NAPA Studios 始動 船舶のエネルギー転換をデータ主導で加速
NAPA Studios は、船舶の設計と運航における安全性、経済性、環境性、効率性に関する課題解決に向け、必要なデータに基づく支援を提供し海運業界の要望に応えます。 ヘルシンキ、2024 年 2 月 28 日 – 海事ソフトウェアおよびデータサービスのグローバルプロバイダーである NAPA は、新たに NAPA Studios の発足を正式に発表いたしました。NAPA Studios では、海事産業が直面する船舶設計と運航上の様々な課題に対して、新たなデータに基づいた知見を提供し、業界横断的なパートナーシップの促進を目指します。 この取り組みは、NAPA の広範囲にわたるデジタル技術と海事専門知識を活用して、船舶のエネルギー転換を含むいくつかの重要な課題の解決を支援するものです。これには、船主、傭船者、造船所、船級だけでなく、金融機関や保険会社などからのデータと業界の専門知識を集結させ、新技術や契約の実用的な影響についての理解を深め、ネットゼロへの移行に必要とされる新技術と運用の枠組みを開発する共同プロジェクトを推進します。 さらに、NAPA Studios は、NAPA の設計と運航の高度なソフトウェア、パフォーマンスモデル、デジタルツインおよびシミュレーションツール開発の知見を活かし、造船所、船主、用船者、およびその他のサプライチェーン関係者と直接協力して、個別にプロジェクトを調整し推進します。例えば、この取り組みにより、造船所は竣工後の実海域での運航データをさらに活用して、将来の設計に活用することができます。他にも、船主や用船者が自社保有船の環境性能、GHG 排出量削減、運航コスト削減可能性を評価するための支援を行います。航路最適化システム、風力推進装置、クリーン燃料などの新技術の導入が船の安全性、運用、貨物容量に与える将来の影響について、データに基づく検証結果を提供することで、 新たな省エネデバイス搭載された後の船の実海域での性能検証等にも幅広く活用することができます。 NAPA Studios の立上げについては、NAPA が携わった直近の協働によって、成功を収められたことで、正式に採用となりました。これには、Norsepower および住友重機械マリンエンジニアリングとのローターセイルと航海最適化を組み合わせた排出削減効果を評価するシミュレーションの研究、日本海事協会および丸紅との共同研究プロジェクトなどが含まれます。後者のプロジェクトでは、航路最適化システムを活用することで GHG 排出量を約 7.3%削減し、CII 値を最大 3 年間、維持できることが判明しました。 また、30 社以上の企業と組織が集まる業界横断的なプロジェクトである Blue Visby プロジェクトは、「速く航走して沖待ちする」という既存の「Sail Fast, Then Wait」(SFTW)の課題に取り組むことで、海上輸送に伴う CO₂排出量削減を支援しており、これも NAPA の技術によって支えられています。 NAPA Studios 代表である、水谷直樹は以下のようにコメントしています。 「NAPA は、過去 35 […]
Read Article2月 28, 2024
TA-HO Marine Corporation (達和航運)、GHG排出削減とフリート管理の向上を目指してデジタル化に投資
運用プロファイルの最適化で4%の燃料削減を実証、更なるサステナビリティを加速
Read Article2月 2, 2024
HD現代重工業、NAPA、CADMATICがデジタル・シップヤードの開発に向け協働
