザーは船舶全体に対して1つの柔軟な3Dモデルを作成することができました。HHI社は、船級協会の規則チェック、承認図面の作成、FEモデルの作成、重量計算、その他多くの業務など、構造設計プロセス全体で、これらの3Dモデルを活用しました。 NAPA 3Dモデルと構造設計の各種データや図面を連携させることで、設計品質が向上するとともに、共通情報の共有化や更新作業の簡素化により、人的エラーの発生確率が減少しました。 Challenge:課題 それ以前のHHI社の設計プロセスは、従来的な2Dアプローチに基づいていました。このアプローチでは、2D図面が異なる関係者間の情報共有の中心的役割を果たしていました。例えば、規則チェックやFEモデルの担当者間の手作業による情報交換を、2D図面が仲介していました。 このプロセスは親しまれ、長年の実績がありました。しかし2016年、HHI社は、世界中の他の多くの造船会社と同様に、変化する規制や進化する船主要求に応じるために、まったく新しい船の設計を行い、設計プロセスを一新しなければならない状況に直面しました。そのためには、より高度な設計ソフトウェアが必要となりました。 NAPA solution:NAPAによる解決策 長い評価期間を経て、 NAPA Steel は大きなメリットをもたらしました。 1つの統合されたデータベース 重量、塗装面積、溶接の長さなど、あらゆる船体情報を含む すべてのユーザーが同じ情報を利用できる FEモデルと船級ソフト用の入力データの抽出が容易である 承認図面の作成が容易である 柔軟なモデル 設計パラメータ、船型、フレーム間隔、主要部材を簡単に変更できる 最適な船体構造の設計のための設計案を素早く検討できる 情報共有 他部署での3Dデータの利用が可能である(詳細設計、艤装設計など ) 複雑な構造を直感的に理解できる3Dビューワ 設計プロセスへの対応 柔軟な設計ツールにより、契約前の段階で3Dモデルの作成が可能である 船の契約交渉時に、重量推定などに活用できる Results:成果 2016年に実施されて以来、NAPAとHHI社は常に設計プロセスを見直し、改善し、NAPAの最も効果的な使用方法を共同で模索してきました。その結果、目覚ましい成果が得られました。 HHI社は、新造船プロジェクトにおいて、FEM、図面作成、船級計算にかかる貴重な設計工数を削減することができました。 具体的には、DNVの規則算式ソフトのための形状、板、骨材などの情報は、NAPAに切り替える前はすべて手作業で入力する必要がありました。NAPA Steelを使用すると、NAPA Steelモデルから規則計算用の断面情報をほぼ自動的に、最小限の修正で作成することができるようになりました。 同様に、2D図面ベースのプロセスでは、設計者が設計変更に伴う重量変化を見積もることは困難でした。これが今ではNAPA Steelで簡単にできるようになりました。 また、図面間の不整合を、より早く正確に解決することで、作業の質も向上しました。更に、次の設計段階(詳細構造設計)に正確な設計情報を伝えることができ、詳細設計からの改善やフィードバックの反映が容易になったことも、NAPA Steelの効果です。 結果として、これによりHHI社は3Dモデルベースの承認の実現に大きく近づきました。この承認方法は、造船所、船級協会、ソフトウェア会社から、船舶設計に不可欠な進化であると認識されています。最近、NAPAがICCASに寄稿した論文によると、3Dモデリング、2D図面、ルール計算、直接強度計算といった異なる段階で設計作業が分断されていることに起因する特有の問題があることがわかりました。設計者は、修正が発生するたびに、すべての段階で修正を行う必要がありました。同様に、構造設計者は各段階で異なるソフトウェアを使用する必要がありました。そのため、作業量が増えるだけでなく、複数人で違うソフトを使い分けて作業をしなければなりませんでした。また、3D CADモデルと規則チェック用モデルの間に不一致が生じていました。つまりは、構造設計者がプロセス全体を把握できなくなり、設計全体の最適化が困難になっていました。 Conclusion:結論 結局のところ、3D設計と2D規則チェックを分業して進める従来的な方法は、船舶設計者による設計の可能性を制限してしまうことになります。それは設計プロセスに不必要な摩擦をもたらし、別々のチームが別々のソフトウェアを使って別々のモデルに取り組むというサイロ化した作業を助長します。船は3次元の物体であり、それに合わせて設計や評価を行う必要があります。そして、3Dモデルベースの承認への移行は、これをはるかに容易にします。 3DモデルをHHI社の設計プロセスに完全に統合し、さらなる効率化を実現するには、まだ長い道のりがあります。現在の3D設計プロセスにおける課題のひとつは、船級協会や船主など他のステークホルダーが依然として2D図面を使用していることだとHHI社は考えています。図面は、未だ船主や船級協会からの設計承認の基礎となるものであり、しばらくは3D設計プロセスの中にとどまることになります。HHI社とNAPAは、3Dから簡単に図面が作成できることに加え、まずは船級協会と協力して、3Dモデルに基づく完全な承認プロセスを確立することを目指します。 HHI社は、3D設計プロセスのパラダイムシフトを加速させていきます。今後の道筋は明確です。3Dモデルベースの構造設計を採用することで、大幅な時間短縮とエラーの減少を実現し、HHI社はより合理的で強固な設計プロセスへの道を歩んでいきます。 HHI社の事例の概要 Background :背景 と概要 HHI社は、さらに複雑化する船舶設計に対応するため、よりダイナミックで機動的な3Dモデリングツールを求めていました。3Dモデルに基づく船舶構造設計ツールであるNAPA […]
Read Article9月 6, 2021
【顧客事例:Fincantieri様】一歩先を行くNAPA利用
FiFincantieri 社は、世界有数の造船所です。1995年以来、同社はNAPAを利用して設計プロセスを効率化してきました。長年培った弊社との協力関係をてこに、今日も技術革新を推進しています。 Fincantieri 社は、競争に打ち勝つために、18年間にわたりNAPA Steelをどのように活用してきたのでしょうか? 日本語で詳細をご希望の方は、下記よりお気軽にお問合せ下さい。
Read Article8月 25, 2021
Neste社、NAPA Voyage Optimization導入によりサステナビリティを向上
持続可能な燃料サプライヤーであるNeste Corporationは、NAPA Voyage Optimizationソフトウェアを使用して、燃料効率の大幅な向上とそれに伴う排出量の削減を達成しました。 デジタルツールによる船舶運航の最適化 Neste社がCO2排出量の削減を目指す方法のひとつに、デジタルツールを導入して船舶のパフォーマンスと船舶物流を改善し、船舶のチャーター、スケジューリング、モニタリングの最適化があります。これは排出量とコストを削減する上で重要です。 Neste社では、定期チャーター船の多くが荷役のために港に滞在する時間が約40%を占め、港での待ち時間が大きな問題となっていました。そこでNeste社は、JIT(Justi-In-Time arrival)、スピードの最適化、航海ルートの最適化など、あらゆる面で船のオペレーションを最適化するソリューションを求めていました。JITとは、船の速度を一定に保ちながら航海することで、燃料消費量を大幅に削減する方法です。世界的に見ても、「Rush to Wait」と呼ばれる、海を渡った後に港で待つという現象は、年間180億ドルもの不必要な燃料消費の原因になっていると言われています。 NAPA Voyage Optimizationは、気象データや代替ルートなどのリアルタイムデータを分析することで、CO2排出量の削減やコスト削減を実現してきた実績があり、Neste社が最も適したウェザールーティングソフトウェアとして選定しました。 日本語で詳細をご希望の方は、下記よりお気軽にお問合せ下さい。
Read Article6月 10, 2021