October 27, 2026
NAPA User Seminar Korea 2026: 釜山で過去最多の参加者数を記録
2026年9月、世界有数の造船産業の中心地である釜山で、毎年恒例のNUSK(NAPA User Seminar Korea)がNAPAコミュニティを一堂に集めました。今年のイベントには約140名の専門家が参加し、セミナー史上最大の参加者数となりました。テーマは「Transforming the Future of Ship Design (船舶設計の未来を変革する)」です。

戦略的な転換点にある産業と向き合う
世界の船舶受注残は17年ぶりの高水準にあり、既存船の17%に相当します。造船業は世界各国の政府にとって戦略的な優先課題となっており、韓国独自の「K-Shipbuilding Future Vision」、欧州連合の「Industrial Maritime Strategy」、日本の「造船業再生ロードマップ」などがその例です。船舶設計者にとっては心躍る局面ですが、好機と圧力は往々にして同時にやって来ます。
基調講演の冒頭では、今日の船舶設計を変えつつある4つの力が示されました。設計の複雑化、設計フェーズ間の分断、経験豊富な船舶設計者の減少、そして脱炭素化がもたらす現実の商業的コストです。これに対するNAPAの答えには一貫した流れがありました。NAPA DesignerとNAPA Engineerによって複雑さを明確なものへ、NAPA Steelによって分断を統合へ、統合AIソリューションであるNAPA Navigatorによってスキル不足を生産性へ、そしてNAPA Operational Simulationによって設計上の判断を実環境での性能へと結びつける、というものです。
多様な造船ニーズに応える柔軟なツール


例年同様、今回のセミナーで最も価値ある部分の一つは、NAPAのお客様やパートナーに講演の場を設けたことでした。Lloyd’s Register社は、3D設計ワークフロー内でのリアルタイムな規定型評価を発表しました。Hanwha Ocean社は、NAPA Engineer上に構築したコンテナ積付状態の自動生成システムを紹介し、HD Hyundai Heavy Industries社は、積付状態の管理、潜水艦の設計と復原性解析、コンテナ船のFEメッシュ生成について発表しました。Samsung Heavy Industries社は、2D図面作成の効率化に関する取り組みを紹介し、セッションを締めくくりました。
NAPAとSamsung Heavy Industries社の協力関係はさらに深まっています。最近の覚書(MOU)に基づき、SHI社はNAPA Operational Simulationを用いて、同社の風力補助推進システム「SAVER Wing」のデジタルツインを構築する計画です。Operational Simulationを通じて、NAPAは船舶のデジタルツインを構築し、運航性能をより早い設計段階でどのように設計へフィードバックできるかを、お客様とともに探ることを目指しています。
各講演が取り上げた課題はそれぞれ異なりましたが、それらに共通していたのは、基調講演を貫くのと同じ流れ、すなわち、造船会社、船級協会、設計チームがそれぞれのワークフローに合わせて形づくることのできるプラットフォームとしての、NAPAの柔軟性でした。
AIが主役に
釜山で披露されたあらゆる内容のなかでも、ひときわ印象的な場面がありました。近い将来のリリースが予定されている統合AIソリューション、NAPA Navigatorがライブでデモンストレーションされ、たちまちセミナーの話題の中心となったのです。参加者は、自然言語によってNAPAモデルを直接変更する様子を目の当たりにしました。船を数メートル延長する作業も、会話形式のコマンドだけで素早く行われました。正式なデモが終わった後も質問が途切れることはなく、休憩時間やその後のディスカッションにまで及びました。


ある参加者は、その場の様子を的確に言い表しています:
『AI Starting Point』という表現が心に残りました。特に、船の25年間の運航は造船会社で決まるというメッセージに深く共感しました。AIが単なるコマンドツールにとどまらず、船舶設計業務の進め方を変えうることを肌で感じました。”
活発な議論、素晴らしい雰囲気
公式プログラム以外でも、今年のセミナーを印象深いものにしたのは、そこに生まれた雰囲気でした。会話は長く続き、質問は鋭く、NAPAと韓国造船業界との交流は、セミナーというより同業者同士の作業セッションのようでした。過去最多の参加者数は意味のある数字ですが、それが生んだ議論の質こそが、私たちにとって最も記憶に残るものです。

こうした対話を通じて、共通の認識が一層強まりました。AIは生産性を高めるだけでなく、高度な設計ツールを、キャリアのあらゆる段階にある船舶設計者にとってより直感的で使いやすいものにすべきだ、という認識です。NAPAは、韓国の海事コミュニティとともにその未来を築くことにコミットしており、来年のセミナーでも対話を続けられることを楽しみにしています。