世界最大級の造船所と海事業界を牽引するソフトウェア・プロバイダーの協働により、船舶の設計・建造のプロセスのデジタル化・合理化が進み、海運の脱炭素化への移行支援に必要とされる技術革新が、今後より迅速に実施できるようになります。 2024年1月17日、ウルサン、ヘルシンキ、トゥルク – 世界最大の造船所であるHD現代重工業は、造船業界のデジタル化に向けた変革を加速させるため、機能性の高い3D海事設計・エンジニアリング・情報管理ソリューションで業界を牽引するプロバイダーであるNAPAおよびCADMATIC社との共同開発プロジェクト(JDP)を発表いたしました。 当共同プロジェクトは、次世代の船舶設計の開発を促進するもので、製品ライフサイクル管理(PLM)システムも組み込まれています。また当パートナーシップにより、高度な3Dモデルと最新の情報管理技術を活用し、より機能性の高い船舶設計ソリューションを実現することができます。 これは、HD現代重工業の企業ビジョンでもある「デジタル・シップヤード」の実現を支援するもので、高性能なデータとデジタル・ツインの双方向で、設計の初期段階から建造・生産に至るまでの一連のプロセスの最適化を支援するとともに、さらに海上で運航する船舶の生涯を通じ、貴重な情報源を提供するものです。 今回の新たなパートナーシップでは、デジタル化とシームレスに統合されたソリューションの相乗効果により、大規模かつ複雑な造船プロジェクトにおいても、納期の短縮や、コスト削減、また品質向上など、造船所にとってより高い作業効率の実現を目的としています。当プラットフォームでは、造船所のさまざまな部門での協働をより強化し、船舶の設計・建造プロセスに関わる数百人(もしくは数千人)間の情報アクセシビリティの大幅な向上に役立てられることになります。その目的は、建造プロセスを最適化することで、生産性向上と安全運航を実現し、人的ミスを回避し(より正確な)設計を可能にすることにあります。 また、船舶の設計・建造プロセスをデジタル化・最適化することで、HD現代重工業は、脱炭素化を支える革新的なエネルギー効率設計に対する船主の高い要望に応えるべく、代替燃料や電気推進、風力推進などの新技術を搭載した船舶を含む次世代船舶を提供する能力を強化しています。 今回の合意に基づき、NAPAとCADMATIC社は、造船に係る、初期設計、詳細設計、生産設計、さらに最新の3Dベースの建造コラボレーションや製品ライフサイクル管理(PLM)を含む情報管理など、両社の造船に関する幅広い専門知識を結集していきます。両社のソフトウェア・プロバイダーが持つ技術的強みと、創立51年で300社以上の船主に2,300隻以上の船舶を納入してきた世界最大級の造船所としてのHD現代重工業の事業経験が融合されることになります。 HD現代重工業のSeung-Ho Jeon CTOは、以下のようにコメントしています。 「HD現代重工業は、FOS(Future of Shipyard)ビジョンを通じて、現在、デジタル・シップヤードの構築を推進しています。船舶の設計・建造プロセスにおけるデジタル化の実現は、造船所のデジタル化の重要な分野と見ています。今回の共同プロジェクトを通じて、デジタル・シップヤードの実現に向け、次世代型のより効率的かつ高性能な設計システム開発に大きな期待を寄せています。また次世代型のインテリジェント設計システムの導入は、設計とデジタルツインの情報提供プロセス全体の効率を高め、顧客が求める革新的な設計の提供に役立てられていると見ています。」 また、Jukka Rantala,CADMATIC最高経営責任者(CEO)は以下のように述べています: 「当共同プロジェクトは、デジタル化への時代に突入した造船業にとって重要な指標となります。それぞれの強みと専門分野を組み合わせることで、当協働が、造船業における設計や情報管理ツール等、それぞれの役割を強化でき、高度なデジタル化にシフトすることにより業界の業績を支える大きな機会となります。高機能な統合型設計で船舶のライフサイクルの管理を実施することにより、私たちは造船のプロセスを合理化し、大規模で複雑なプロジェクトにおけるコラボレーションと情報アクセシビリティを強化でき、またビジネスの成功に向けた支援が実行できます。」 また、Mikko Kuosa,NAPA CEOは以下のように締め括っています。: 「新燃料と新技術が船舶設計プロセスにおいて、かつてない複雑さをもたらす中、海運の脱炭素化は造船所にとって多大な変化をもたらしています。こうした状況下、情報共有と関係者間での協働をより促進し、より合理化された作業プロセスを整備することで、より迅速な変革が実現可能となります。