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NAPA、FLAREプロジェクトにてビッグデータを活用した座礁リスク解析手法の開発に取り組む

by Teemu Manderbacka, Lead R&D Engineer, NAPA Shipping Solutions

座礁事故の発生メカニズムを解析し回避するためには、ビッグデータをどのように活用すればよいのでしょうか。

この疑問に答えるべく、NAPAは、船舶の座礁リスク研究に関する欧州の産学連携プロジェクトthe FLARE project に参画しています。

欧州委員会によって設立されたFLAREプロジェクトでは、産業界、学界、政策担当者といった主要関係者が集められ、旅客船の安全性向上を図るべく、

ビッグデータを活用した船舶運航パフォーマンス評価手法の開発に関する、様々な先進的な取組が行われています。

 

FLAREプロジェクトには、旅客船の安全性向上を目指した様々なアプローチがありますが、その中でもNAPAの高度なモデリング技術とデータ解析ノウハウは革新的技術の一つとして挙げられます。NAPA Emergency ComputerNAPA Fleet Intelligence によるリスクベースの解析手法を用いることで、リアルタイムでの旅客船の座礁リスク評価と制御を可能にすると考えています。

 

旅客船では、衝突と座礁が海難事故の主な要因と言われています。過去のバルト海での過去の海難事故データによると、2014年から2017年の間に衝突は海難事故全体の約32%を占め、また座礁は全体の24.8%(153件)でした。

しかし、特に難易度の高いとされる運河通過時の運航パフォーマンス評価や、安全な航海と座礁リスクのある航海を区別するファクターを明らかにするには、従来の海難事故データベースを参照するだけでは不十分でした。

ビッグデータは、今まで到達しえなかったこうしたファクターを紐解く可能性を秘めているのです。

衝突や座礁に起因する重要ファクターを解明すべく、今までたくさんの統計的なアプローチによる研究は進められていましたが、ビッグデータのような統計的なアプローチはあまりされてきませんでした。

Analysis of the grounding avoidance behavior of Ro-Pax Ship in the Gulf of Finland using Big Data

Image from the research article Analysis of the Grounding Avoidance Behavior of a Ro-Pax Ship in the Gulf of Finland using Big Data

NAPAは、FLAREプロジェクトにてビッグデータ分析手法を開発し、船舶自動識別装置(AIS)データと、フィンランド湾での3年間の運航データを加味した大洋水深総図(GEBCO)のデータとを組み合わせることで、RoPax船の座礁回避時の挙動分析に適用しました。

今回開発されたデータ分析手法により、座礁に起因する重要なファクターを特定したり、座礁がもたらす船内への浸水リスクについても定量評価することも可能となります。

座礁回避時の挙動分析は、船の安全性向上に加え、船体運動シミュレーション、および座礁リスクの確率モデルの開発などにも寄与します。

より詳細な研究結果については、下記リンクをご参照ください。

Analysis of the Grounding Avoidance Behavior of a Ro-Pax Ship in the Gulf of Finland using Big Data

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