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効率を追求:VARDが10週間で実現した3D船舶設計

VARD Design & Engineering社のチームは大きな課題に直面しました:彼らは典型的な構造設計時間を3分の1に削減し、契約締結から船級承認 までを10週間で終えることができるでしょうか? NAPAの3Dベースのツールを駆使して、賢く、創造的に、そして協調的に働くことで彼らはこの難局を打開しました。彼らがどの様に速度と精度を両立させて大成功に導いたかをここで紹介します。

VARD社が設計したコミッショニング・サービス・オペレーション船(CSOV)

造船業界は変化の最中にあります。よりクリーンで安全であることを求める規則強化により、船舶の設計はしばしば急進的な革新を強いられます。納期も短縮され、その結果、設計者はより多くのことをより少ない時間で行わなければならなくなっています。

この様な状況により、伝統的な直線的な設計プロセスでは対応が難しくなり、より早い段階で設計を確定させることが必要になっています。そして、デジタル3D環境上のモデルという「信頼できる唯一の情報源」にアクセスでき、様々な分野の検討を同時に行うことを可能にする新世代の設計ツールが要求されるようになりました。

NAPAは、構造設計を含む一連のツールを先駆的に業界に提供してきました。これらのツールがどのように構造設計プロセスを変革し、加速させることができるかは、 VARD Design & Engineering社のチームが10週間で船級承認までを完遂させた事例によって示されます。これは通常のプロセスから4週間から6週間も短い期間です。

分散型および協調型エンジニアリング

VARD社は難局を好機に変えました。同社は、オフショア再生可能エネルギー分野向けに4 19シリーズの設計をベースにした風力推進船を提供するビジネスチャンスがありました。しかし、同社の造船所の建造スロットで利用可能なものは、船級承認までを完遂させるための時間を考えると理想的とは言えませんでした。同スロットで建造するためには、通常の14-16週間から10週間に設計期間を短縮する必要があったのです。この様な期間短縮を実現するためには、設計チームと船級協会の双方の創造的な思考と協力が必要で、このようなニーズが協調型の効率的なプロセスを実現する不可欠な基盤になりました。

VARD社の主要なエンジニアリングオフィスはノルウェーのÅlesundにあり、11カ国に合計22の拠点を持っています。拠点と専門部門が地理的に広範に分散しているため、VARD社は分散エンジニアリングモデルを運用し、特に時間的制約が厳しい場合には機敏に対応できるようにしています。例えば、10週間で風力推進船を提供するために、クロアチアの設計オフィスのエンジニアがÅlesundに飛んで一連のタスクを完了させるのと並行して、ルーマニアのTulceaのエンジニアリングオフィスのスタッフがモデリング作業を行いました。

デジタルツールの中心的役割

NAPAの構造設計ソリューションは、初期段階から、事前調整に必要な構造細部を含む3Dモデルを容易に作成できます。機械部門と配管部門の担当者は並行して作業を行うことができ、必要に応じて船の構造は随時変更されます。

NAPA Designerで作成した構造設計モデル

「私たちはNAPAという3Dツールを用いることによって、船を大きな視点からでも詳細レベルからでも見ることができます。それにより、私たちはÅlesundにいながら状況をよく把握でき、現場の造船所で問題が発生する前に見つけることができます。」— Lina Austigard、VARD Design & Engineering社のシニアエンジニア

 

VARD Design & Engineering社のLina Austigard氏, Senior Engineer

Austigard氏は、時間のプレッシャーが高まる中で、詳細設計を早期に開始できることが重要な利点であると強調しています。

NAPAはその様な設計の早期開始を実現できます。2Dでは必ずしも捉えられない欠陥、例えば、整合性が取れていない箇所や、現実にはありえないような区画などを見つけることができます。

個別要望を把握する

船級承認の所要時間である典型的な14-16週間の場合でも、詳細な作業を行うために設計チームと造船所とのコミュニケーションは多く必要となります。実際の建造船の開発にはさらに多くの時間が必要で、姉妹船であっても大きな差異があることがあります。

同じ市場向けであっても、異なるクライアントからは異なる要求を受けることがあります。例えば、風力推進船は通常、大きなと少なくとも一つの大きなクレーンが装備されますが、クライアントごとにギャングウェイの種類、使用方法、クレーンや他の機器の数についてこだわりがあります。また、宿泊施設に関しても、何人が船上で生活し、どのような居住水準とするのか、という点でも異なる要件があるかもしれません。

VARD社が設計したコミッショニング・サービス・オペレーション船(CSOV)

「新しいタイプの燃料への対応を志向するクライアントがますます多くなっています。私たちは、将来的に新しい燃料への改装を可能とする“新燃料対応準備済み”船を建造しています。」とAustigard氏は言います。

NAPAとのパートナーシップ

Austigard氏が NAPA User Meeting 2023 においてVARD社のNAPA活用の歩みを講演

NAPAチームとの密接な関係も、重要な成功要因の一つです。特に、NAPA Steelの導入後の最初の数ヶ月間には、トレーニングビデオやスクリプトの提供を含む適切なタイミングのサポートのおかげで、VARD社は課題を解決するために必要なスキルと自信を早期に得ることができました。新設計の品質と性能を保証する必要がある中、NAPAとのこのような関係が時間短縮の取り組み強化の中心的な役割を果たしています。

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