その結果として、海上輸送における“NET ZERO”の指標に見合う、次世代船舶を創出することが不可欠となりますが、これを達成するために、造船所、造船に携わる技師やエンジニアに適切なツールを提供することが重要であり、デジタル機能を活用することで、チームがより効率的に作業を行い、新たな技術的領域を共に探求しながらシームレスに協働できる仕組みを構築していかなければなりません。」 – ENDS – 追記 現代重工業(HD現代)について 1972年3月23日、故Chung Juyoung会長によって設立されたHD現代重工業(HHI)は、1974年6月に26万DWT級のVLCC2隻を完成させ、世界最大の造船所として、造船史上に大きな功績を残しました。以後、設立から10年で瞬く間に世界トップの造船所に上り詰め、 その後も世界の造船市場でトップの座に君臨しています。また同社では、造船事業で培った技術力を基盤に、海洋プラント事業やエンジン機械事業への進出など、多角化を進め、50年以上にわたり世界的な総合重工業へと変貌を遂げてまいりました。HD現代重工業は、高効率で環境に配慮した船舶とデジタルソリューションの開発を通じ、日々刻々と変化を遂げる海事市場を牽引し、海事・海洋産業における無限の可能性を解き放しつつ、今後も世界人類の未来を切り拓いてまいります。 CADMATIC社について CADMATIC社は、海洋、電力、プロセス、建設業界向けの高いデジタ技術で高性能な3D設計および情報を管理するソフトウェアソリューションのリーディングデベロッパーです。船舶、産業用プラント、建物の設計、エンジニアリング、建設、運用をより良く、より速く、より簡単にすることで、エンジニアに明るい未来とより良い世界を築く力を与えます。CADMATIC社は、世界60カ国に6000以上の顧客ネットワークを持っています。 www.cadmatic.com NAPAについて NAPAは30年以上の歴史があり、船舶の設計と運航のためのソフトウェアとデータ・サービスを提供するリーディング・カンパニーです。フィンランドに本社を置くNAPAは、造船、船舶の運航、デジタル・サービスの専門知識を兼ね備えた200名のエキスパートを擁しています。NAPAは日本、韓国、中国、シンガポール、米国、ドイツ、ギリシャ、ルーマニア、インドに拠点を構え、グローバルに事業を展開しています。 新造船の90%以上がNAPAの顧客によって建造されており、NAPAの船舶設計ソフトウェアは造船における世界的なデファクトスタンダードとなっています。さらに、NAPAは客船の復原性管理と安全データサービスのマーケットリーダーであり、船舶性能解析と運航最適化のためのクラウドベースのソリューションは、海運の脱炭素化に向けた取り組みを支援しています。 詳しくはこちらのページをご参照ください: www.napa.fi
Read Article1月 18, 2024
Blue VisbyがNKのInnovation Endorsement (IE)を取得
日本・東京ー2023年11月27日 –海事プレス(ニュース ー 海運<経営・全般>)にて、NAPAが技術供与し、30社機関以上からなる海事脱炭素の取り組むBlue Visbyが日本海事協会(NK)のInnovation Endorsement (IE)を取得したことについて掲載されました。ぜひご覧ください。 ブルー・ヴィスビー・サービスが開発した、デジタル技術を活用して船舶の目的地到着時間を最適化する統合プラットフォーム「Blue Visby Solution」が、革新技術を対象とした日本海事協会(NK)の認証制度「イノベーションエンドースメント」の製品・ソリューション向け認証を取得した。NKが24日に発表した。 Blue Visby Solutionは、速く航海して目的地の近くで沖待ちをする船舶の運航方法「Sail Fast, then Wait(SFTW)」の慣習を是正し、「ジャストインタイム」到着の実現を目指す統合プラットフォーム。技術基盤と契約上の枠組みを組み合わせて構成され、航海を体系的に最適化することで、温室効果ガス(GHG)排出量を約15%削減することが見込めるという。