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日本・神戸 — 2026年10月7日

海事プレス(ニュース ー 造船・舶用)において、10月6~7日に開催した NAPA User Seminar Japan 2026 の記事が掲載されました。ぜひご覧ください。

船舶設計・運航支援システム大手のフィンランドのナパ(NAPA)は6~7日、神戸市内で「NAPA User Seminar Japan 2026」を開催している。ミッコ・クオサCEOは、日本が2035年までの建造量倍増を目指す中、熟練設計者の退職など人材不足への対応が課題になると指摘。「いかに速く生産性を高めるかが問題であり、設計、データ、デジタルツールが決定的な役割を果たす」と強調した。NAPAは人工知能(AI)を活用した設計支援を強化し、日本造船業の生産性・競争力向上を支援する。
 今年のセミナーは「Transforming the Future of Ship Design(船舶設計の未来を革新する)」がテーマ。NAPA Japanが神戸に事務所を構えて25周年となる節目で、60機関から156人が参加し、過去最大規模となった。
 クオサCEOは、この1年間の造船業界の最大の変化として「世界各国の政府が造船を戦略的な優先分野と位置付けるようになった」ことを挙げた。日本の造船業再生ロードマップによる2035年の建造量倍増目標に加え、韓国、欧州、米国でも造船業への政策的な取り組みが相次いでいると説明した。
 一方、日本では高齢化に伴い経験豊富な船舶設計者の退職が進む一方、若手技術者が不足していると指摘。建造量を倍増するためには、熟練者の知識を継承するとともに「一人一人の設計者の生産性を高める必要がある」とした。
 船舶設計を巡る課題として、設計の複雑化、工程間の分断、人材不足、脱炭素化の4点を挙げた。燃料費や排出コスト、性能保証、安全面など、船舶の25年間の運航に影響する要素が設計初期の判断に左右されると説明。将来は実際の航路や海象条件で船舶がどのような性能を発揮するかを設計段階でシミュレーションし、示す能力が「造船所の競争力を決める」との見方を示した。
 設計部門を率いるミッコ・フォース上級副社長は、AIを活用した設計支援ツール「NAPA Navigator」を紹介した。指示を基に設計ワークフローの自動化や知識検索、スクリプト、マクロの作成などを支援する。日本語での指示にも対応する。人材不足の中で設計者の作業を効率化し、生産性向上につなげる。
 AI活用では信頼性を重視する。ヤン・フルースタン・ビジネス開発ディレクターは、船舶設計では同じモデルと条件から毎回同じ結果を得る再現性が不可欠だと説明。NAPAのAI戦略について「設計者が主導し、AIが支援する」とし、AIを設計の「自動操縦」ではなく、設計者を補助するツールと位置付けた。
 NAPAが長年蓄積してきた3Dモデルや計算エンジンなど、信頼性を確立した既存技術を土台にAIを組み合わせる。AIは定型作業の自動化や設計案の検討、データの整合性確認などに活用する一方、安全性などに関わる計算そのものは既存の検証済み機能で処理する考えだ。
 NAPA Navigatorは「NAPA Engineer」と「NAPA Designer」に組み込み、年内の投入を予定している。利用する大規模言語モデル(LLM)はユーザー側で選択できる仕組みを想定しており、商用化に向けた料金体系などの詳細を詰めている。

クオサCEO

*海事プレスから転載の許可を得ています。
海事プレス記事:https://www.kaijipress.com/news/shipbuilding/2026/10/204731/
PDF:AI活用で船舶設計の生産性向上ナパ、日本造船の建造量拡大支援
海事プレスURL:https://www.kaijipress.com/

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