October 21, 2025
NAPAとInteroutes、航路最適化と専門家の知見を融合した「Expert Route Monitoring」を発表
NAPAとギリシャの Interoutes社(以下、Interoutes) が共同で、新しいサービス 「Expert Route Monitoring」 を開始いたしました。これは、NAPA Voyage Optimization の航路最適化技術に、Interoutesの船長・航海士による人的サポートを組み合わせた新しい航海支援モデルです。

フィンランド・ヘルシンキ 2025年10月21日:海運業界向けソフトウェアおよびデジタルサービスを提供するグローバル企業 NAPA は、航路最適化とウェザー・ルーティングの専門企業 Interoutes とともに、新サービス「Expert Route Monitoring」を発表しました。本サービスは、NAPAのウェザー・ルーティングソリューションであるNAPA Voyage OptimizationとInteroutesによる専門家のサポートを組み合わせることで、船長やオペレーターに対し、航海全体を通じてきめ細やかな支援を行います。
船長は陸上の専門家との直接コミュニケーションを通じて、リアルタイムで最適化された航路計画と最新の気象情報を受け取ることができます。これにより、悪天候下においても船舶の定時到着を支援し、燃料消費量とGHG排出量を最小限に抑えることが可能になります。このアプローチは、船長の的確な判断を後押しし、航海の安全性を高めるとともに、海上で複雑かつ変化しやすい気象データをより効果的に活用できるようにします。
実際のExpert Route Monitoringの運用については、船舶会社から提出された航海スケジュールと運航目標をNAPAが受領するところから始まります。その後、Interoutesの専門家がNAPA Voyage Optimizationを活用して、航海計画および気象予測レポートを作成します。慎重な検討を経て完成した航路計画は、船内のNAPAシステムに直接アップロードされ、船長に共有されます。併せて、航路に関するフィードバックやサポートのための通信チャネルも開設され、陸上との継続的な連携が可能になります。
本サービスを通じて、船長は Interoutes の専門家チーム(経験豊富な船長、一等航海士、船長資格を持つ船員など)と直接コンタクトができ、航海計画に関して高頻度かつ詳細にアドバイスを受けることができます。専門家チームは、NAPAの詳細なパフォーマンスモデルに基づいてこれらの分析と提案を行い、航路予測の精度を高め、複数の航路パターンを比較検討し、海上で船長が最良の判断を下すための的確なサポートを提供します。

本サービスは、既存のデジタルソリューション NAPA Voyage Optimizationに追加される新たなオプションとして提供され、すでに Fortius Ship Management社 による実航海での試験運用が成功しています。試験では、大西洋および地中海を横断する25日間の航海中に、Interoutesチームが計16件の航海計画を個別に策定し、航路上で発達した低気圧帯を安全に回避できるよう船長を支援しました。すべての航路案が採用され、計画どおりのスケジュールで目的地に安全に到着し、設定された運航目標を達成しました。さらに、最適化された航路設計により燃料消費量の削減が実現し、運航効率とGHG排出量削減の両面で顕著な成果が得られました。参加者からのフィードバックでは、専門家によるガイダンス、タイムリーな航路更新、そして変化の激しい海象条件下での判断に対する安心感が大きな付加価値として高く評価されました。
NAPA Shipping Solutions部門のExecutive Vice PresidentであるPekka Pakkanenは、今回の発表について次のようにコメントしています:「Interoutesとのパートナーシップ、そして新サービスExpert Route Monitoringの立ち上げを大変嬉しく思います。デジタル技術によるウェザー・ルーティングや航路最適化は、航海計画の精度と効率を大きく高めていますが、そこに経験豊富な専門家の知識を合わせることで、その効果はさらに一段上のレベルへと引き上げられます。今回の共同ビジネスは、デジタル技術と海事の専門知識を完全に統合した新しい価値を提供するものであり、コンプライアンス、収益性、運航効率を同時に追求する船舶会社にとって、確かな競争優位につながると考えています。私たちはこのパートナーシップを通じて、最先端のデジタルツールと実務に基づく海事経験という両者の強みを融合し、これまでにないレベルのサポートをお客様にお届けします。」
また、InteroutesのCIOであるPanos Gianniotis氏は次のように述べています:「海上輸送において、人による判断と経験は欠かせません。だからこそ、経験豊富な専門家の存在、人と人との信頼関係、そして正確なデータが不可欠です。これらがそろって初めて、デジタルツールを真に効果的に活用することができます。このアプローチは、サービスの精度と信頼性を高めるだけでなく、現在および将来のデジタルソリューションへの信頼を深め、より安全で効率的な航海の実現と、業界の脱炭素化の推進にもつながります。」
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NAPAについて
NAPAは、世界の海運業界向けにソフトウェアおよびデジタルサービスを提供するリーディングプロバイダーです。データサイエンスを活用し、安全性の向上、持続可能性の促進、そして未来に適応した海運の実現を支援しています。1989年に船舶設計のスマート・ソリューションを提供する企業として設立され、現在では造船業界の世界的な基準として認知されており、新造船の90%以上がNAPAの顧客によって建造されています。
今日、NAPAの専門知識は船舶のライフサイクル全体にわたり、建造から航海中の安全性や効率性までをカバーしています。世界で3,000隻以上の商船が、NAPAの安全性および効率性に関わるソリューションを採用しています。
フィンランドに本社を置くNAPAは、200名のエキスパートを擁し、日本、韓国、中国、シンガポール、米国、ドイツ、ギリシャ、ルーマニア、インドに拠点を持つグローバル企業として活動しています。
詳しくは www.napa.fi/jaをご覧ください。
Interoutesについて
Interoutesは、海運業界向けのウェザー・ルーティングおよび船舶パフォーマンス評価を専門とする海事サービス企業です。2001年にギリシャで設立された同社は、船長や航海士としての豊富な海上経験と高度な気象知識を活かし、実践的で信頼性が高く、かつコスト効率に優れたウェザー・ルーティングサービスを提供しています。加えて、安全性・持続可能性・運航効率の向上に強くコミットしており、船主や運航会社と密接に連携しながら、海上でのより的確な意思決定を支援しています。
また、個別対応のサポート体制により、船長がすぐに陸上のInteroutesの専門家から実践的かつ明確なアドバイスを受けられるよう設計されています。
詳しくは www.interoutes.gr をご覧ください。