港湾の混雑状況、天候、同じ港湾を目指す他の船舶の位置や進路を考慮し、環境的に最適な到着日時を船舶に提供する。提供される目標到着日時に合わせ、各船はそれぞれ、気象に応じた航路決定や航海計画ソフトウェアの使用が可能。このプラットフォームは、個船の航海ではなく、Blue Visby Solutionに参画するフリート全体の航海に伴う環境負荷の最適化を図ることを目的とする。 NKはBlue Visby Solutionの開発を通じて船舶のGHG排出量削減を目指すコンソーシアムに加盟しており、その技術基盤の検証の役割を担った。このほど、Blue Visby Solutionについて、港湾のキャパシティと各船の性能に基づき、環境上最適となる目的地への到着日時を決定し、割り当てる技術・運用プラットフォームの機能に加え、Blue Visby Solutionへの参画、コストと利益の配分、ルール管理に関わる契約手法を確認し、認証証書を発行した。 *海事プレスから転載の許可を得ています。 海事プレス プレスリリース:https://www.kaijipress.com/news/shipping/2023/11/180052/ PDF:NKの革新技術認証を取得 ブルー・ヴィスビー、船舶到着時間最適化のシステムで_ 海運<経営・全般> _ ニュース _ 海事プレスONLINE 海事プレスURL :https://www.kaijipress.com/ Blue Visbyについて、詳しくは下記の関連記事もご覧ください。 NAPAのデジタル技術を活用し、”Sail Fast, then Wait”(速く航走して、沖待ち)を防ぎ、海運のCO2排出量を削減する新たな協業を推進 デジタル技術活用で船舶CO2削減 丸紅、NAPAらのコンソーシアム参画 データを活用した公正なソリューションで”Sail Fast, then Wait”(速く航走して、沖待ち)を解決し、排出量を削減 NAPA、BlueVisby コンソーシアムへの日本政策投資銀行の加盟を歓迎 ~金融機関としては初の加盟~ インタビュー掲載 Blue Visby計画、契約形態なども議論
Read Article12月 5, 2023
Anthony Veder社 NAPA Logbook導入で船上のレポート業務を容易にし、船隊全体の効率性と持続可能性を強化
電子ログブックはレポート業務を合理化し、船員の作業負担軽減と同時に、安全性と効率性を高めるための業務最適化に役立ちます。 2023年11月28日 ヘルシンキ, フィンランド:海事ソフトウェアとデータサービスのプロバイダーであるNAPAは、世界有数のガス船会社である Anthony Veder社と、次世代の電子報告およびデータ統合システムである NAPA Logbook を同社の所有船全隻に導入する契約を締結しました。船上でのデジタル化を強化することで、このパートナーシップは船員の報告を効率化し、同時により高い安全性と持続可能性向上に貢献します。
Read Article11月 29, 2023
SDARI、BV、NAPAの共同プロジェクトが3Dモデルベース船級承認の利点を検証
2023年11月20日:世界的な試験、検査、認証のリーダーであるBureau Veritas(BV)、上海船舶設計研究院(SDARI)、そして海事ソフトウェアおよびデータサービスのグローバルプロバイダーであるNAPAは、3Dモデルによる船級承認を可能にする共同開発プロジェクト(JDP)の第一段階を完了しました。 プロジェクトでは、設計者が提供した3Dモデルを直接利用し、複数の変換を必要とする従来の2D図面に基づく従来の船級レビューではなく、3Dモデルに基づく承認(3D MBA)の実現可能性が確認されました。この取組みの目的は、設計プロセスの効率を向上させ、時間とコストを節約すると同時に、造船所、船舶設計者やエンジニア、船主、そして船級協会など、設計に関わるすべての関係者間の精度とコミュニケーションを向上させることです。
Read Article11月 22, 2023