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November 14, 2025

韓国における船舶設計の未来を探る:NAPA User Seminar 2025を振り返る

2025年9月、釜山で開催された毎年恒例のイベント「NAPA User Seminar Korea」では、NAPAコミュニティが一堂に会し、船舶設計と海洋構造設計の最新動向を探りました。2日間にわたるセミナーには、120名以上の海事専門家、造船技術者、船舶設計者が参加し、「Shaping the Future of Ship Design(船舶設計の未来を形づくる)」をテーマに議論が交わされました。

120名以上の海事関連の専門家たちが2日間のイベントに参加した

海事業界は今、重要な転換点に立っています。造船会社は、脱炭素化目標の達成と次世代技術への備えを目的に、的を絞った船舶の更新を進めていますが、新造船の全体的な活動は緩やかになっています。このような状況では、船舶設計の手法やツールが、市場の変化に対して革新的な技術で応えることが求められます。NAPA User Seminar Korea2025では、韓国の海事業界の代表者と連携し、船舶設計の未来に何が待ち受けているのかを共に探るとともに、信頼されるソフトウェアプロバイダーとして、韓国における業界関係者との数十年にわたる協力関係をさらに強化しました。

デジタル設計ツールで市場ニーズに応える

デジタル化、環境対応の推進、そして進化する規制要件への対応が、船舶設計の根本を再構築しつつあります。NAPAのDesign Solutions部門 取締役副社長であるMikko Forssは、基調講演にて、船舶設計の未来に向けた力強いビジョンを提示しました。それは、設計がよりスマートに、より迅速に、そしてより協調的になる世界です。

NAPA Design Solutions部門 取締役副社長 Mikko Forss

造船業界は、船隊更新と脱炭素化のニーズに後押しされ、過去20年で最大級の受注残を抱えて2025年を迎えました。Clarkson Researchによると、2034年まで年間平均2,000隻超の発注が見込まれており、長期的な需要の堅調さが浮き彫りになっています。同時に、造船会社は、代替燃料や効率性の要件が高まる中、より技術的に複雑でオーダーメイドな船舶へとシフトしています。

NAPAは、造船の「受注設計」特有のニーズに対応するソリューションを通じて、こうした課題に応えています。新たなソフトウェアプラットフォームである NAPA Engineer は、現代の造船プロセスにおける学際的な要素と高まる複雑性を明確化することを支援します。これにより、効率的な設計反復、オーダーメイドの設計ワークフロー、そして統合が可能になります。また、NAPA Steel は、3D構造設計と評価をつなぎ、基本設計から詳細設計までの効率性を新たなレベルへと引き上げています。

NAPA KoreaのAccount Director, Tae-Seong Hwangが最新の開発状況を紹介

多様な造船ニーズに応える柔軟なツール

NAPA User Seminar Korea2025で特に印象的だったのは、韓国の海事業界の主要関係者同士の協業と対話を促進できたことです。パートナー企業によるゲスト講演では、顧客主導のイノベーションや活用事例にスポットライトが当てられました。一連の技術発表を通じて、韓国の主要造船会社や船級協会は、NAPAの柔軟な設計環境を活用し、複雑な設計課題の解決やワークフローの効率化をどのように実現しているかを紹介しました。

HD現代重工業は、コンテナ船のベンチ構造と関連形状の自動生成を可能にする強力なスクリプトソリューションを紹介しました。Hanwha Ocean は、タンカーの復原性計算に使用できるデータセットを生成するためのフレームワークを発表しました。サムスン重工業は、洋上構造物の曲面外板の予備設計における NAPA Steel の活用事例を共有しました。Lloyd’s Register は、風力推進システム(WAPS)に関する新しいガイダンスノートに沿った風モーメント定義の実装について講演を行いました。

イベント中に議論を呼んだ、刺激的な講演テーマ

各講演は、コンテナ船の形状からタンカーの復原性、洋上構造物の外板設計、風力推進の統合まで、それぞれ異なる課題に取り組んでいました。しかし、それらを結びつけていたのは、船舶設計におけるNAPAソリューションの適応力です。NAPAの柔軟性は、多くのユーザーにとって共通の強みです。スクリプト、最適化アルゴリズム、スクリプトベースの自動化、統合型ドラフティングツールなどを通じて、NAPAは造船会社、船級協会、設計チームの多様なニーズに応えるためにカスタマイズ可能な万能プラットフォームであることを証明しています。

AIと協業が次の革新を牽引

技術発表や製品紹介を超えて、NAPAの毎年のUser Seminarは、海事業界全体での協業と対話のためのユニークなプラットフォームとして機能しています。業界のさまざまな分野の専門家を集め、このイベントは船舶設計におけるイノベーションを推進するために不可欠な、オープンな意見交換を促進します。今年の参加者の一人はこう語っています:

私はNAPA User Seminar Koreaにすでに5回参加していますが、毎年とても楽しんでいます。他の業界専門家と見解を共有できる機会は非常に貴重です。NAPAの担当者や他のNAPAユーザーと会うことで、日々の業務でNAPAをより効率的に活用できるようになります。

今年の議論は、船舶工学の未来、デジタルワークフロー、そして規制遵守に焦点を当てました。中でも最も注目を集めたテーマの一つは、海事設計と運用における人工知能(AI)の役割でした。複雑な計算の自動化、AI支援によるスクリプトやマクロの作成、予測インサイトによる意思決定の強化など、AIは業界における変革の原動力としてますます認識されています。

これらの議論は、共通のビジョンを浮き彫りにしました。それは、AIが生産性を高めるだけでなく、高度な設計ツールをよりアクセスしやすく、直感的なものにするべきだということです。NAPAは、船舶設計の未来の最前線に立ち、AIがNAPAソリューションの進化において重要な役割を果たし、お客様がよりスマートに、迅速に、そして自信を持って業務を遂行できるよう支援することを目指しています。

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